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■公的機関による米ドル/円の買いは続いている

 今回は、２つのテーマについて、お話をしようと思います。

 まず、先週（８月11日～）からの公的資金による米ドル/円の買いについてです。

 101円台、102円台での日本の公的な運用機関による米ドル/円の買いの話は、ここ２、３回の当コラムでご紹介をしてきましたが、それはまだ続いているようです。

【参考記事】
●ドル/円は公的運用機関が101円台で買い｡利上げ期待低下で急落、ポンドの今後は？（８月14日、今井雅人）
●ドル/円103円維持できず一時101円台へ！急落の原因はヘッジファンドの誤発注か（８月７日、今井雅人）
●NYダウ下落でも日本株が堅調な理由とは?米ドル/円上昇の裏には郵貯マネーが!?（７月31日、今井雅人）

 さらに、これに参戦してきたのが、海外のヘッジファンドなどの運用機関。夏休み明けの今週（８月18日～）に入り、海外勢が米ドル/円を積極的に買ってきています。

 その一番大きな要因となっているのが、９月ぐらいから始まると予測されているＧＰＩＦ（年金積立金管理運用独立行政法人）による日本株買い・円売りへの期待感でしょう。

 簡単に言えば、この動きに乗っかろうとして米ドル/円を買ってきている外国人がたくさん出ているということです。

 103円台には日本の大手輸出企業による米ドル売り・円買い注文がたくさん並んでいたようですが、それも全部飲み込んでしまいました。

米ドル/円 日足

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：米ドル/円 日足）

■米ＦＯＭＣ議事録公表。早期利上げ観測がもう１つの要因

 もう１つの要因となっているのが、米国の早期利上げ観測です。

 昨日８月20日（水）に、７月29日（火）～30日（水）に開催されたＦＯＭＣ（米連邦公開市場委員会）の議事要旨が発表されました。その中身を少し見ていきたいと思います。

 まず、ＦＯＭＣが重要視している労働市場の状況についてでありますが、「労働市場の状況は長期的に正常とされる水準に著しく近づいた」として、予想以上の回復をしている認識を大方のメンバーが感じているという印象です。

 その上で、利上げ開始の時期については、「経済活動や労働市場、物価上昇率に関する今後の動向次第である」としています。

■雇用環境についてもやや楽観的に見える表現に

 さて、これをどう読めば良いかということですが、まず、雇用環境については、これまで、「失業率などを見ると、労働市場は回復してきているように見えるが、賃金の上昇率などを見るとそれほど伸びていない」という認識を示していて、どちらかというと数字ほどは良くはなっていないのではないか、という疑問を持っている印象がありました。

（詳しくはこちら → 経済指標/金利：米国主要経済指標の推移）

 しかし、今回は、もう少し楽観的に見ているような表現になっています。

 これは、利上げの時期が早まるという憶測を市場に広げるのに十分なものだったようで、米ドルは全面的に上昇しています。

米ドルＶＳ世界の通貨 ４時間足

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：米ドルＶＳ世界の通貨 ４時間足）

■米長期金利も上昇し、米ドル買いには絶好の状況か

 米ドル相場には、米国の長期金利が大きく影響することは、当コラムでも何度もご紹介していますが、その米国の長期金利も上昇してきており、まさに米ドルを買うには絶好の状況が生まれてきています。

米10年物国債利回り（米長期金利） 日足

（ＣＱＧ）

 そこに、日本の国内事情でいえば、ＧＰＩＦなど公的運用機関による円売りの流れがあって、米ドル/円が上に抜け始めているということになります。

 また、ユーロに関しては…

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