■制御不能のパニック円安で1ドル=140円あたりまで!?
さて、最近はもっと過激な意見も出始めています。
今後は、良い円安から悪い円安に転換し、その流れが止まらなくなって、一気に140円あたりまで進んでしまうというシナリオです。
実際のところ、1995年4月に1ドル=79円台まで円高が進んだあと、一転して円安一色となり、1998年8月には1ドル=147円まで米ドル高・円安が進みました。
(出所:米国FXCM)
3年4カ月で、68円の円安が進行したことになります。
それでは、今回の局面を見てみましょう。
2011年10月に75円台と、円の史上最高値(米ドル/円の史上最安値)を記録した後、相場は反転。野田総理が衆議院を解散してから安倍政権に変わる中、米ドル高・円安が一方的に進みました。
(出所:米国FXCM)
ここまで、3年1カ月で43円の米ドル高・円安が進んだことになります。
つまり、ここ3年程度の円安の流れは、確かに大きな動きではあるものの、1990年代半ばに起きた円安の流れよりはゆっくりだということです。その上で、今後市場は制御不能になり、パニック的な円安を引き起こすのではないかという予想が出てきているということでしょう。
■円安はさらに進むという前提で考えておきたい
私は、個人的には1ドル=120円を超えてくると、さすがに政府や日銀も行き過ぎた円安に警戒感を示すようになり、さらに円安が止まらないようであれば、米ドル売り・円買いの介入を実施してくる可能性もあるのではないかと考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ただ、いずれにしても、現在の円相場は、1円から1円50銭程度円高になる局面があっても、翌日にはまた円安方向に戻ってしまうという動きとなっていますので、基本的に円安圧力は強いということだと思います。
引き続き、円安はさらに進むという前提で考えておきたいと思います。
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