先週の金曜日、欧州序盤でドル円が下げに転じた。アジア時間に121円ちょうどを攻めていたのだが、一転して利食い売りから損失覚悟の投げ売りモードとなった。ドル円は120.30を下回ってきた。今日のドル円は売りかなと思った。前日の上げに続いて、東京勢も追随して買い進んだのだ。短期的に高いコストのドルロングでいっぱいになっていても不思議ではない、下げには弱そうだ。そこで私も120.36で売りこんでいった。
しかしほとんどフェイバーになることはなく、大きく上がりもしないが、持っているのが嫌になってきた。そして120.50を再び超えてきたので、私はいったんはポジションをカットした。しばらくは120円台の前半がレジスタンスになっていた時期が長かっただけに、今度はサポートとしてワークしているのだろう。
下割れしなかったのだったら、早々にショートを撤退しなければならないところだ。だからといってドルロングにしていくには、先ほどの下げを見ているだけに仕込みづらい。20時過ぎになってドル円がピョンと跳ね上がった。欧州株がグイッと上がってきて、それがリスクテークの余地を増したようだ。
そうこうしているうちに中国中銀が追加緩和を発表した。政策金利を0.25%引き下げて、準備率も引き下げるという。欧州が追加緩和に向かうなか、中国もか、ということでマーケットは大きくリスクテークに傾いた。グローベックスでの米国株は急上昇し、日経先物もナイトセッションで19000円台に乗せてきた。
そしてドル円は121円台に乗せてきた。私も何度かドル円を買ってみて、10ポイント取れたらすぐに利食い売りで逃げる。夕方にやられた分を取り返すのに専念した。ニューヨーク勢が参入してきても、ドルが独歩高で進行。欧州と中国の緩和に加えて、日本の追加緩和にも期待が集まり、米ドルの相対的な魅力が上がってきたのだ。ユーロドルは1.10台にも突入し、ドル円はほとんど押し目を作らずに上昇。ニューヨーククローズではドルの全面高で、しかも高値圏での終了となった。
今週はFOMCや日銀の会合にフォーカスが集まる。FEDの10月利上げは完全に吹き飛んでいるが、週の後半の日銀会合は予断を許さない。日本の事情から言えば、11月に発表されるGDPも見てから緩和するかどうかを決めたいところだろうが、先週に中国と欧州の緩和姿勢の強まりを見せつけられては当局が動かないのも不自然となろう。株価もドルも大きく上昇した分だけ、何もなければ反動は大きいものとなる。
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