■前回のコラムの内容を検証してみよう!
まず、前回のコラムの内容を確認しておきます。
<前回のコラムの内容>
・ 米国は12月利上げムードが高まってきているので、ユーロ/米ドルは、ユーロ安・米ドル高が進む。当面の目標は、1.08ドル台半ば
・ オセアニア通貨は、米国の利上げには弱いので軟調に推移する
・ 米ドル/円は、なかなか米ドル高に向かいにくい
・ 黒田総裁は、まだ金融緩和はやりたくないのではないか。政府からの要請との板ばさみ状態である
【参考記事】
●米FOMCで年内利上げ期待高まりドル高!黒田日銀総裁の追加緩和に対する本音は?(10月29日、今井雅人)
さて、その後どうなったかを検証していきます。
■イエレンFRB議長が12月利上げに踏み込んだ発言!
まず、11月4日(水)の議会証言で、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、以下のような発言をしています。
「米国経済は、現時点では順調だと判断している」
「FOMC(米連邦公開市場委員会)では、タイムリーな利上げ開始が賢明だと考えており、12月会合で利上げの現実的な可能性がある」
つまり、2015年12月の利上げ可能性について、踏み込んだ発言をしているということです。
この発言で、ユーロ/米ドルは、1.08ドル台にまでユーロ安・米ドル高が進んでいます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
■ドラギ総裁は、12月の追加緩和に踏み込んだ発言!
ユーロに関しては、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が、以下のような、これまた踏み込んだ発言をしています。
「金融緩和のあり方について、12月の政策委員会で再検討する必要がある」
「金融緩和の適切な度合いを維持するために、正当化される場合には責務の範囲内で、利用可能なあらゆる手段を用いて行動する意思と能力が政策委員会にはある」
つまり、2015年12月に追加緩和をする可能性を明言しているということです。
米国は利上げ、ユーロ圏は金融緩和となれば、ユーロ安・米ドル高になるのは明らかということです。
■「鉄の男」黒田健在! 2015年残りの会合でも追加緩和は…
米ドル/円に関しては、121円台にまで上昇はしていますが、レンジを上に抜けるところには、至っていません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
さらに、10月30日(金)の日銀金融政策決定会合では、黒田総裁は、やはり追加の金融緩和を見送りました。
やはり、「鉄の男」黒田健在といったところでしょうか。
この先、日銀の金融政策決定会合は、11月18日(水)~19日(木)、12月17日(木)~18日(金)と、2015年は、まだ2回残しています。
しかし、今回、同時に発表した半年に一度の「日銀展望レポート」の見通しを下方修正したにもかかわらず、金融緩和を見送ったわけですから、11月、12月に金融緩和をするきっかけは、なかなか見つからないのではないかと思っています。
そういう意味においては、米ドル/円も、米ドル高基調がはっきりしてくるのには、やや材料不足なのだと思っています。
その他、オセアニア通貨ですが…
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