■米FOMCでは、6月利上げ見送りを決定!
本日6月16日(木)は、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)、日本では日銀金融政策決定会合の結果が公表され、それぞれ金融政策が決定されました。
いずれも政策の現状維持となりましたが、FOMCでは「英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票」の影響を考慮したほか、「5月米雇用統計の想定外の悪い数字」などの推移を見極める意味もあり、「慎重なペース」での利上げ、というフォワードガイダンスはそのままにしつつも、今回の利上げを見送ることになりました。
声明文では、経済の現状認識をアップデートしたほかは、ほとんどの部分で前回の文言をそのまま踏襲しました。ただ、これまで常に利上げを主張してきたジョージ・米カンザスシティ連銀総裁が賛成票を投じたことはサプライズだったと言えます。
また、同時に発表された「経済金利見通し」では、明らかにFOMCメンバーの見通しが下方修正されたことが判明しています。
メンバーの「経済金利見通し」では、2016年末のFF金利予想が、中央値こそ据え置きとなったものの、年4回の利上げ予想が4人から1人、3回の予想が3人から1人に減少。一方で、2回の予想が9人のままで同じ、1回の予想が1人から6人にまで増加するといった下方集約が見られました。
また、2017年末と2018年末の中央値が揃って下方修正されるなど、全般的にはハト派的な内容となりました。
■イエレンFRB議長は7月利上げの可能性を残す
一方で、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、定例記者会見で、「1、2回の統計に過剰反応すべきではない。第2四半期の指標は著しい持ち直しを示すだろう」との見解を示したうえで、「7月利上げは不可能ではない。適切と判断すれば数カ月以内に行動する」との見通しに言及。
利上げの可能性を残した、とも言えます。
全般に、現状の世界経済や金融情勢に配慮しつつ、方向性を示しました。
■日銀は追加緩和見送り! 日経平均と米ドル/円が急落!
ところが、です。
日銀は本日6月16日(木)、追加の金融緩和を見送りました。
市場予想どおりだったとはいえ、一部からは「緩和をやるなら今回しかない」との期待感が根強かったこともあり、現状維持の決定をきっかけとした日経平均株価の500円を超える大幅な下落と、米ドル/円の2円以上の急落というリスクオフ相場を増長することになりました。
(出所:株マップ.com)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
今月23日(木)に行われる英国の国民投票でEU離脱が現実味を帯びてきたことを懸念して、特に今週(6月13日~)に入って、金融市場はリスクオフ一直線となっています。
かの有名なジョージ・ソロス氏も金を買い、株を売って、円買いをしていることは周知の事実です。
実際に最新の世論調査では、EU離脱支持が…
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