今週に入ってからはイギリスの問題でリスク回避していた分のポジションの巻き戻しが優勢となっている。イギリス株を始め、米国株も日本株も連騰しており、マーケットのリスク許容度が増大してきている。そこで昨日の欧州序盤でもそうなるだろうと考えて、私はドル円をロングにしてみた。ちょうど102円台の中盤である。
確かに103円台がかなり重そうだというのは、チャートなどを見ても想像がつく。だから上がっても大きく利益は望めないという姿勢であった。逆にいうと損切り幅も大きくは取れない。せいぜいで30ポイントを取りに行くために、15ポイントのロスカットで勝負するという方法しか取れない。
ニューヨーク時間に近付いてくると、ドル円は102円台の後半まで進んできた。私も大きなアゲインストには会わずにポジションを持っていられた。とりあえず当初のゴールに近づいたので、利食いする。次は103円台に乗せてきた後のプライスワークを見たいところだ。
前回の時のように。ちょろっと大台に乗せた後に、利食い売りに押されてしまうのか。それとも今度は買い戻しも巻き込んで、一段高を演じることになるのか。どうなるかをウォッチした。
BOEのカーニー総裁が8月までは金融緩和をする必要があると発言した。追加緩和の意思を表明したのだ。それが急激なポンド売りを誘い、それに伴ってユーロ安、そしてクロス円の下げへとつながった。ドル円も102.50をも下回ってきた。もう日付が変わっている頃なので、私もドル円の高値追いには参加せず、おとなしく寝ることにした。
しかし夜中にもう一度、ドル円は反発した。今度は今週の高値をも追い抜いてきて、103円台に乗せてきた。しかも朝まで103円台を維持。ドル円はそのまま高値引けしたのである。だが今日のアジア時間ではドル円は軟調な地合いを強いられている。しかし値崩れはしていない。依然としてバイ・オン・ディップのスタンスが求められるところだ。
さて昨日は中国の中央銀行であるPBOCが自国通貨安を事実上、容認した。これは昨日のマーケットであまりインパクトを与えなかったので、あまり話題にはされなかったが、昨年の相場展開を振り返ってみてもわかる通り、人民元安は市場のリスク許容度を減退させる効果がある。
またパニック的にリスク回避が起こる引き金にならないとも限らない。もちろんそのタイミングがいつになるのかもわからない。しかし念頭にとどめておいて、備えだけは怠ってはいけないように思う。
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