■関係者の注目は、イエレンFRB議長講演だが…
さて、材料がなかなか見つからない中で、市場関係者は、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が、8月26日(金)にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる米カンザスシティ連銀主催の年次シンポジウムで講演することに注目をしています。
ジャクソンホールでの講演が予定されているイエレンFRB議長。講演の内容が気になるところではあるが… (C)Bloomberg/Getty Images
FOMC(米連邦公開市場委員会)の執行部であるダドリーNY連銀総裁やフィッシャーFRB副議長が、いずれも利上げの必要性を強く主張していることから、ますます議長の講演が待たれているワケです。
しかし、個人的には相場のトレンドを作るような発言が出てくるとは考えていません。
9月利上げの可能性についても、どちらとも取れるような表現に留めておくのではないでしょうか? したがって、市場はその講演を消化すると、またレンジの動きに戻ってしまうようなイメージを描いています。
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■中央銀行の金融政策を方向付ける重要な月になるかも
しかしながら、少し中期的な観点で考えてみると、9月というのは、実は各国中央銀行の今後の金融政策を方向付ける重要な月になる可能性があります。
FOMCは、その可能性が極めて低いと思ってはいますが、ひょっとすると利上げを実施するかもしれません。
日銀は、これまでの金融政策の「総括的な検証」を9月にまとめる予定です。総括をした上での、新たな追加緩和策なり、そうでなければ、逆にこれまでの緩和策の縮小や根本的な政策目標の変更もあるかもしれません。
また、ECB(欧州中央銀行)はEU(欧州連合)離脱を選んだ英国国民投票の影響を検証し、追加緩和の必要性について議論する可能性があると言われています。
なかなか、はっきりとした方向性はいずれの中央銀行も打ち出せないのではないかと個人的には考えていますが、実際、何があるかはわかりません。
動かないからといって油断することなく、常に注目しておきたいと思っています。
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