■米ドル/円は115.00円のオプションに注目
前述のように、今週(2月27日~)反発を演じた米ドル/円。
反発の時期としては前回のコラムでご紹介した時期と重なるのですが、問題は続伸するかどうか?
【参考記事】
●雲の中のドル/円、上抜けは3月上旬ごろ? なぜユーロ/豪ドルの下落に今注目なのか?(2月23日、西原宏一)
トレードにおいて、米ドル/円のポイントは2つ。
まず、日米首脳会談後の米ドル/円の反発を止めたのが115.00円のオプション。
【参考記事】
●日米首脳会談成功で円高リスクが後退。「暗黙のドイツマルク」のような存在とは?(2月16日、西原宏一)
今回、そのオプションはかなり消滅しているのですが、まだ3ビリオン(30億ドル)ほど残っているといわれており、115.00円を突破するには一定の時間を要するものと想定されます。
(出所:Bloomberg)
■株や鉄鉱石価格の上昇が豪ドルの追い風に
2つ目は他通貨での米ドルの動き。
以下は、3月の米利上げ織り込み度が急騰してからの各通貨の対米ドルでの動き。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
対米ドルで最も値を下げたのが、円。
一方、米利上げ織り込み度が高まる中、ほとんど値を下げていないのが豪ドルとなっています。
この背景は、株と鉄鉱石価格の上昇。
今年(2017年)に入って、米国株を筆頭にグローバルな株価は底堅い動きをしています。リスクオンの流れは豪ドルにとってプラス。
(出所:Bloomberg)
加えて鉄鉱石価格の高騰。
鉄鉱石は、他のコモディティ同様、トランプ米大統領がインフラ投資をすると宣言してから急騰しています。
昨年(2016年)末から鉄鉱石は順調に値を上げており、これが豪ドルにとって追い風に。
(出所:Bloomberg)
豪ドルが底堅い動きをしている中、米利上げの思惑から米ドル/円も急騰したことから、結果として豪ドル/円は急反発し、現時点で87.30円台で推移。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 1時間足)
前回のコラムでも触れましたが、ゴルディロックス(※)状態が継続する中、資源国通貨の豪ドルが注目されており、引き続き、豪ドル/円やユーロ/豪ドルの動向に注目。
(※編集部注:ゴルディロックスとは、過熱もしすぎず、低迷もしていない、居心地のいい状態のこと)
【参考記事】
●雲の中のドル/円、上抜けは3月上旬ごろ? なぜユーロ/豪ドルの下落に今注目なのか?(2月23日、西原宏一)
そして、こちらも前回のコラムで紹介したように、3月上旬と反発の時期を想定していた米ドル/円が上昇を開始していますが、米ドル金利上昇に対する他通貨の反応が弱いため、米ドル/円は高値追いをせず、押し目買いに徹することが肝要でしょうか?
(出所:Bloomberg)
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