昨日はアジア時間でもリスクテークが進んだ。ドル円も111円台の後半で高値攻めの勢いが強くて、なかなか押し目は現れなかった。朝にドル円を買えなかった人は、その後もずっと買えないでいたことだろう。その分だけ高くなればなるだけ、ビッドも強まっていくという、典型的な上昇相場となった。
そして欧州勢はメーデーのために休み。海外市場ではドルの利食い売りが優勢となったが、本格的な値崩れには至らず。米国株がしっかりとしていて、格別にリスク回避する理由も見当たらなかったからだろう。
トランプ大統領も発言で北朝鮮との対話にはオープンとも言っているし、またガソリン税の引き上げに言及して財源の模索している様子も見られた。一連のトーク内容はマーケットに安心感を与えるもの。それでリスク許容度が高まったのだとも言える。
昨日は円債の現物10年ものの取引が成立しなかった。円債がまったく市場として機能していないのは、何も最近になって始まったことではない。10年前もすでに機能していなくて、10年ものの金利商品のベンチマークにはなっていない。
10年ものの金利商品といえば取引所取引では円債の先物。OTCでは円円スワップなどである。10年の長期金利のベンチマークは完全に先物が主導しており、地銀などが現物債のプライスを求めてきても、市場が確かではないため、先物価格から推定するという時代がずっと続いている。
問題はこれが、日銀がいっぱい現物債を買っているからではないということだ。もともと機能していないところへ拍車をかけた一面はあるあろうが、日本の長期債市場が歪んでいたというのが実情だろう。
長期資金のニーズはバブル崩壊後の失われた20年の間に極めて減退した。またバイサイドもゼロ金利に近いレベルでは投資の根幹にかかわってくる。そして注目されているのが、今日も出来高ゼロかどうかであるが、これが別の意味での金融不安のタネになってもおかしくはない。
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