■原因はトランプ政権、みんな米ドルを買いたがらない!?
やはり、一番の原因となっているのは「トランプリスク」です。
就任してからのトランプ政権を見ていると、もはや政権の体をなしていません。現在も、ヘルスケア法案審議入りの動議こそ可決したものの、実際の法案審議は混迷の色を深めています。米議会は、いまだに夏休みに入ることができない状況が続いています。
発足から半年が経過したが、現在のトランプ政権は法案の可決もままならず、もはや政権の体をなしていない状態に… (C)Chip Somodevilla/Getty images
こんな姿を見ていると、とても米ドルを買おうという気が起きないということなのだろうと思います。
【参考記事】
●米ドル/円の上値が重い理由とは? さらに8月から米ドル/円は下がりやすい季節へ(7月25日、バカラ村)
その一方で、他の先進国は比較的景気も良く、政治、経済の両面から総合的に比較すると、やはり、米ドルより他の通貨の方が良い、ということになるのでしょう。
■日本だけが違うのに、それでもドル/円が上がらない理由は?
ただ、円だけは状況が違います。
今週(7月24日~)、日銀に新しく2名の審議委員が就任しました。片岡審議委員、鈴木審議委員の、それぞれの就任会見を聞いてみると、両名とも、かなりのハト派であることが良くわかりました。
つまり、日銀の金融緩和政策は、まだまだ続くということです。こうしたことが円安圧力となり、米ドル安圧力と引っ張り合いをしているので、米ドル/円は方向感のないレンジ相場に入り込んでいるということだろうと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
■トレンドは緩やかに進行、米ドル/円はレンジ長期化か…
さて、今後の展開ですが、今のトレンドを変えるような要因が見当たらないので、まだ、「米ドル安、円安、その他の主要通貨高」という構図は変わらないと思います。
【参考記事】
●機関投資家が円キャリートレードで勝負!? 急速な円安。注意しつつ流れに乗りたい(6月29日、今井雅人)
●円キャリートレード継続! 金利先高感が強まった通貨を中心にクロス円チェック!(7月13日、今井雅人)
ただ、この動きはかなり進んできているので、相場は利食いをこなしつつ、細かい上下を繰り返しながら、徐々に進んでいくというイメージで見ておきたいと思います。
米ドル/円に関しては、110~113円を中心としたレンジが長期化すると考えています。
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