(「ザイFX!で2017年を振り返ろう!(2) 英離脱交渉難航!? ECBがテーパリングへ!」からつづく)
「ザイFX!で2017年を振り返ろう」と題し、複数回に渡ってシリーズ記事をお届けしている。前回までの記事では、2017年の為替相場についてざっと振り返ってきたわけだが、ここからは、2017年のFX業界動向やザイFX!の新コンテンツについて、振り返っていきたい。
■トルコリラ/円スペック競争勃発!
2017年のFX業界を振り返ってみると、米ドル/円相場があまり動かなかったこともあってか、例年と比べると盛り上がりにやや欠けた面もあった。ただ、そうした中、FX各社がこぞって取扱いを開始したり、スペック競争を繰り広げた通貨ペアがあった。
それが、トルコリラ/円だ。
トルコリラといえば、高金利通貨として人気の通貨。2017年12月現在、トルコの政策金利は8.00%と、かなりの高水準となっている。
【参考記事】
●シティグループ証券・高島修さんに聞く(1) 高金利が魅力のトルコリラ、今は買い時?
以下のグラフをご覧いただくと、先進国のみならず、新興国を加えてもトルコの政策金利はかなりの高水準ということがわかる。

(出所:BloombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
そして、以下はトルコリラ/円の週足チャートだ。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 週足)
これを見ると、トルコリラ/円は年初に一時、30円の大台を割り込むなど、大きく下落していることがわかる。
実はこのタイミングで、これまでトルコリラ/円のスワップ金利を115円と、高水準で固定していたヒロセ通商が、固定での提供を終了したのだった。
【参考記事】
●【実質90円固定】トルコリラ/円のスワップが業界トップになるかもしれない口座とは?
しかし、これから紹介するマネーパートナーズやGMOクリック証券が新たにトルコリラ/円の取扱いを開始したことで、再びトルコリラ/円のスペック競争は活性化し、ヒロセ通商や外為どっとコムを巻き込んだものに発展していったのだった。
■マネーパートナーズの取扱い開始がスペック競争の火種に
ここからはもう少し掘り下げてトルコリラ/円のスペック競争について解説しよう。はじめに以下のグラフをご覧いただきたい。

こちらは、マネーパートナーズ[パートナーズFX]がトルコリラ/円の取扱いを開始した2017年5月8日(月)をスタートとし、主要FX会社4社のスプレッドがどのように変化したのかを示したものだ。
【参考記事】
●約定力のマネパがついにトルコリラ参入! スワップ金利は業界トップ水準の95円に!
●「第2次トルコリラ戦争」が勃発! 取引高世界一の参入でスペック競争加速!
マネーパートナーズ[パートナーズFX]のトルコリラ/円取扱い開始時のスプレッドが3.8銭原則固定。これは当時、業界トップ水準だったヒロセ通商の4.9銭原則固定よりも狭いスプレッドだった。
その後、ヒロセ通商はトルコリラ/円のスプレッドを2.9銭原則固定まで縮小させて、マネーパートナーズ[パートナーズFX]から業界トップ水準の座を奪い返した。
【参考記事】
●わずか1.2円の証拠金で取引できる例も…。トルコリラを取引するならどの口座がいい?
●驚愕!トルコリラ/円スプレッドが最狭水準に! スワップ金利は倍以上の115円へアップ!
●下落続きのトルコリラでも為替差損の心配なくスワップ金利だけ年3.5%稼ぐ方法とは?
そして、このタイミングで新たにトルコリラ/円の取扱いを開始したのがGMOクリック証券。そのスプレッド水準はマネーパートナーズ[パートナーズFX]を意識したもので、当時のマネーパートナーズ[パートナーズFX]のスプレッドより0.1銭だけ狭い3.7銭原則固定だった。
GMOクリック証券は業界最狭水準を目指したものと思われたが、前述したとおり、その少し前にヒロセ通商が2.9銭原則固定までスプレッドを狭めたため、結局、GMOクリック証券はヒロセ通商よりも広く、マネーパートナーズ[パートナーズFX]よりも狭い位置に収まった。
ところが、すぐさまマネーパートナーズ[パートナーズFX]が2.9銭原則固定に縮小させたことからGMOクリック証券は3番手となってしまった。そして、その後、しばらくしてから結局、GMOクリック証券も2.9銭原則固定までスプレッドを縮小させることになったのだった。
【参考記事】
●取引高世界1~5位を国内FX会社が独占。世界一は5年連続でGMOクリック証券!
●「第2次トルコリラ戦争」が勃発! 取引高世界一の参入でスペック競争加速!
その後、7月になって、老舗FX会社の外為どっとコムは、ほかの3社からは遅れたものの、スプレッドを6.9銭原則固定から2.9銭原則固定まで一気に4銭も縮小させた。
【参考記事】
●トルコリラ/円のスプレッド競争激化! メキシコペソ/円でもスペック競争勃発か!?
そして、マネーパートナーズ[パートナーズFX]とヒロセ通商はさらにスプレッドを縮小。2017年12月現在の最新スプレッドは、マネーパートナーズ[パートナーズFX]がキャンペーンスプレッドで1.9銭原則固定、一方、ヒロセ通商は標準スプレッドで1.9銭原則固定となっている。そして、GMOクリック証券と外為どっとコムが2.9銭原則固定で続いている。
FX会社 [サービス名] |
トルコリラ/円 スプレッド |
ヒロセ通商 [LION FX] |
1.9銭 原則固定 |
マネーパートナーズ [パートナーズFX] |
1.9銭 原則固定 ※12/29までのキャンペーン |
GMOクリック証券 [FXネオ] |
2.9銭 原則固定 |
外為どっとコム [外貨ネクストネオ] |
2.9銭 原則固定 |
マネーパートナーズ [パートナーズFX nano] |
3.8銭 原則固定 |
SBI FXトレード | 4.8銭 原則固定 |
FXプライム byGMO [選べる外貨] |
4.8銭 原則固定 |
※すべて例外あり、原則固定のみ掲載
そしてトルコリラ/円のスワップ金利は、長い間、スワップ金利を…
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