明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
■年初は日経平均に連れてクロス円が上昇
2018年、年明けの市場参加者の動きは、株式の買いから始まっています。
日経平均は、米国株や欧州株よりも割安だということから、海外勢が買ってきており、昨年(2017年)の高値も越えて、26年ぶりの高値を更新しました。
【参考記事】
●日本株を持たざるリスクを投資家が意識? 株価反落局面ではユーロ/円を拾いたい!(1月8日、西原宏一&大橋ひろこ)
(出所:Bloomberg)
北朝鮮が韓国と1月9日(火)に対談するということや、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの開催中は米韓が合同軍事演習をしないということが決まったことなどから、地政学リスクが緩和したことも材料視され、日経平均は上昇し、それに連れてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
■ユーロ/米ドルは調整を示唆。短期的には戻り売り!?
ユーロ/円は2017年末から上昇しており、先週(1月1日~)、一時136.63円まで上昇しました。
【参考記事】
●ユーロ/円は1月中に140円の大台達成!? 20円ほど動く可能性もあるので要注意!(1月5日、陳満咲杜)
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
また、ユーロ圏の経済指標に良いものが続いたこともあり、ユーロ/米ドルも1.2088ドルまで上昇しました。
しかし、ユーロ/米ドルは、昨年(2017年)高値の1.2092ドルがレジスタンスとなって上値が抑えられたこともあって、1月5日(金)から調整をしています。
(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドルは、日足のチャートはまだ上昇トレンドを維持していますが、ドイツで大連立の協議がこれから始まることもあり、欧州の政局不安があるため、ユーロを積極的に買い上げるには、まだ早いのではないかと思います。
短期のテクニカルも、先週(1月1日~)の1.20ドル台のもみ合いを下抜けてきていることもあり、調整を示唆している形となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
したがって、短期的にはユーロ/米ドルは、戻り売りの方がいいように考えています。
■クロス円を買うなら調整を待ったほうが良さそう
年末年始にかけてはクロス円が上昇しており、株価の上昇が続くようであれば、まだ堅調に推移すると思いますが、IMM(国際通貨先物市場)における投機筋の米ドルに対する円売り越しが約12.2万枚まで積み上がっており、今は北朝鮮リスクが緩和していますが、何か材料が出ると、クロス円も崩れる可能性は十分にあります。
【参考記事】
●IMMの円売り越し13.6万枚! この数字が10万枚を越えると米ドル/円は調整しやすい(2017年11月21日、バカラ村)
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
クロス円を買うのであれば、調整を待ってから買うのがいいように思います。
■クロス円の中でも買いやすい通貨ペアは?
買いやすいクロス円としては、加ドル/円が挙げられます。
加ドルは1月5日(金)のカナダ雇用統計が良かったことや、今後もBOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])の利上げが続くことから、長期的には買われる通貨だと考えられ、加ドル/円は長期的に買い方向の通貨ペアだと思います。
(出所:Bloomberg)
また、日本とニュージーランドの金利差があるNZドル/円も、買い方向の通貨ペアではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
円売りの調整を待つ必要がありますが、目先であれば、ユーロ/米ドルが調整を示唆しているため、ユーロ/加ドルの売りや、ユーロ/NZドルの売りもいいのではないかと思います。
■米ドル/円はまず、114円を目指す動きに期待
米ドル/円に関しても、クロス円と同様、投機筋の円売りが多いために上昇しにくいとは思うものの、2018年前半は米ドル買いだと考えているので、まずは114円を目指す動きを想定しています。
【参考記事】
●“小動きの翌年の法則”を考えると2018年の米ドル/円は16%変動! 101円まで下落か!?(2017年12月26日、バカラ村)
米国のインフラ投資への期待や税制改革もあって、米ドル/円は底堅いのではないかと思います。
米ドル/円の114~115円には強いレジスタンスがあり、簡単に越えられる水準ではないですが、まずは114円を目指す動きが期待できます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
それでは、本年もよろしくお願いいたします。
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