■インパクトが大きかったのはユーロ/円
ところで、日銀のオペレーションに関しては、本日、1月11日(木)の中期債の国債オペでは、購入額がそれまでと同額となったことからもわかるように、「テーパリング」という意図のあるものではないと思っています。
また、中国の米国債購入に関する報道については、11日(木)のアジア時間に、SAFE(中国国家外貨管理局)が正式に「誤った情報に基づいたものかフェイクニュース(偽ニュース)」と否定したほか、中国外務省も正式に「米国債についての報道はフェイクニュースの可能性がある」と表明しました。いったい、何だったのかと言いたくなるような展開でした。
ただ、ユーロ/円などはチャートを上に抜けて、いよいよ、さらなる円安かと期待する投資家が、年初から円売りを積み上げていたところで、こういうニュースが出たので、インパクトが大きかったということだと思っています。
(出所:Bloomberg)
■出鼻をくじかれたマーケットには後遺症が残りそう…
このように、年初から出鼻をくじかれてしまったので、この後遺症は市場にしばらく残ってしまうのではないかと思います。
円高になる過程で、断続的に日本の機関投資家が米ドル/円を買っていたこともあり、これから、大きく円高に向かうという感じでもないですが、逆に、また円売りで勝負というムードもなくなってしまっています。
【参考記事】
●2018年前半の米ドル/円相場は面白くない!? 米雇用統計にもさほど反応しない理由とは(1月10日、松田哲)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
しばらく、方向感のない、ふらついた動きになってくるのではないでしょうか。
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