■ドル安継続。米ドル/円105円台、ユーロ/米ドル年初来高値
米ドル/円は下降トレンドが続いていましたが、2月15日(木)に麻生財務相が「介入しなければいけないほどの円高ではない」と発言したこともあり、これが海外勢に円高容認と受け取られて、16日(金)には一時、105.55円まで下がりました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
ユーロ/米ドルも、米ドル安の動きに連れ、年初来高値を更新して1.2555ドルまで上がりました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ここまで、米ドル安の流れが続いています。
■米ドル/円が底を付けたと考えるのはまだ早い!?
日銀の総裁・副総裁人事は、緩和策が継続となるような内容となってきていますが、市場の注目が米国の通商政策や財政赤字の方にいっており、円安方向への推移は短期でしか反応していません。
【参考記事】
●黒田総裁再任でも米ドル/円上昇は期待薄!? トレンド変わった英ポンド/円は147円が目標(2月13日、バカラ村)
トランプ大統領の通商政策や米国の財政赤字は、すぐに影響する内容ではないですが、長期的には米ドル安へ推移する内容となるため、まだ、米ドル/円が105.55円で底を付けたと考えるのは、早いのではないかと思います。
【参考記事】
●米ドル/円は107円を割り込んで売りシグナル点灯!100円近辺までサポート見当たらない(2月14日、松田哲)
また、VIX指数(恐怖指数)の急騰によるショックには落ち着きが出ていますが、楽観できるほどの状況でもなく、リスクオンによる円安も期待しにくい状況です。

(出所:Bloomberg)
■ユーロ/米ドルに「包み足」。目先は調整する動き!?
ユーロ/米ドルは、2月16日(金)に包み足を形成しました。これは、短期的に調整を示唆することになります。さらに、年初来高値を更新したにも関わらず、その位置を維持できなかったことも、上値の重さを示唆しています。

(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドルは、米ドル安から長期的には上昇すると考えているものの、目先は調整する動きとなりそうです。
■ユーロが調整するなら米ドル/円も調整しそうだけど…
米ドル/円とユーロ/米ドルは、半年間ほど逆相関の関係が高い状態となっていることもあり、ユーロ/米ドルに上昇トレンドの調整が出てくるのであれば、米ドル/円の下降トレンドにも調整が出てくる可能性が高まります。

(出所:Bloomberg)
しかし、CFTC(米商品先物取引委員会)が公表するIMM(国際通貨先物市場)のポジションを見ると、投機筋の米ドルに対する円売り越しは偏ったままとなっています。
【参考記事】
●過大評価されるユーロと過小評価される円、是正する道はユーロ/円の大逆転のみ!(2月16日、陳満咲杜)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
現在の相場状況からは、さらに円売りを積み上げていくような状況ではなく、反対に、偏りすぎたポジションが手仕舞いされる可能性の方が高いのではないかと思います。
とすれば、ドル円の上値は重いままだと考えています。
ユーロ/米ドルには調整の可能性があり、米ドル/円は上値が重いのであれば…
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