■FOMCは来年以降の利上げペース加速を示唆
3月20日(火)~21日(水)に、米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)レートを0.25%引き上げて1.50~1.75%のレンジにすることが決定されました。
※FRBのデータを基にザイFX!が作成
その上で、今年(2018年)の利上げに関しては、今回を含めて3回という姿勢を維持しました。
一方、2019年末、2020年末の予想金利の軌道(中央値)に関しては、傾斜を強めました。つまり、利上げのスピードを従来より速いものにするという姿勢を示しました。
(出所:FRB)
■パウエル議長が中立的な立場を強調して米ドル安に
今回の利上げそのものは、予想の範囲内であったため、市場への影響はありませんでした。
しかし、今年(2018年)の利上げペースが変わらないという点を材料に、米ドルを売り込む動きが最初に見られ、その後、今度は、2019年以降に利上げペースが速まるという点を見て、米ドルを買い戻す動きも見られました。
最終的には、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、その後の定例記者会見で、利上げに対して「中立的立場にいる」などと発言し、それほど積極的な姿勢を見せなかったことから、米ドルは軟調に推移しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
米長期金利も、同様の動きとなりました。
■米経済の最大のリスク要因は「貿易政策」
結果的には、FOMCの決定そのものは、市場に大きな影響を与えることはありませんでした。
しかし、会見の中で、パウエルFRB議長が、「トランプ米大統領の貿易政策についての懸念を表明」していることに、私は注目しています。
やはり、これからの米国にとって、経済面での最大のリスク要因は、トランプ米大統領の進めようとしている「貿易政策」だということです。
【参考記事】
●米ドル/円は100円も視野! 強硬姿勢のトランプ米大統領。暴走は止められない?(3月8日、今井雅人)
●森友問題くすぶり、アベグジットの思惑も…。ただ、市場の最大のテーマは貿易戦争!(3月20日、バカラ村)
こうした懸念は、まだ、はっきりと顕在化しているわけではありませんが、株式市場の動きを見ても、米ドル相場を見ても、市場関係者が非常に警戒していることは、よくわかります。
トランプ米大統領が関税に対して、いつ具体的な内容を発表するのか、まだ不透明です。発表の時期が見えないだけに、市場には、ずっと懸念が蔓延してしまっています。
日本に関していえば、来月(4月)、安倍総理が急遽…
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