■東証では空売り比率が初の50%超え
日本株に対する海外勢の売りも続いています。海外投資家は、3月第2週は現物、先物を合わせて3435億円の売り。金額こそ減りましたが、10週連続の売り越しです。
東証の空売り比率も50.3%と、初の50%超えです。売りが膨らんでいるからといって買い戻しが進むかというと、そんなイメージもない。
ヘッジファンドをはじめ、海外勢は、日本株を落とす気が満々のようですから、ちょっとやそっとのことで切れるショートではなさそうです。
今週(3月26日~)は、27日(火)に佐川前国税庁長官の証人喚問がありますし、年度末の最終週。
来週(4月2日~)からは、新年度に入ります。今週(3月26日~)は、安値を深掘りし、来週(4月2日~)からニューマネーが入ってきて反発する、といった可能性にも期待したいところですが……。
■GMOクリック証券は過去最大のロングに
IMM(国際通貨先物市場)での円ショートも減ってきてはいるとはいえ、まだ積み上がったままです。
投機筋らが個人投資家の米ドルロングを崩しにかかる戦略に出れば、円ショートから円ロングに転換する可能性も十分にありますし、今度は、円ロングが積み上がってくるかもしれませんね。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
■ユーロ/円は50%戻しにあたる129円台に注目
米ドル/円は先週(3月19日~)、105円を割りました。100円~105円は、トランプラリー前に、散々もみ合った水準。
「100円は簡単には割れない」という意識も強いので、いずれ100円割れとは思いますが、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。

(出所:Bloomberg)
地政学リスクが、きっかけになるかもしれないですね。先週(3月19日~)、サウジアラビアのムハンマド皇太子は、「イランが核爆弾を開発すれば我々も」と発言しましたし、5月には、在イスラエルの米大使館がエルサレムへ移転します。
S&Pにデフォルト認定されたベネズエラも、政府が独自の仮想通貨を発行して資金調達するまでに追い詰められています。
【参考記事】
●住友商事・高井裕之氏に聞く原油相場(3) 驚きのサウジ大改革を進める「MBS」とは?

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は「イランが核爆弾を開発すれば我々も」と発言した (C)Anadolu Agency/Getty Images
先の話かもしれませんが、地政学リスクの高まりによるリスクオフにも警戒ですね。
中東がきな臭くなってきたこと、ベネズエラ経済悪化で原油生産が減少していることなどから、原油価格は三角持ち合いを上放れて上昇。
これまで続いていたNYダウと原油のきれいな相関が切れて、逆相関に入りました。原油高の状態でNYダウ下落のサイクルに入るのは、良くない兆候ですね…。
FOMC直後から、ゴールドも上昇を始めています。

(出所:Bloomberg)
今週(3月26日~)は、米ドル/円の戻り売りをしつこく続けていきたいですし、本格的なリスクオフとなれば、英ポンド/円やユーロ/円の売りもいいでしょう。
特に、ユーロ/円は、2014年高値から引いたフィボナッチの50%戻し水準である129円台が大切な節目。ここをクリアに割れてくると、大きく崩れそうなチャートとなっています。

(出所:Bloomberg)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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