■原油急落→インフレ期待/米長期金利低下→円高
原油が下がり、インフレ期待が後退すれば、米長期金利が下落し、相関性の高い米ドル/円も下がることになりますね。一方では、イタリアやスペインの政治危機が十分に織り込まれていない。
イタリア国債などの対独スプレッドを見ると、まだユーロは下げる余地がありそうで、そうなると、ユーロ/米ドルの下値余地もあるということになります。
【参考記事】
●トルコリラ急落をきっかけにリスクオフ! 米ドル/円急反落! ユーロ/円は123円へ…(5月24日、西原宏一)

(出所:Bloomberg)
円高の動きとユーロ安の動きが強まるとなると、西原さんはユーロ/円の売りですか?
そうですね。それもあって先週(5月21日~)初からユーロ/円のショートをキープしています。
ユーロ圏のクレジット市場が変調をきたし始めていて、全般的に、じわじわとリスクオフ的な動きが強まっています。
以前だと円やスイスフランがヘイブンカレンシー(Haven Currency、逃避通貨)だったのが、最近では円一択となってきています。そうなると、対スイスフランや対米ドルでユーロを売るよりも、対円で売る方がいいでしょう。

(出所:Bloomberg)
■ユーロや産油国通貨のクロス円ショートに妙味
原油の下落が続くなら、産油国通貨のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でショートするのもおもしろいですよね。メキシコペソや加ドル、英ポンド――

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
英ポンドや加ドルは、いいかもしれないですね。
それに、原油先物では、投機筋らのロングがパンパンに溜まっていましたから、利食いの嵐が吹き荒れれば、もうひと下げくるでしょう。
そのときは、米長期金利も2.75%あたりまで下がっているかもしれません。

(出所:Bloomberg)
いずれにせよ、今週(5月28日~)は。対ユーロや産油国通貨を中心としたクロス円の戻り売りがよさそうですね。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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