■北中米カリブ海:メキシコペソを取引できる口座
次は、北中米カリブ海。ここで取り上げるのは、メキシコペソ(MXN)です。
メキシコペソ(MXN)が 取引できるFX会社 |
通貨ペア |
外為どっとコム [外貨ネクストネオ] |
メキシコペソ/円 |
トレイダーズ証券 [みんなのFX] |
メキシコペソ/円 |
マネーパートナーズ [パートナーズFX] |
メキシコペソ/円 |
FXプライム byGMO [選べる外貨] |
メキシコペソ/円 |
IG証券 [標準] |
メキシコペソ/円 米ドル/メキシコペソ ユーロ/メキシコペソ 英ポンド/メキシコペソ |
ヒロセ通商 [LION FX] |
メキシコペソ/円 米ドル/メキシコペソ |
サクソバンク証券 [スタンダードコース] |
メキシコペソ/円 米ドル/メキシコペソ ユーロ/メキシコペソ 英ポンド/メキシコペソ 豪ドル/メキシコペソ NZドル/メキシコペソ スイスフラン/メキシコペソ |
マネックス証券 [FX PLUS] |
メキシコペソ/円 |
くりっく365 | メキシコペソ/円 |
上田ハーロー | メキシコペソ/円 |
SBI証券 [SBI FX α] |
メキシコペソ / 円 |
ゲインキャピタルジャパン [MetaTrader4] |
米ドル/メキシコペソ ユーロ/メキシコペソ 英ポンド/メキシコペソ |
OANDA Japan | 米ドル/メキシコペソ |
※各社のウェブサイトなどをもとにザイFX!が調査
トランプ米大統領が、2016年に行われた大統領選の期間中に、「メキシコ国境沿いに壁を作る!」と発言して以降、何かと米国絡み、というかトランプ大統領絡みでニュースに登場することが多い印象のメキシコ。

2016年に実施された米大統領選の頃から、「米国とメキシコの国境に壁をつくる!」などのとんでも発言を連発していたトランプ米大統領。大統領就任後も、過激な発言でたびたび物議をかもしている… (C) Chip Somodevilla/Getty Images News
地理的にも米国とは地続きですし、経済的にも人的にも米国との関係性は非常に深い国と言えます。
そんなメキシコの通貨、メキシコペソといえば、ここ何年かの間に、ポストトルコリラ的な高金利通貨としてか? 日本のFX会社でも一気に取り扱うところが増えてきた通貨。
高金利通貨の名のとおり、2018年6月現在、メキシコの政策金利は、7.50%を維持しています。
メキシコペソについては、外為どっとコムやトレイダーズ証券など主要FX会社でも対円通貨ペアが用意されており、スプレッドも、たとえば、外為どっとコムでは0.5銭原則固定。
スワップ金利については、業界トップ水準のトレイダーズ証券なら、現状、1万通貨で15円程度受け取ることが可能です。
【参考記事】
●人気上昇!? あの会社もメキシコペソ/円導入!スワップ金利は1万通貨で15円と業界トップ
ここまでの情報だけを見ると、メキシコペソは、なかなか魅力的な通貨じゃないか! と感じると思いますが、直近の相場動向を見ると、ちょっと考え方は変わるかも…。
チャートを見るとわかるとおり、こちらもブラジルレアル同様、下落基調が続いているのです。

(出所:Bloomberg)
ここまでメキシコペソが軟調に推移している背景には、メキシコ特有の懸念として、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉や7月1日(日)に大統領選を控えているという材料もありますが、それ以前に、対新興国市場という観点からマーケット全体の流れを知っておく必要があります。
ポイントとなるのは、米国です。先ほど、ブラジルレアルのところでも少し触れましたが、もう少し詳しくお伝えしましょう。
2016年末以降、米国が利上げサイクル入りするなか、昨今は、米長期金利の上昇による米ドル高が加速。新興国から米国へと資金流出が起こり、新興国経済を圧迫しているとの声が聞かれます。
対米ドルでの新興国通貨の下落は、最近だと、トルコリラやアルゼンチンペソが顕著ですが、メキシコペソや先ほどのブラジルレアルを含め、そのほかの新興国通貨でも程度の差こそあれ、同様の傾向が見られるようです。
こうした新興国通貨は、対米ドルでの下落を受けて対円でも下落する
傾向があり、今後、その動きが加速する可能性も否定できません。
高いスワップ金利は、たしかに魅力的ですが、取引する場合は上述のようなリスクがあるということも知っておく必要があるでしょう。
【参考記事】
●デフォルト常習犯のアルゼンチンが緊急利上げ連発で政策金利40%に! 一体なぜ?
●利上げしたのにまた別の金利を利上げ!?3種類?4種類? 複雑なトルコ政策金利を解説
●トルコ人エミン氏がズバリ直言。シリアよ、落ち着け!その時トルコリラは逆に動き出す
■欧州:ロシアルーブルを取引できる口座
次は、欧州。まずは、ロシアルーブル(RUB)です。
ロシアルーブル(RUB)が 取引できるFX会社 |
通貨ペア |
サクソバンク証券 [スタンダードコース] |
米ドル/ロシアルーブル ユーロ/ロシアルーブル |
IG証券 [標準] |
ロシアルーブル/円 米ドル/ロシアルーブル ユーロ/ロシアルーブル |
ゲインキャピタルジャパン[MetaTrader4] | 米ドル/ロシアルーブル ユーロ/ロシアルーブル |
※各社のウェブサイトなどをもとにザイFX!が調査
今回のワールドカップの開催国も務めているロシア。ロシアってあまりにも大きな国なので、地理的には欧州とアジアにまたがっていますが、ワールドカップの予選地域は、お伝えしているとおり欧州です。
日本の外務省のウェブサイトなどを見ても、ロシアは欧州の国ということで紹介されています。国土が広いぶん、地域によってかなり違いがありそうですが、地域的に見ると、ロシアは欧州の国に分類されるんですね。

現状、そんなロシアの通貨、ロシアルーブルが取引できる国内FX会社は、サクソバンク証券、IG証券、ゲインキャピタルの3社。このうち、対円通貨ペアを取り扱っているのはIG証券のみです。
チャートを見ると、ロシアルーブルは欧州系の通貨とはいえ、いわゆるユーロと似たような動きをする通貨ではない、ということがわかると思います。

(出所:Bloomberg)
さすがに、ユーロの影響がまったくないということはないのかもしれませんが、それよりも何よりも、ロシアは、石油や天然ガスなどの資源に経済が依存している国だということを押さえておいた方がいいでしょう。
以前、原油などの資源価格の暴落を受けて、ロシアルーブルも暴落するということがあったように、資源価格の動向に左右されやすい資源国通貨であると言えます。
【参考記事】
●【ロシア異変】1日で14%ものルーブル安!ロシアは政策金利を6.5%上げて17%に!
せっかくなので、原油に関する情報を少しお伝えしておくと、ロシアは、サウジアラビアが盟主を務めるOPECには非加盟ですが、2017年からOPEC加盟国と協調して原油の減産を行っています。
しかし、ちょうど今月、2018年6月22日(火)には、OPEC総会の開催が予定されており、非加盟国ロシアなどとも調整のうえ、原油の協調減産を緩和するのでは? との見方が強まっているのです。
協調減産の行方次第で、原油相場は大きく動く可能性がありますし、それに伴ってロシアルーブルを始めとした資源国通貨も大きく上下する可能性は捨てきれません。
しばらくは原油の協調減産に関する話題に、注意しておく方が良さそうです。
このほか、2018年4月には、米国からロシアに対する追加の経済制裁措置が発表されたことを受け、ロシアの株式市場が暴落するという出来事がありました。
この時、ロシアルーブルが急落したのは記憶に新しいところです。
ロシアルーブルを取引するなら、先ほどの資源価格に関する話題に加え、こうした政治的な要因も見落とさないようにする必要があるでしょう。
なお、2018年6月現在、ロシアの政策金利は7.25%。
なかなか金利は高いですが、試しに、サクソバンク証券のウェブサイトでスワップ金利を見てみると、ユーロ/ロシアルーブルが1万通貨1日あたり、売りで180円前後の受け取り、買いで300円前後の支払いとなっていました!

(出所:サクソバンク証券)
現在、ECB(欧州中央銀行)の政策金利は0%ですので、ユーロ売り・ロシアルーブル買いの取引をするとスワップ金利が受け取りで発生します。
ロシアルーブルは、いろいろと注意が必要な通貨ではありますが、上述のとおり、対ユーロなど通貨ペアによってはかなりの高スワップが発生する高金利通貨でもあります。取引するタイミングを探ってみるのは、おもしろい通貨かもしれません。
(次ページでは、ポーランドズロチ、スウェーデンクローナ、デンマーククローネについてお伝えします!)
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