■金利環境を考えれば、徐々に米ドル高へ戻りそう
ただ、その中でも、考慮すべきは各国の金利差です。
これまで当コラムでも指摘してきたとおり、米国の金利は先進国の中で、もっとも高くなっています。
※日本の政策金利は日本銀行が金融市場調節方針とする短期政策金利の値を掲載
※FRB、各国の中央銀行のデータを基にザイFX!が作成
相場が安定してくると、こうした金利差は市場に、じわりじわりと影響を及ぼします。
今回のトランプ米大統領の発言のように、不測の事態を受けて、相場が右往左往することも多々あるかもしれませんが、結果的には、徐々に米ドル高に戻っていく展開になっていくのではないでしょうか。
【参考記事】
●金利環境を見れば当面、米国が一人勝ち!? 本邦M&A活況で米ドル高・円安相場に!(6月15日、今井雅人)
●貿易戦争を警戒してるのに米ドルはなぜ安定している? 米ドル/円は需給に注目!(6月22日、今井雅人)
■日銀会合に警戒も、米ドル/円は当面レンジか
波乱要因としては、7月30(月)~31日(火)に行われる日銀の金融政策決定会合です。
今回は、これまでの金融緩和政策による副作用を、より詳細に議論するなど、「金融政策に関して何らかの変更がなされるのではないか」という観測が事前に広がっています。
【参考記事】
●トランプ砲連発だが日本は射程に入らず? 日銀会合まで米ドル/円の上値は重そう…(7月23日、西原宏一&大橋ひろこ)
●日銀会合で緩和政策の修正はあるのか? 米ドル/円の上値は113~115円で限定的に(7月26日、西原宏一)
金融緩和政策を柔軟にするような内容が出てくれば、円高に反応するかもしれません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
ただ、日本の消費者物価指数は、依然として1%に達しておらず、目標である2%には、遥かに及ばない状況にあります。
※2014年4月~2015年3月の数値は消費増税の影響を除いた数値を掲載
※総務省統計局のデータを基にザイFX!が作成
こうした状況下で、大幅な変更は難しいのではないかと考えています。当面、米ドル/円は、110~113円でのレンジが続くと考えています。
(出所:Bloomberg)
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