■トランプ大統領が米ドル高牽制、FRBの利上げに不満も…
みなさん、こんにちは。
トランプ米大統領の保護主義や関税引き上げが米ドル高を誘引し、4月以降、総じて米ドルがじり高に推移していましたが、日本時間7月20日(金)未明、その米ドル高をトランプ大統領自身が否定。
トランプ大統領 ”中国とEUは為替操作” ツイッターで批判
トランプ米大統領は20日のツイッターへの投稿で、通貨と金利を不当に低い水準に操作してきたと中国、欧州連合(EU)を批判。
アメリカのトランプ大統領は、「中国やEU=ヨーロッパ連合などは為替を操作してきた」と批判したうえで、関税の引き上げに加えて、ドル高への対応を検討する構えを示しました。
出所:NHK Web
また、トランプ大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げなどに不満を示したことも、米ドル反落の要因に上げられています。
ただ、FRBは中央銀行として、あくまでも独立性を保っていますので、トランプ大統領がFRBに、利上げに関して不満を述べたとしても、パウエル議長の判断になんら影響はなく、それが米ドル反落の要因にはなっていないと想定しています。
そのため、対ユーロや対豪ドルなどでは、米ドルは依然底堅い動き。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
ただ、米ドル/円は、まったく違う動きで、一時113円台まで反発していましたが、急反落しています。
(出所:Bloomberg)
■日銀の緩和政策修正期待で米ドル/円は反落
トランプ大統領による米ドル高牽制コメントを受けても、米ドルは対円以外では、依然として底堅く推移していたため、対円でも米ドルが底堅いという見方も多数あります。
ただ、7月20日(金)のトランプ大統領のコメント(=112.50円レベル)がきっかけで、多くの参加者は、米ドル/円のロングを早々にあきらめ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)のショートに戻したことが、良い判断であったことが、その日のうちに判明します。
それは、ある報道をきっかけに米ドル/円が急反落し、時間をかけてブレイクした111円台ミドルをあっさり割り込む急落を見せたためです。
その報道とは、日銀が緩和修正へ動く可能性があるというものでした。
「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」などでも、何度かご紹介させていただいていますが、多くのヘッジファンドにとって、中央銀行トレードは最重要トレードとなります。
【参考記事】
●ヘッジファンドの狙いは「日銀トレード」!? ドル/円は戻り売り継続で107円台前半へ…(1月29日、西原宏一&大橋ひろこ)
なぜなら、明確なトレンドが発生し、収益を上げやすい相場が訪れるからです。
例を挙げると、FRBやECB(欧州中央銀行)が量的緩和を行っている期間は、それに合わせて、当該通貨である米ドルやユーロが大きく値を崩します。
日本でも、黒田バズーカと言われる日銀の量的・質的金融緩和により、大幅な円安を引き起こしたのは、記憶に新しいところ。
その後、FRBやECBがテーパリング(※)に向かうと、その当該通貨は、逆に大きく値を上げます。昨年(2017年)のユーロ/米ドルの反発が、その例となります。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
そして、主要中央銀行で緩和修正に入っていないのは…
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