■株価が下落するなら今のほうが好都合!?
一方で、制裁関税が第4弾までいくと多くの消費財が含まれますから、米国内ではインフレ圧力が高まり、教科書的には金利に上昇バイアスがかかる。
国内では今年度、日本の投資家が保有する国債のうち、44兆円分が償還期限を迎えるそうです。これが国外へ向かうようだと、円安要因です。
こうした材料からは、米ドル/円が上がりやすいと考えられませんか?
たしかに米国の物価は上がりやすくなるでしょうし、44兆円の10%が国外へ向かうだけでもインパクトは非常に大きい。
しかし、ドルインデックスを見ると米ドルが買われ過ぎているように見えますし、NYダウがこのまま反落するようだとチャートはトリプルトップとなります。
【参考記事】
●米中貿易摩擦再燃で米国株は調整入り…。NYダウ続落なら、米ドル/円は105円方向へ(5月9日、西原宏一)

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
制裁関税第4弾に欧米市場がどう反応するか、注目ですね。
トランプ米大統領としても、米大統領選中に株価が急落することは避けたいでしょうから、今のうちに落としておいて、選挙へ向けて上昇していく展開が望ましいのではないでしょうか。
原油が崩れるようだとリスクオフ本格化といえるのかもしれませんが、WTI原油は落ちていません。
原因のひとつがイラン情勢の緊迫化。アメリカからの圧力に対して、イランはホルムズ海峡の封鎖を警告しており、このリスクプレミアムが原油価格を支えているようです。
米株との相関が強い原油市場が崩れてくるようだと、株安が本格化するのかもしれませんね。

(出所:Bloomberg)
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■買い手が見えているのに上がらない米ドル/円は戻り売りで
先週(5月6日~)、注目されたオセアニアの政策金利発表ですが、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は据え置き、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])は利下げとなりました。
ただ、RBNZのオア総裁は、想定ほどダビッシュ(ハト派)なトーンではなかった。豪ドルが利下げしていれば今後の追加利下げを強くにじませただろうと思います。
足もとでは豪ドル/NZドルのポジションがロング(強気)に傾いている気配もあり、いったん様子見でしょうか。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/NZドル 日足)
今週の戦略はどう考えますか?
米ドル/円に絞ると、相変わらず本邦勢は落ちたところを拾っているようです。
ただ、「買い手がはっきり見えているのに上がらない」という状況は気持ち悪いですし、米中貿易交渉の難航や為替報告書といった材料があります。
109円台後半で売りたいとは思いませんが、戻りを待って売っていきたいと思います。

(出所:Bloomberg)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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