(「“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?」からつづく)
過去3回の本記事シリーズでは、以下のとおり、「スワップタダ取り」を狙って筆者が行った2つの異業者売り買い両建てトレードの模様をお伝えしてきた。
・第1弾…4月24日(水)→4月25日(木)にかけての“スワップ11倍デー”をターゲットとした米ドル/円の売り買い両建てトレード
・第2弾…4月25日(木)→4月26日(金)にかけての“スワップ9倍デー”をターゲットとしたユーロ/米ドルの売り買い両建てトレード
(※以上の記述に出てくる日付は、日本時間午前0時ではなく、NYクローズ(現在は日本時間午前6時)で区切ったものとしている)
【本記事シリーズの過去記事】
●平成最後の祭り、“スワップ11倍デー”にザイFX!編集長が含み損50万円突破!?
●“スワップ11倍デー”にザイFX!編集長が4億5000万円分のポジションを建てた結果!?
●“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?
この第1弾と第2弾のトレードの損益をまとめておくと、下表のとおりとなる。
第1弾、第2弾トレードの合計損益
スワップポイント 損益 |
為替差損益 | |
第1弾スワップ11倍デートレード 対象:米ドル/円 |
+18万3800円 | -3万4050円 |
第2弾スワップ9倍デートレード 対象:ユーロ/米ドル |
+12万2240円 | -18万7703円 |
合計 | +8万4287円 |
第1弾では首尾良く利益を上げることができた。その一方、第2弾は無念の損切りとなってしまった。そして、トータルではプラスになっている。
さて、そこで次は第3弾のトレードとなるわけだが、その第3弾のトレード、すなわち、前回記事の最後の方で書いた「連休中に売り買い両建てで10日分のスワップポイントをもらうやり方」とはどのようなトレードだろうか?
【前回の記事】
●“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?
これについては本記事シリーズにも何度も登場している以下の記事で紹介しているのだが、改めて少し詳しく紹介しておきたい。
【参考記事】
●「スワップ11倍デー」だけじゃない! 10連休に為替変動リスクなしでスワップ10日分ゲット!?
10連休中、スワップポイントゼロが続くことを利用する
外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券、そして、ヒロセ通商「LION FX」といったFX口座は祝日などでスワップポイント付与日数が変動することなく、決められた一定のルールにしたがってスワップポイントが淡々と付与されていくことは本記事シリーズで何度も述べてきたことである。
ということは、これらのFX口座では、歴史的な10連休中も日々、1~3日分のスワップポイントが付与されることになる。
一方、主要FX会社の多くは、たとえば米ドル/円について言えば、10連休の影響で4月24日(水)に11日分のスワップポイントが一挙に付与されることになっていた。これが俗に言う“スワップ11倍デー”である。
スワップポイントは長い目で見れば、結局、どこのFX会社でも同じ日数分だけ付与されるはずだ。11日分を一挙に付与したのであれば、その一方で、スワップポイントがゼロになる日が出てきて、バランスすることになる。
そして実際、米ドル/円について言えば、主要FX会社の多くは、10連休中のほとんどの日がスワップポイントの付与日数0日となっているのである。
すると、10連休前のしかるべき日に連休中でも淡々とスワップポイントを付与するFX会社で米ドル/円の買いポジションを建て、同時に10連休中にはスワップポイントを付与しないFX会社で米ドル/円の売りポジションを建てれば、基本的には為替変動リスクなしに、連休中のスワップポイントをいただくことができるはずだ。
合計10日分のスワップタダ取りを狙う
本記事シリーズですでに述べてきたように、筆者は外為オンライン「外為オンラインFX」とSBI FXトレードに資金を入れて、一連の異業者売り買い両建てトレードを行ってきた。そこで、今回も使うのはこの両口座とした。
10連休中も淡々とスワップポイントがつく外為オンライン「外為オンラインFX」で米ドル/円の買いポジションを建て、10連休中のほとんどでスワップポイントがつかないSBI FXトレードで米ドル/円の売りポジションを建てるのだ。
ここで、米ドル/円について両口座の10連休前後のスワップポイント付与日数を確認しておくと、下表のとおりとなる。
付与日 | 外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
SBI FXトレード |
のスワップ ポイント 付与日数 |
のスワップ ポイント 付与日数 |
|
4月22日(月) | 1 | 1 |
4月23日(火) | 1 | 1 |
4月24日(水) | 1 | 11 |
4月25日(木) | 1 | 1 |
4月26日(金) | 3 | 0 |
4月29日(月) | 1 | 0 |
4月30日(火) | 1 | 0 |
5月1日(水) | 1 | 0 |
5月2日(木) | 1 | 0 |
5月3日(金) | 3 | 0 |
5月6日(月) | 1 | 1 |
5月7日(火) | 1 | 1 |
※上表は付与日を基準に作成。付与日が4月23日なら、4月23日にポジションを保有し、NYクローズ後まで持ち越した場合の付与日数を記載。各社のスワップカレンダーに記載されている日付とは必ずしも一致していない場合がある
※付与日の赤字は日本の祝日・休日
※スワップポイント付与日数の青字はSBI FXトレードでスワップポイントが付与されない日
※スワップポイント付与日数の赤字はSBI FXトレードでスワップポイントが付与されない日に、外為オンライン「外為オンラインFX」でスワップポイントが付与される日
SBI FXトレードでスワップポイントが付与されなくなるのは10連休に入る前日の4月26日(金)のこと。売り買い両建てのポジションを建てるのはこの日とする。
一方、10連休中のほとんどの日でSBI FXトレードではスワップポイントが付与されないが、10連休最後の日である5月6日(月)のNYクローズ(日本時間5月7日(火)早朝)まで持ち越すと、SBI FXトレードではスワップポイントが付与されてしまう(米ドル/円を売っていれば、スワップポイントを支払わなくてはならない)。したがって、売り買い両建てのポジションを解消するのはそれより前とする。
結局、10連休直前の4月26日(金)のNYクローズで取引が終了するより前に外為オンライン「外為オンラインFX」で米ドル/円の買いポジションを建て、同時にSBI FXトレードで米ドル/円の売りポジションを建てるのがよいことになる。
そして、連休最終日の5月6日(月)のNYクローズで取引が終了する前にこのポジションを解消すれば、基本的には為替変動リスクなしに、外為オンライン「外為オンラインFX」で付与される合計10日分のスワップポイントをいただくことができるはず、ということになる。
これが筆者が行った一連の異業者売り買い両建てトレードの第3弾だった。
よい記念になるか、「平成→令和の元号跨ぎトレード」
損切りとなった第2弾のユーロ/米ドルのトレードのことはちょっと忘れておくと、第1弾の米ドル/円のトレードでは、筆者はSBI FXトレードで米ドル/円の買いポジションを建て、同時に外為オンライン「外為オンラインFX」で米ドル/円の売りポジションを建てた。
そして、第3弾のトレードでは返す刀で、第1弾とはまったく逆に外為オンライン「外為オンラインFX」で米ドル/円の買いポジションを建てると同時に、SBI FXトレードで米ドル/円の売りポジションを建てるのだ。
短期間のうちに、売りのポジションと買いのポジションを取る口座をチェンジさせれば、それで基本的には為替変動リスクなしに儲かりそう、というのだから、なんだかちょっとカッコイイ話ではないか!?
そして、2019年4月26日(金)から5月6日(月)までこの異業者売り買い両建てトレードを行うということは、すなわち、「平成→令和の元号跨ぎトレード」をやるということになる。これはちょっとした記念になるトレードではないか、と筆者は考えたのだった。
※日付の赤字は日本の土曜・日曜・休日・祝日
※日本時間午前0時ではなく、NYクローズ(現在は日本時間午前6時)で日付が変わる設定で各トレードの期間は記載している
支払うスワップポイントが思ったより多くなるリスクがない!
このトレードにはどんなリスクがあるだろうか?
受け取るスワップポイントが思ったより少ないリスク、これはフタを開けてみなければわからない話。このリスクはないとは言えない。ただ、この第3弾のトレードには、11日分のスワップポイントを一挙に付与されるといった特殊な話がくっついていない。普段どおりの淡々としたスワップポイント付与を受けるだけだ。
なので、受け取るスワップポイントが思ったより少なくなるリスクは高くないと筆者には思えた。
一方、支払うスワップポイントが思ったより多くなるというリスク、これがないことがこの第3弾のトレードのすばらしいところだ。
なぜなら、米ドル/円の売りポジションを建てる方のSBI FXトレードの口座では、トレード期間中、スワップポイントの付与日数が0日だからだ。1日分以上のスワップポイントは多くなったり、少なくなったりする可能性があるが、最初から0日分のスワップポイントと決まっているのだから、支払いスワップポイントはゼロのまま、多くなりようがない。
※SBI FXトレードのスワップカレンダーは縦幅が長く、そのまま掲載すると見づらくなってしまう。そのため、4月26日(金)から5月7日(火)までをカットして画像をつなげ、縦幅を短くして見やすくしている。なお、スワップカレンダーの日付表示はFX会社によって異なるが、SBI FXトレードの場合は、4月25日(木)から4月26日(金)へ持ち越した場合に付与されるスワップポイントと付与日数であれば、4月26日(金)の欄に表示されるようになっている。
2社の為替レートが大きく異なることはたぶんないのでは…
そして、もう1つ、売りと買いのポジションを建てる2つの口座の為替レートが異なってしまうリスク。これは筆者は当初、あまり想定していなかったリスクだが、第2弾のユーロ/米ドルのトレードではまさしくこの現象が起きてしまい、痛い目にあったことは前回の記事で書いたとおりだ。
【前回の記事】
●“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?
これについてはよくわからない点が残るものの、第3弾の米ドル/円のトレードについては、それほど心配ないのでは…と筆者には思えた。
1つは第1弾の米ドル/円のトレードを行ったとき、このような2社の為替レートのズレというものが見られなかったからである。日本のFX会社において、米ドル/円がもっとも主要な通貨ペアであることは誰がどう見ても間違いない。そんな最重要通貨ペアであれば、2社でズレは生じにくいのではないだろうか。
もう1つの理由は、先ほども言及したが、この第3弾のトレードには11日分とか9日分といったスワップポイントが一挙に付与されるという特殊な話がくっついていないということだ。1つの営業日について通常は1日分のスワップポイント、多くても3日分のスワップポイントがつくといった淡々とした状況であれば、為替レートのズレといった特殊現象は起こりにくいのではないかと思えたのだ。
第1弾のトレードでは主要FX会社の多くで、11日分のスワップポイントが一挙についた。一方、第2弾のトレードでは一部のFX会社で9日分のスワップポイントが一挙についた。第2弾では、特殊なことが起こった会社が少数だったことも何となく問題だったのかもしれない、と筆者には思えた。
※GMOクリック証券「FXネオ」のスワップカレンダーは縦幅が長く、そのまま掲載すると見づらくなってしまう。そのため、4月22日週以外をカットして画像をつなげ、縦幅を短くして見やすくしている。
第3弾のトレードでは、一部のFX会社で10連休中もスワップポイントが淡々とつくということが起こるわけで、「特殊なことが起こる会社が少数」という点は第2弾と共通している。この点はちょっと不気味だ。けれど、たくさんの日数分のスワップポイントが1日でつくという極端なことは起こらない。ならば、大丈夫ではないかと筆者には思えたのだった。
とはいえ、スワップポイントや為替レートの非常に詳しいしくみについてまで筆者は熟知しているわけではないので、あくまで「何となく」という話に止まるのだが…。
もっとも怖いリスクは「米ドル/円相場の急変」
もう1つのリスク、それは米ドル/円相場の急変だ。これが一番怖い。
すでに本記事シリーズで何度か説明してきたとおり、このような売り買い両建てのトレードでは、基本的に為替変動リスクはないはずなのだが、為替相場のものすごい急変が起こり、片側のポジションの含み損が急拡大していったあげく強制ロスカットとなり、その後に相場がV字回復するといった状況が一番まずい。
(出所:Bloomberg)
手堅く売り買い両建てで少しの利益を取ろうとしていたはずなのに、一気に大きな損失を抱えてしまう可能性があるのだ。
【参考記事】
●平成最後の祭り、“スワップ11倍デー”にザイFX!編集長が含み損50万円突破!?
そして、今回は史上空前の10連休である。日本が祝日で流動性が低いなか、急激な円高が進むといったことは過去に何度か見られたことがあった。
今回については、かなり前から10連休中に株安・円高のリスクオフになるのでは…という警戒感が高まっていたように思う。事前に警戒感が高まっていたので、かえって大丈夫という感じもするし、4月1日(月)に公開した以下の記事では、ゴールデンウィーク中の過去の為替相場を検証し、特に円高になりやすい傾向はない、という結果をお伝えしてもいた。
【参考記事】
●ゴールデンウィークは円高になるって本当? 過去20年を徹底検証。10連休はどうなる…
そうはいっても、やはりある程度、警戒しておいた方がよいことは間違いないだろう。
トルコリラ/円ではやらないし、ポジションは控えめに
第1弾のときもそうだったが、この第3弾のトレードではトルコリラ/円で売り買い両建てを行うことも可能だった。
しかし、トルコリラ/円は米ドル/円よりも相場急変リスクが高いだろう。以下のチャートはいわゆる「トルコショック」があった2018年8月中旬のトルコリラ/円チャートだが、このときは2営業日でトルコリラ/円が20%以上も急落するという激しい相場変動があった。
【参考記事】
●トルコリラ/円が一時、16円台まで暴落! トルコリラ急落の震源地はユーロか!?
●トルコリラ/円は一時15円台まで大幅続落! 原因はトランプとエルドアンの両大統領!?
(出所:Bloomberg)
いくらスワップポイントが高くても、売り買い両建てといっても、トルコリラ/円の大きなポジションを抱えたまま10連休を過ごすのはイヤだったので、筆者はトルコリラ/円をトレード対象とせず、米ドル/円をトレード対象としたのだった。
ただ、どれぐらいレバレッジをかけ、どれだけのポジションを建てるのかは問題だ。筆者は欲張りすぎず、抑えめにポジションを建てることにした。
第1弾のトレードでは2000万円ずつ、2口座で計4000万円の証拠金を入れていたが、その後、500万円ずつ追加入金し、2500万円ずつ、2口座で計5000万円の証拠金にしたのは前回の記事で書いたとおりだ。
【前回の記事】
●“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?
そうしておいて、買いで160万通貨、売りで160万通貨、合計で320万通貨のポジションを建てることに止めたのである。第1弾のトレードでは200万通貨ずつ、合計400万通貨のポジションを建てたので、それより少ない。
つまり、口座の資金は増やす一方、建てるポジションは減らし、レバレッジをそれほどかけないことにしたのだった。10連休という長丁場をポジションを建てたまま乗り切るので、これぐらいにしておこうと考えたのだ。
これなら計算上、米ドル/円が10円下落しても(あるいは上昇しても)強制ロスカットになる心配はない。実際、もしも10連休中に米ドル/円が10円までいかなくても、9円も下落するようなことがあれば、相当肝を冷やすことにはなるだろうが…。
合計320万通貨のポジションを建てるのもちょっと慣れてきた
第1弾、第2弾のときと同じように、今回も「160万通貨×2」という全体のポジションを一気に建てるのではなく、4回に分けて「40万通貨×2」ずつポジションを建てていくことにした。
そして、前回の記事で紹介した、第2弾のユーロ/米ドルトレードで無念の損切りを敢行したあとの4月27日(土)午前3時台に第3弾のトレードを開始。米ドル/円で買いと売りのポジションを建てていったのだ。
買いポジションを建てた外為オンライン「外為オンラインFX」では平均約定レート111.60円、売りポジションを建てたSBI FXトレードでは平均約定レート111.5995円となった。
このトレードも、もう第3弾となり、筆者も多少は慣れてきたため、売りと買いをほとんど同時に行うのではなく、ちょびっとスキャルピング的にふるまって、少しでもいいレートでポジションを建てようと試みた。その結果、幸いにも売りと買いの約定レート差が0.1銭もないぐらいでポジションを建てることができたのだった。
日本が祝日の月曜日早朝も無難に通過
10連休最初の土日が終わって迎えた4月29日(月)は昭和の日で祝日。
ザイFX!で連載している西原宏一さん、大橋ひろこさんの対談企画で、西原さんは投機筋が狙うとすれば、10連休中の月曜日早朝だとコメントしていた。それに該当する1日が4月29日(月)だったのだが…
【参考記事】
●10連休中は月曜早朝に要注意! フラッシュクラッシュが起きれば米ドル/円の買い場に!?
しかし、月曜日で祝日の4月29日は大きな異変もないまま、無事過ぎてくれたのだった。
そして、土日を越えた4月29日(月)の段階で外為オンライン「外為オンラインFX」で建てた米ドル/円買いポジションには3日分のスワップポイントが40万通貨につき9000円ずつ、計160万通貨に対して3万6000円ついていた。1万通貨1日当たりで計算すると75円相当の金額だ。
1万通貨1日当たり75円という数字は、現在の米ドル/円スワップポイントとして高い数字とは言えないが、外為オンライン「外為オンラインFX」は特にスワップポイントが高いことを売り物にしている口座ではない。これぐらいつけば御の字だろう。
一方のSBI FXトレードの米ドル/円売りポジションを念のため、確認したが、当然ながらスワップポイントはゼロのままだった。この日のスワップポイント付与日数はゼロであり、売りポジションを持っていても、スワップポイントの支払いは発生しなくて当然なのだ。
筆者が4月29日(月)にキャプチャし忘れていたため、上図は4月30日(火)にキャプチャしたものを掲載。スワップポイント付与日数はしばらく0日が連続するから、スワップポイントが0であることに変わりはない。
そして、外為オンライン「外為オンラインFX」、SBI FXトレードの米ドル/円レートに大差はないようだった。このまま米ドル/円相場が極端な急変をすることなく、無事に10連休を通過してくれれば、今回の異業者売り買い両建てトレードの第3弾となる「平成→令和の元号跨ぎトレード」は成功に終わってくれそうに思えた。
各社のユーロ/米ドルレートは10連休中、どう変化した?
ここでちょっと話を戻し、筆者が第2弾の異業者売り買い両建てトレードで無念の損切りという結末を迎えてしまったユーロ/米ドルのレートが10連休中にどう変化していったのかを確認しておきたい(無念の損切りの経緯については前回の記事参照)。
【前回の記事】
●“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?
10連休前の4月26日(金)の段階で、スワップポイント9日分を付与された直後のSBI FXトレードのユーロ/米ドルレートは他の多くのFX会社と比べて上方に乖離するという現象が起こっていた。その乖離は10連休中に徐々に縮まっていきそうということを前回の記事では書いたが、実際、そのような動きになったのだろうか? その調査結果をお知らせしよう。
まず、SBI FXトレードと比較するFX会社をどう選定するか。矢野経済研究所が毎月発表しているFX取引高のデータやそのほかの事柄を参考に、筆者の主観で以下の6社の口座を日本の主要なFX口座と選定した。
・GMOクリック証券「FXネオ」
・DMM.com証券「DMM FX」
・SBI FXトレード
・外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
・YJFX!「外貨ex」
・ヒロセ通商「LION FX」
これが主要6口座であることに、もしかすると異論のある向きもあるかもしれないが、あくまで筆者の主観なので、その点はご容赦を。
これに今回、筆者が取引を行った口座の1つ、外為オンライン「外為オンラインFX」を加えたものを調査対象にしようと考えた。
4月27日(土)午前5時29分のレートを基準として調査
そして、4月26日(金)のNYクローズ直前、日本時間であれば4月27日(土)早朝のSBI FXトレードの一番最後のユーロ/米ドルレートをまず、基準として取得しておこうと思ったのだった。
SBI FXトレードは夏時間の今なら土曜日は日本時間午前5時30分で取引終了となる。NYクローズは通常、夏時間なら午前6時とされるが、SBI FXトレードは火曜日から土曜日まで午前5時30分から午前6時までをメンテナンス時間としている関係で、割と早く取引が終了してしまうのだ。
そして、主要FX会社は夏時間の土曜日、午前6時よりも少し前に取引を終了することが多いようだった。
ただ、ヒロセ通商「LION FX」は夏時間だと、土曜日の取引終了時刻が他社より1時間弱早い午前5時だった。ヒロセ通商「LION FX」は夏時間だと、月曜日の取引開始時刻が他の日系FX会社より約1時間早い午前6時なのだが、土曜日の取引終了時刻も早いのだ。
SBI FXトレードでは4月26日(金)NYクローズ直前の最後の1分足は日本時間で4月27日(土)午前5時29分のものとなっていた。そこで、この午前5時29分の1分足の始値を今回の調査対象とすることにした。終値だと午前5時29分何秒のことなのか、他社とピッタリ揃っているかどうか必ずしも定かではないと思われたため、始値を採用した。
そして、午前5時29分の1分足の始値のBIDとASK(※)を調べ、その中間の値を算出したのである。
(※「BID」はFX会社側が提示する買値であり、ユーザー側から見ると売ることができるレート。「ASK」はその逆でFX会社側が提示する売値であり、ユーザー側から見ると買うことができるレート)
SBI FXトレードと他社のレートには8pipsほど差があった
調査対象としたのは午前5時29分の1分足というわけだが、先ほど書いたとおり、ヒロセ通商「LION FX」は午前5時で取引を終了してしまうため、この日の午前5時29分の1分足が存在しない。そこで、ヒロセ通商「LION FX」は今回の調査対象から外すことにした。
以上のような経緯により、筆者が今回、為替レートを調査したのは以下の6口座となった。ユーロ/米ドルに加え、米ドル/円、ユーロ/円も調査している。
・GMOクリック証券「FXネオ」
・DMM.com証券「DMM FX」
・SBI FXトレード
・外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
・YJFX!「外貨ex」
・外為オンライン「外為オンラインFX」
米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドルについて、4月27日(土)午前5時29分の為替レートを調べてまとめたのが以下の表だ。
4月27日(土)午前5時29分の実際のレート
FX会社 「口座名」 |
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル |
SBI FXトレード | 111.63365円 | 124.56405円 | 1.115806ドル |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
111.6355円 | 124.5635円 | 1.11502ドル |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
111.6355円 | 124.5635円 | 1.11502ドル |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
111.6340円 | 124.5630円 | 1.11503ドル |
YJFX! 「外貨ex」 |
111.6330円 | 124.5620円 | 1.11501ドル |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
111.625円 | 124.560円 | 1.1150ドル |
※4月27日(土)午前5時29分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
米ドル/円は111.63円近辺、ユーロ/円は124.56円近辺でだいたい同じようなレートとなっている。その一方、ユーロ/米ドルはSBI FXトレードが1.1158ドル程度、他社は1.1150ドル近辺となっており、8pipsほど差があることがわかる。
これだけ見ると、SBI FXトレードのユーロ/米ドルレートがおかしいように見えてしまうが、ユーロ/米ドルとユーロ/円のレートから米ドル/円のレートを算出し、ユーロ/米ドルと米ドル/円のレートからユーロ/円のレートを算出し、米ドル/円とユーロ/円のレートからユーロ/米ドルのレートを算出し…とやっていくと、3通貨ペアのレートに相互矛盾がないのは実はSBI FXトレードの方である、ということは前回の記事で説明した。
【前回の記事】
●“スワップ9倍デー”後にFX会社によって為替レートが違う異変!? 正しいのはどっち?
このことを改めて表にまとめてみた。
まず、ユーロ/米ドルとユーロ/円のレートから米ドル/円のレートを算出したものと、実際の米ドル/円レートを比較すると、下表のとおりだ。
各社の計算で出したレートと実際のレートの比較-1(4月27日(土)午前5時29分現在)
FX会社 「口座名」 |
ユーロ/米ドルと ユーロ/円から 計算して出した 米ドル/円レート |
実際の米ドル/円 レート |
差 |
SBI FXトレード | 111.6359円 | 111.6337円 | 0.23銭 |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
111.7141円 | 111.6355円 | 7.86銭 |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
111.7141円 | 111.6355円 | 7.86銭 |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
111.7127円 | 111.6340円 | 7.87銭 |
YJFX! 「外貨ex」 |
111.7138円 | 111.6330円 | 8.08銭 |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
111.7180円 | 111.6250円 | 9.30銭 |
※「実際のレート」は4月27日(土)午前5時29分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
SBI FXトレードは差が0.23銭しかないが、他社は差が7銭台後半~9銭台前半ぐらいあることがわかる。
次にユーロ/米ドルと米ドル/円のレートからユーロ/円のレートを算出したものと、実際のユーロ/円レートを比較してみよう。
各社の計算で出したレートと実際のレートの比較-2(4月27日(土)午前5時29分現在)
FX会社 「口座名」 |
ユーロ/米ドルと 米ドル/円から 計算して出した ユーロ円レート |
実際のユーロ/円 レート |
差 |
SBI FXトレード | 124.5615円 | 124.5641円 | -0.26銭 |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
124.4758円 | 124.5635円 | -8.77銭 |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
124.4758円 | 124.5635円 | -8.77銭 |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
124.4753円 | 124.5630円 | -8.77銭 |
YJFX! 「外貨ex」 |
124.4719円 | 124.5620円 | -9.01銭 |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
124.4563円 | 124.5600円 | -10.37銭 |
※「実際のレート」は4月27日(土)午前5時29分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
こちらもやはりSBI FXトレードの差が小さく、その差は0.26銭だけ。一方、他社は差が8銭台後半~10銭台前半ぐらいあることがわかる。
さらに米ドル/円とユーロ/円のレートからユーロ/米ドルのレートを算出したものと、実際のユーロ/米ドルレートを比較してみる。
各社の計算で出したレートと実際のレートの比較-3(4月27日(土)午前5時29分現在)
FX会社 「口座名」 |
米ドル/円と ユーロ/円から 計算して出した ユーロ/米ドル レート |
実際のユーロ/米ドル レート |
差 |
SBI FXトレード | 1.11583ドル | 1.11581ドル | 0.23pips |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
1.11581ドル | 1.11502ドル | 7.85pips |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
1.11581ドル | 1.11502ドル | 7.85pips |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
1.11582ドル | 1.11503ドル | 7.86pips |
YJFX! 「外貨ex」 |
1.11582ドル | 1.11501ドル | 8.07pips |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
1.11588ドル | 1.11495ドル | 9.29pips |
※「実際のレート」は4月27日(土)午前5時29分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
先に比較した2つに差があまりなかったのだから当然だが、やはりSBI FXトレードの差は小さく、その差は0.23pips。一方、他社は差が7pips台後半~9pips台前半ぐらいあった。
週が明けたらレート差は2pips程度縮まっていた
これが週明けの4月29日(月)にはどうなっただろうか?
4月29日(月)は多くのFX会社が午前7時から取引開始となっていたが、午前7時のレートを調査したところ、スプレッドの拡大が見られるケースもあり、今ひとつ安定していないように思われた。そこで、早朝の不安定な状況を脱したと思われる午前10時の1分足を調査対象にすることとした。
その調査結果が下表のとおりだ。
4月29日(月)午前10時00分の実際のレート
FX会社 「口座名」 |
米ドル/円 | ユーロ/円 | ユーロ/米ドル |
SBI FXトレード | 111.61285円 | 124.49995円 | 1.115468ドル |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
111.6115円 | 124.5000円 | 1.11490ドル |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
111.6115円 | 124.4995円 | 1.11489ドル |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
111.6095円 | 124.4980円 | 1.11489ドル |
YJFX! 「外貨ex」 |
111.6145円 | 124.5040円 | 1.11489ドル |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
111.605円 | 124.490円 | 1.1149ドル |
※4月29日(月)午前10時00分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
米ドル/円は111.61円近辺、ユーロ/円は124.49~124.50円近辺でだいたい同じようなレートとなっている。
一方、ユーロ/米ドルはSBI FXトレードが1.1155ドル程度、他社は1.1149ドル近辺となっており、6pipsほど差があることがわかる。つまり、SBI FXトレードと他社のユーロ/米ドルレートの差は2pips程度縮まっていた。前週末にあれこれ悩んだ末に筆者が想定したとおりの動きになっていたのだった。
4月27日(土)午前5時29分のレートと同じように、4月29日(月)午前10時のレートについても、計算で出したレートと実際のレートを比べてみた。
まず、ユーロ/米ドルとユーロ/円のレートから米ドル/円のレートを算出したものと、実際の米ドル/円レートを比較したものが以下のとおり。
各社の計算で出したレートと実際のレートの比較-1(4月29日(月)午前10時00分現在)
FX会社 「口座名」 |
ユーロ/米ドルと ユーロ/円から 計算して出した 米ドル/円レート |
実際の米ドル/円 レート |
差 |
SBI FXトレード | 111.6123円 | 111.6129円 | -0.05銭 |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
111.6692円 | 111.6115円 | 5.77銭 |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
111.6698円 | 111.6115円 | 5.83銭 |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
111.6689円 | 111.6095円 | 5.94銭 |
YJFX! 「外貨ex」 |
111.6738円 | 111.6145円 | 5.93銭 |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
111.6652円 | 111.6050円 | 6.02銭 |
※「実際のレート」は4月29日(月)午前10時00分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
SBI FXトレードのレート差はほぼない一方、他社は5銭台後半~6銭台前半ぐらい差があった。前週末の4月27日(土)と比べ、他社は2~3銭程度、差が縮小している。
次にユーロ/米ドルと米ドル/円のレートからユーロ/円のレートを算出したものと、実際のユーロ/円レートを比較してみる。
各社の計算で出したレートと実際のレートの比較-2(4月29日(月)午前10時00分現在)
FX会社 「口座名」 |
ユーロ/米ドルと 米ドル/円から 計算して出した ユーロ円レート |
実際のユーロ/円 レート |
差 |
SBI FXトレード | 124.5006円 | 124.5000円 | 0.06銭 |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
124.4357円 | 124.5000円 | -6.43銭 |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
124.4345円 | 124.4995円 | -6.50銭 |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
124.4318円 | 124.4980円 | -6.62銭 |
YJFX! 「外貨ex」 |
124.4379円 | 124.5040円 | -6.61銭 |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
124.4228円 | 124.4900円 | -6.72銭 |
※「実際のレート」は4月29日(月)午前10時00分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
やはり、SBI FXトレードのレート差はほぼない。その一方、他社は6銭台の差があった。他社は前週末と比べて、2~4銭程度、差が縮小している。
最後に米ドル/円とユーロ/円のレートからユーロ/米ドルのレートを算出したものと、実際のユーロ/米ドルレートを比較してみよう。
各社の計算で出したレートと実際のレートの比較-3(4月29日(月)午前10時00分現在)
FX会社 「口座名」 |
米ドル/円と ユーロ/円から 計算して出した ユーロ/米ドル レート |
実際のユーロ/米ドル レート |
差 |
SBI FXトレード | 1.11546ドル | 1.11547ドル | -0.05pips |
GMOクリック証券 「FXネオ」 |
1.11548ドル | 1.11490ドル | 5.76pips |
DMM.com証券 「DMM FX」 |
1.11547ドル | 1.11489ドル | 5.82pips |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
1.11548ドル | 1.11489ドル | 5.94pips |
YJFX! 「外貨ex」 |
1.11548ドル | 1.11489ドル | 5.92pips |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
1.11545ドル | 1.11485ドル | 6.02pips |
※「実際のレート」は4月29日(月)午前10時00分の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
先の2通貨ペアで差がほぼなかったので、SBI FXトレードは当然のようにここでも差はない。一方、他社は5pips台後半~6pips台前半ぐらいの差があった。前週末と比べて、他社は2~3pips程度、差が縮まっていたのだった。
おおよそ想定どおり、レート差は少しずつ縮小していった
このあとは10連休中のSBI FXトレードと他社のレート差の推移を見ていきたいが、外為オンライン「外為オンラインFX」はレートのケタ数が少ないためか、若干異質な動きをしていると感じられた。そこで、外為オンライン「外為オンラインFX」の数字自体は調査したのだが、これ以降の報告からは除外する。
そして、GMOクリック証券「FXネオ」、DMM.com証券「DMM FX」、外為どっとコム「外貨ネクストネオ」、YJFX!「外貨ex」という4口座のレートを平均したものと、SBI FXトレードのレートを比較して10連休中の推移をまとめてみた。
ここではまず、筆者が損切りとなってしまった第2弾のトレードで対象としていたユーロ/米ドルから見てみよう。
各社の計算で出したレートと実際のレートの差の推移-1(4月27日(土)~5月6日(月))
日時 | FX会社 | 米ドル/円と ユーロ/円から 計算して出した ユーロ/米ドル レート |
実際の ユーロ/米ドル レート |
差 |
4月27日(土) 午前5時29分 |
SBI FXトレード | 1.11583ドル | 1.11581ドル | 0.23pips |
他の4口座平均 | 1.11581ドル | 1.11502ドル | 7.91pips | |
4月29日(月) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 1.11546ドル | 1.11547ドル | -0.05pips |
他の4口座平均 | 1.11548ドル | 1.11489ドル | 5.86pips | |
4月30日(火) 午前10時08分 |
SBI FXトレード | 1.11851ドル | 1.11852ドル | -0.12pips |
他の4口座平均 | 1.11851ドル | 1.11802ドル | 4.82pips | |
5月1日(水) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 1.12233ドル | 1.12233ドル | 0.08pips |
他の4口座平均 | 1.12231ドル | 1.12182ドル | 4.84pips | |
5月2日(木) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 1.12081ドル | 1.12081ドル | 0.07pips |
他の4口座平均 | 1.12081ドル | 1.12060ドル | 2.06pips | |
5月3日(金) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 1.11786ドル | 1.11784ドル | 0.21pips |
他の4口座平均 | 1.11785ドル | 1.11774ドル | 1.04pips | |
5月6日(月) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 1.11860ドル | 1.11853ドル | 0.66pips |
他の4口座平均 | 1.11853ドル | 1.11853ドル | 0.05pips |
※「実際のレート」は各日時の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※4月29日(月)以降は午前10時00分に調査することを基本としているが、4月30日(火)は午前10時00分頃に相場がやや大きく動いており、調査対象のFX会社の一部にスプレッド拡大の動きが見られたため、調査時刻を午前10時08分に変更している。
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
SBI FXトレードは4月27日(土)から5月3日(金)まで計算上のレートと実際のレートの差が0.23pips以下と小さい。0.1pips未満と本当に差のない日も3日あることがわかる。
一方、他の4口座平均のユーロ/米ドルは計算上のレートと実際のレートの差が4月27日(土)に7.91pipsだったものが週を越えて、4月29日(月)になると5.86pipsと2pips程度縮まっている。翌4月30日(火)は1pips程度だけの縮小に留まり、翌5月1日(水)は縮小の動きが止まっている。
その後は日々同じ値幅ではないが、計算上のレートと実際のレートの差は縮まっていき、10連休最終日の5月6日(月)にはほぼその差がなくなっていた。
以下は米ドル/円、そして、ユーロ/円について同様に10連休中の推移をまとめた表だ。
各社の計算で出したレートと実際のレートの差の推移-2(4月27日(土)~5月6日(月))
日時 | FX会社 | ユーロ/米ドルと ユーロ/円から 計算して出した 米ドル/円レート |
実際の 米ドル/円 レート |
差 |
4月27日(土) 午前5時29分 |
SBI FXトレード | 111.6359円 | 111.6337円 | 0.23銭 |
他の4口座平均 | 111.7137円 | 111.6345円 | 7.92銭 | |
4月29日(月) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 111.6123円 | 111.6129円 | -0.05銭 |
他の4口座平均 | 111.6704円 | 111.6118円 | 5.87銭 | |
4月30日(火) 午前10時08分 |
SBI FXトレード | 111.6010円 | 111.6022円 | -0.12銭 |
他の4口座平均 | 111.6491円 | 111.6010円 | 4.81銭 | |
5月1日(水) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 111.3975円 | 111.3967円 | 0.08銭 |
他の4口座平均 | 111.4463円 | 111.3983円 | 4.81銭 | |
5月2日(木) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 111.5308円 | 111.5301円 | 0.07銭 |
他の4口座平均 | 111.5500円 | 111.5295円 | 2.05銭 | |
5月3日(金) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 111.4124円 | 111.4104円 | 0.21銭 |
他の4口座平均 | 111.4201円 | 111.4098円 | 1.04銭 | |
5月6日(月) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 110.3147円 | 110.3082円 | 0.65銭 |
他の4口座平均 | 110.3102円 | 110.3098円 | 0.05銭 |
※「実際のレート」は各日時の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※4月29日(月)以降は午前10時00分に調査することを基本としているが、4月30日(火)は午前10時00分頃に相場がやや大きく動いており、調査対象のFX会社の一部にスプレッド拡大の動きが見られたため、調査時刻を午前10時08分に変更している。
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
各社の計算で出したレートと実際のレートの差の推移-3(4月27日(土)~5月6日(月))
日時 | FX会社 | ユーロ/米ドルと 米ドル/円から 計算して出した ユーロ円レート |
実際の ユーロ/円 レート |
差 |
4月27日(土) 午前5時29分 |
SBI FXトレード | 124.5615円 | 124.5641円 | -0.26銭 |
他の4口座平均 | 124.4747円 | 124.5630円 | -8.83銭 | |
4月29日(月) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 124.5006円 | 124.5000円 | 0.06銭 |
他の4口座平均 | 124.4350円 | 124.5004円 | -6.54銭 | |
4月30日(火) 午前10時08分 |
SBI FXトレード | 124.8295円 | 124.8282円 | 0.13銭 |
他の4口座平均 | 124.7726円 | 124.8264円 | -5.38銭 | |
5月1日(水) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 125.0232円 | 125.0242円 | -0.09銭 |
他の4口座平均 | 124.9692円 | 125.0231円 | -5.39銭 | |
5月2日(木) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 125.0034円 | 125.0043円 | -0.08銭 |
他の4口座平均 | 124.9801円 | 125.0031円 | -2.30銭 | |
5月3日(金) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 124.5391円 | 124.5414円 | -0.23銭 |
他の4口座平均 | 124.5276円 | 124.5391円 | -1.16銭 | |
5月6日(月) 午前10時00分 |
SBI FXトレード | 123.3830円 | 123.3903円 | -0.73銭 |
他の4口座平均 | 123.3844円 | 123.3849円 | -0.05銭 |
※「実際のレート」は各日時の1分足の始値についてBIDとASKのレートを取得し、その中間を取ったもの
※4月29日(月)以降は午前10時00分に調査することを基本としているが、4月30日(火)は午前10時00分頃に相場がやや大きく動いており、調査対象のFX会社の一部にスプレッド拡大の動きが見られたため、調査時刻を午前10時08分に変更している。
※小数点以下の表示ケタ数は適宜調整している
先に述べたとおり、他の4口座平均のユーロ/米ドルは計算上のレートと実際のレートの差が徐々に縮小していたが、当然、米ドル/円、ユーロ/円もこれと呼応するように計算上のレートと実際のレートの差は縮小していき、5月6日(月)にはほぼその差がなくなっていた。
その間、SBI FXトレードは一貫して計算上のレートと実際のレートの差がなかったが、5月6日(月)になると各通貨ペアでなぜか0.6~0.7pips程度と差が広がっていた。
このあと、どうなったのか、本当はもう少し記録があった方がいいところだが、筆者の手元にある記録はここで終わっている。
筆者は念のため、各社の1分足チャートをキャプチャし、さらに使うのは始値だけだが、念のため、始値、高値、安値、終値の4本値をすべて、所定の時刻について記録していったのだが、歴史的な10連休中にずっとこれをやっていて疲れてしまったのだった。なので、おおよそ乖離が収まったかなという5月6日(月)の記録が最後となっている。ご了承ください。
FOMC前、トランプツイートに脅かされた!
さて、米ドル/円の売り買い両建てで行った「平成→令和の元号跨ぎトレード」に話を戻そう。
4月29日(月)、筆者と同じようなトレードをしていて、「これぞ聖杯なり!!!」と叫んでいたトレーダーさんのツイートに対して、ザイFX!でもおなじみの羊飼いさんが以下のようにツイートしていた。
両建てで10日間、FOMCも米雇用統計も耐える訳ですねᕕ( ᐛ )ᕗ証拠金の余裕がたっぷり必要だー https://t.co/gGFnS2wczG
— 羊飼いFX★ (@hitsuzikai) 2019年4月29日
羊飼いさんは10日間も両建てのポジションをキープして、少しの利益を狙うぐらいなら、普通にトレードした方がいいと考えたのかもしれない。トレードがうまい人なら、その方がいいのだろう。
また、羊飼いさんが指摘するとおり、この10連休中、大きなイベントとしては5月1日(水)(日本時間だと5月2日(木)未明)にFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表があり、5月3日(金)に米雇用統計の発表があることになっていた。
今回のFOMCで特に政策変更は予想されておらず、まずは無風通過と思われたのだが、5月1日(水)になって、いつもお騒がせのトランプ米大統領が「1%金利を下げて、さらに量的緩和もちょいとやれば、米経済はロケットみたいに上昇するで~」みたいなことをツイートしたのだ。
....up like a rocket if we did some lowering of rates, like one point, and some quantitative easing. Yes, we are doing very well at 3.2% GDP, but with our wonderfully low inflation, we could be setting major records &, at the same time, make our National Debt start to look small!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2019年4月30日
トランプ米大統領がツイートしたからといって、FRB(米連邦準備制度理事会)が真っ正直にそのとおりの政策を打ち出すとは思えないが、米国株が最高値圏にあるような状況で、万が一、1%もの大幅な利下げが即座に行われたら、それこそ超絶サプライズである。それで相場がどちらの方向に動き出すかはわからないが、もしもそうなったら相場が大きく動くことは間違いないだろう。
相場急変により、片方のポジションだけが強制ロスカットされる事態だけが怖い筆者にとっては、まったくはた迷惑なトランプツイートだった。
日本時間で平日の午前3時とか4時に発表があるFOMCの結果を普段、筆者はリアルタイムで見ることはない。けれど、トランプツイートがあったために気持ち悪くなった筆者は連休中でもあり、翌日出勤するわけでもないため、FOMCの結果発表を見守ることにした。
FOMCでは大きな政策変更は発表されなかったが、その後、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見を始めると、結構な勢いで米ドル/円は上昇し始めたため、筆者は両建てトレードをやっているのとは別口座でちょっとポジションを取ってみたりした。ただ、これはいつもどおりの1000通貨でやってみただけだった。
そして、結構な勢いで動いたといっても、このときの値幅は60銭程度のものだった。
(出所:Bloomberg)
相場急変に備えて、アラートを設定
こうして無難にFOMCも通過したのだが、この10連中に両建てポジションを持ち続けた筆者は、相場急変だけが怖いため、一応、その対策も打っていた。
本記事シリーズの原稿を書いていたりして、パソコンに向かっているときはSBI FXトレードの「カベプラ」というアプリを起動させたりしていた。これはパソコンのデスクトップの片隅に付箋を貼り付けるような感じで表示し、為替レートをチェックできるアプリだ。
下図は、パソコンのデスクトップにカベプラを表示してみたもの。図の左上に「USD/JPY 110.44」といった形で米ドル/円レートが表示されているが、これがカベプラだ。
【参考記事】
●ユーロ/ドルを0.48pips原則固定へ縮小して業界トップへ! 新アプリ「カベプラ」登場!
また、ヒロセ通商「LION FX」やJFX「MATRIX TRADER」のパソコン版取引ツールには、指定したレートに到達するとアラートが鳴ってくれる機能がついているため、これも利用した。米ドル/円の現在値から2円上または2円下に到達したらアラートが鳴るように設定し、そこからは1円間隔でアラートが鳴るようにしておき、計10本のアラートを仕込んでおいたりした。
寝ている間もパソコンはつけっぱなしとし、アラートを設定したヒロセ通商「LION FX」やJFX「MATRIX TRADER」のパソコン版取引ツールを立ち上げたままにしておいたのである。ただ、日本時間早朝にあるメンテナンス時にこれらのパソコン版取引ツールは自動的に落ちてしまうようで、完全な警戒態勢とはならなかったのだが…。
米雇用統計でも相場はそれほど動かなかった
5月3日(金)の夜には米雇用統計の発表もあった。
米雇用統計といえば、外国為替市場にとっては、さまざまな経済指標の中でも最大級のもの。月に一度の為替のお祭りみたいな場だったが、最近はそうでもなくなっていた。米雇用統計では為替相場はあまり大きく動かなくなっているのだ。
そして、今回もそのとおりとなった。
非農業部門雇用者数は前月比+26.3万人と予想よりだいぶ多く、失業率は3.6%で49年超ぶりの低水準になったというのに、直後の為替相場の反応は極めて限定的だった。
このとき、著名トレーダーのみなさんもこんなふうにツイートしていた。
月を重ねるごとに雇用統計の値幅が縮まってる感。
— 余弦@cosP (@ygnfx) 2019年5月3日
かつての月1回のお祭りイベントが22pipsの値幅か pic.twitter.com/luIsnkyjjX
— 黒猫アイランド (@kuroneko_island) 2019年5月3日
米雇用統計発表時には瞬間的に111.50円近辺から111.70円近辺まで上昇した米ドル/円だったが、その後は徐々に下落。結局、111.00円台まで下落してこの週の取引を終えた。米雇用統計のときは大して動かなかったのだが、その後、結構下がったのだった。
その結果、この週の取引終了段階で、筆者の米ドル/円買いポジションの含み損は84万8000円まで拡大していた。
※外為オンライン「外為オンラインFX」のポジション状況は横幅が長く、そのまま掲載すると数字が小さくて見づらくなってしまう。そのため、取引証拠金など一部の項目をカットして画像をつなげ、横幅を短くして見やすくした
ただ、この日、米国株は結構上がっており、リスクオフ相場到来というムードでもなかった。
翌営業日の5月6日(月)は日本が祝日の週明け月曜日ということになり、西原宏一さんも10連休の中で相場急変に注意した方がいいと指摘していた日の1つだったが、リスクオフムードではないと思われたため、筆者はそれほど心配していなかった。
【参考記事】
●10連休中は月曜早朝に要注意! フラッシュクラッシュが起きれば米ドル/円の買い場に!?
受け取りスワップは12万円、支払いスワップはゼロ
このときまでに外為オンライン「外為オンラインFX」で建てた米ドル/円160万通貨の買いポジションに対して、スワップポイントはちょうど12万円貯まっていた。
下図右端のスワップという項目に「30,000」という数字が4つ並んでいるのが見える。これは、このときまでに貯まった40万通貨に対するスワップポイントが3万円ということを示すものであり、計160万通貨に対するスワップポイントはその4倍の12万円ついているということだ。
※外為オンライン「外為オンラインFX」のポジション状況は横幅が長く、そのまま掲載すると数字が小さくて見づらくなってしまう。そのため、取引証拠金など一部の項目をカットして画像をつなげ、横幅を短くして見やすくした
一方、SBI FXトレードで建てた米ドル/円160万通貨の売りポジションに対してかかっているスワップポイントは当然、ゼロのままだ。
あとは、5月6日(月)の為替相場が始まってからしばらく経って、早朝のスプレッド拡大などが収まったタイミングで売りと買いのポジションを解消すればいいだけだ。
…と思っていたのだが、最後にもう一波乱やってきたのだった。
波乱の主はまたまたトランプ米大統領。
最後にトランプ砲が出て、含み損が140万円以上に拡大!
このところ、米中通商協議は順調に進展しているかのようなムードになっていたのだが、5月6日(月)午前1時台になって、トランプ米大統領は「中国が言うことをきかない。中国向け関税を10%から25%に上げるぞ、こら~!」みたいなことをツイッターで叫んだのだった。
For 10 months, China has been paying Tariffs to the USA of 25% on 50 Billion Dollars of High Tech, and 10% on 200 Billion Dollars of other goods. These payments are partially responsible for our great economic results. The 10% will go up to 25% on Friday. 325 Billions Dollars....
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2019年5月5日
これを受けて、5月6日(月)の米ドル/円相場は大きな下窓を開けてスタート。
そのため、筆者の米ドル/円買いポジションは含み損が140万円以上に拡大した。以下のようにそれをツイートしたところ…
私の米ドル/円買いポジションの含み損が140万円突破!(>_<)
— 井口稔@ザイFX!編集部 (@Neko_Iguchi) 2019年5月5日
ありがとうございます。トランプ大統領様のおかげです。 pic.twitter.com/KAgTC7BuZ0
トレーダーの余弦さんは「編集長がFX芸人にクラスチェンジしとるwww」と反応。羊飼いさんも「それ思ったw」と返しており、「含み損140万円突破ツイート」はおおむね好評(!?)だったようだ。
それ思ったw
— 羊飼いFX★ (@hitsuzikai) 2019年5月5日
3回の売り買い両建てトレードでトータル17万167円の利益
下窓を開けてスタートしたあとの米ドル/円は結構いい感じで動いているように思え、また、この日のSBI FXトレードのスプレッドは早朝でもそれほど拡大してはいないようだったので、それ以上、待たず、筆者は売り買い両建てのポジションを早朝から解消していこうとしていった。
売りと買いのポジション解消をほとんど同時にやるのではなく、少しズラして、ちょっとしたスキャルピングを交えながら、ポジション解消を行おうという下心があってのことだった。
このころ、余弦さんはこんなふうにツイートしていた。ずいぶんと儲かっているようだ。
持ち越し分も起きてからスキャった分も爆益。クッソお金増えた
— 余弦@cosP (@ygnfx) 2019年5月5日
しかし、弱小トレーダーが簡単に勝てるほど、相場の世界は甘くはない。
筆者が下心をもって行ったちょっとしたスキャルピングはあまりうまくいかなかった。全部のポジションを解消したあと、第3弾の米ドル/円売り買い両建てトレードの損益をあわてて計算してみた。ヘタなスキャルピングで10日間に渡って持ち越して貯め込んだスワップポイントの利益がなくなってしまったかも!?と一瞬思ったからだった。
第1弾、第2弾のトレードと同様に、第3弾の米ドル/円トレードでも、まず筆者の約定取引明細を紹介しよう。以下は外為オンライン「外為オンラインFX」での約定取引明細(本物)だ。
※外為オンライン「外為オンラインFX」の約定取引明細は横幅が長く、そのまま掲載すると数字が小さくて見づらくなってしまう。そのため、取引証拠金など一部の項目をカットして画像をつなげ、横幅を短くして見やすくしている
そして、以下がSBI FXトレードでの約定取引明細(本物)。
※SBI FXトレードのスマホアプリの約定取引明細は表示件数に限りがあるため、画像をつなげて一覧にしている
ここから、第3弾の米ドル/円トレードの合計損益を計算してみると、下表のようになった。
第3弾トレードの合計損益
FX会社 「口座名」 |
スワップポイント 損益 |
為替差損益 |
SBI FXトレード | 0円 | +138万9880円 |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
+12万円 | -142万4000円 |
合計 | +8万5880円 |
平成→令和の元号を跨ぎ、10日間をかけて行った、為替変動と関係なく10日分のスワップポイントをタダ取りしようという筆者のトレードは8万5880円の利益を上げたのだった。
ここで本記事シリーズでレポートしてきた第1弾、第2弾、第3弾のトレードをトータルして損益を整理してみよう。表にまとめると以下のようになった。
第1弾、第2弾、第3弾トレードの合計損益
スワップポイント 損益 |
為替差損益 | |
第1弾スワップ11倍デートレード 対象:米ドル/円 |
+18万3800円 | -3万4050円 |
第2弾スワップ9倍デートレード 対象:ユーロ/米ドル |
+12万2240円 | -18万7703円 |
第3弾スワップ10日分トレード 対象:米ドル/円 |
+12万円 | -3万4120円 |
合計 | +17万167円 |
トータル12日間、売り買い両建てのトレードを3回行って、基本的には相場変動リスクを取らずに筆者は17万167円の利益を何とか上げたのだった。
「踊ってみた」ならぬ「トレードしてみる」ことが大事
ニコニコ動画やYouTubeなどの動画投稿サイトには、自分で踊った模様を撮影して投稿する「踊ってみた」というジャンルがある。
普段、1000通貨単位のトレードを基本にしている筆者なので、大きなことは言えないが、「踊ってみた」ならぬ「トレードしてみる」ということは大事なことではないだろうか。
基本的には相場変動リスクのない売り買い両建てトレードといっても、今回、緊張感を持って、実際にそれなりのリアルマネーを投入して取り組んでみたことで、筆者には初めて見えてきたことがいろいろとあった。これは本記事シリーズでこれまで書いてきたとおりだ。
次は普通の異業者両建てをやって儲けることを検討中
筆者は職業柄、「リスクが少なく、うまく儲けられる話はないか」といったことをときどき人から聞かれることがある。今回の異業者売り買い両建てトレードは2勝1敗となったものの、それに該当するやり方だったと思う。
ただ、今回の異業者売り買い両建てトレードは、歴史的な10連休があったからこそ実現した珍しいトレードであり、普段からできるわけではない。
なので、そんなふうに聞かれたとき、筆者はFX会社に口座開設して、新規口座開設キャンペーンのキャッシュバックを狙いながら、FX口座の使い勝手を試してみてはどうかと答えたりする。以前ほどの派手ではないが、今も3000円~5000円相当の現金などがもらえるキャンペーンをさまざまなFX会社が実施している。
そして、ザイFX!ではそれらのキャンペーンを以下のコンテンツなどで紹介している。その中にはザイFX!限定のタイアップキャンペーンもあったりする。
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:キャンペーンで比べる
今回、筆者が使用したSBI FXトレード、外為オンライン「外為オンラインFX」でもザイFX!限定で前者では3000円、後者では3000円+FX本がもらえる。
しかし、自分から「リスクが少なく、うまく儲けられる話はないか」と聞いておいて、その答えを得たというのに、意外なぐらい「やってみない」人が多いというのが筆者がこれまで経験してきたことなのだ。なぜ、なのだろう?
本記事シリーズで扱った異業者両建ては特殊なものだったが、以下の記事の最後の方で紹介している異業者両建ては歴史的な10連休がなくても普段から可能なやり方だ。
【参考記事】
●主要FX会社のスワップ履歴を毎日調査!トルコリラ、真の高スワップ口座はコレだ!
もしも、これに興味を持ったら、新規口座開設キャンペーンでキャッシュバックをもらいつつ、このような異業者両建てをやってみてはどうだろうか。といっても、リスクがないわけではないので、やってみる場合は、そのあたりのことをよく理解して、注意して、慎重に「やってみる」ことをおすすめしたい。
実は筆者自身も次はそのような異業者両建てを自分でやってみることを検討中だ。
(取材・文/ザイFX!編集長・井口稔 編集協力/ザイFX!編集部・藤本康文)
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