■米国株下落の背景に、民主党・米大統領候補の報道
今回の米国株の下落は、米経済指標が景気減速を裏付けたことがきっかけ。
もうひとつ、米国株を押し下げたのが、バーニー・サンダース氏に関する報道です。
バーニー・サンダース氏は、胸部に不快感を訴え、動脈閉塞の治療でステント挿入の医療措置を受けた模様。
米大統領選に向けた民主党指名を争う候補者の中で、同氏は最年長の78歳。選挙運動の予定を「当面」キャンセルしたようです。
こうなると問題なのが、民主党候補。
ジョー・バイデン氏は、ウクライナゲートで失速。
となると、有力候補に躍り出てくるのが、エリザベス・ウォーレン上院議員。
この方が有力候補に上がることは、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)にとって、極めて都合の悪いことになります。
2020年米大統領選の争点に「GAFA分割」が浮上
2020年の米大統領選挙では「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」の会社分割が争点の一つになる可能性が出てきた。民主党の有力議員で大統領選挙の出馬を表明済みのエリザベス・ウォーレン上院議員が3月、GAFA分割の公約を発表したからだ。
出所:日経ビジネス
結果、エリザベス・ウォーレン氏が有力候補に躍り出てくることは、総じて、株にとってマイナス効果となります。
■米ドル/円は目先104円台。抜ければ101円へ
本稿執筆時点では、米中貿易戦争の混迷や香港のデモ、そしてトランプ大統領の弾劾問題と、米国株を取り巻く環境はあまり良くありません。
この米国株、特に、本丸であるNYダウが昨年(2018年)10月からの急落を再現するようなことになれば、今年(2019年)の米ドル/円の下落も避けられません。
今年(2019年)の米ドル/円は、6月に一目均衡表の雲を抜け出して以降、雲の中へ回復できずにいます。
転換線が108.43円に位置しており、それが過去2カ月、強烈なレジスタンスとして機能しています。
一方、200カ月移動平均線が104.33円に位置しており、サポートになっています。
米国株が続落すると想定すれば、米ドル/円のサポートはまず、この200カ月移動平均線。
仮に、このサポートをブレイクできれば、ボラティリティが一気に高まり、次のターゲットは101円ということになります。
昨年(2018年)同様、10月に入ると同時に下げ足を速めてきたNYダウ。
それに呼応して、下落を再開した米ドル/円の動向に注目です。
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