■米ドル/円の第3四半期の値幅は5円に届かず…
早いもので、来週から10月がスタート。
振り返ってみれば、第3四半期の米ドル/円のレンジは4.86円と5円幅にも届きません(9月26日現在)。
(出所:Bloomberg)
今週(9月23日~)、24日(火)のNY市場では、ペロシ米下院議長が正式に大統領弾劾尋問を開始すると発表したことで、一時、「株安・米ドル安・円高」に。
ペロシ下院議長は、正式な大統領弾劾尋問の開始を同僚の民主党議員らに発表。
ロシア疑惑では弾劾尋問の開始には至りませんでしたが、少なくともオンラインのブックメーカー(賭け屋)では年内にトランプ氏が弾劾されると賭ける人が42%に急上昇。
今回の焦点は、バイデン前副大統領を調査するようにウクライナ大統領に圧力をかけたとされる問題。
トランプ大統領はウクライナへの4億ドル軍事支援停止を命じた理由について、欧州も応分の負担をしていないことに不満だったからだと主張。
ただ、下院は過半数の賛成で通るかも知れませんが、上院は3分の2の賛成が必要であるため、大統領弾劾尋問自体は議会を通りません。
このことを、マーケットは理解しているはずなのですが、米ドル/円は一時、107.00円割れまで急落。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
9月25日(水)には、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談記録の概要をホワイトハウスが公表したことで、結局、米ドル/円は107円台後半まで巻き戻されています。
■米ドル/円は108.50円レベルが強烈なレジスタンスに
こうした、大統領弾劾尋問や米中貿易戦争に関する報道も数多く流れるのですが、米ドル/円が下がれば本邦の機関投資家からの米ドル買いが持ち込まれ下げ渋り、108円台では本邦輸出企業による米ドル売りと、本邦機関投資家のヘッジ売りが持ち込まれたことで、108.50円がレジスタンスとなって伸び悩みました。
(出所:Bloomberg)
前回のコラムでご紹介させていただいたとおり、今年(2019年)のレンジの半値戻しである108.50円レベルは強烈なレジスタンスとなっており、上値が抑えられています。米ドル/円は戻り売りスタンスのままですが、ボラティリティが低いままであるため、ショートポジションを買い戻しながら回転させないと、なかなか値幅が取れません。
【参考記事】
●ECBとFRBは金融緩和も日銀は動かず… 米ドル/円は108円台半ばへ上昇後、反落(9月19日、西原宏一)
10月に入って第4四半期が始まることにより、米ドル/円のボラティリティが復活するのを期待したいところ。
一方、ボラティリティを…
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