■メインシナリオは「逆三尊」が示唆するとおり
このように、8月高値のブレイクは、テクニカル的に起こり得る可能性が大きかった。また、先月(10月)末の急落を「ネックライン」の再確認という位置づけでみれば、日足における「逆三尊(※)」の可能性も一段と高まるだろう。
(※編集部注:「逆三尊」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とも呼ばれる。また、「逆三尊」の逆で、天井を示す典型的な形が「三尊型」(ヘッド&ショルダーズ))
【参考記事:FX初心者のための基礎知識入門】
●世界中のトレーダーに大人気! 相場の転換を教えるヘッド・アンド・ショルダーズとは?
本コラム10月11日(金)のタイトル「まだ早いけど、言っちゃった! 米ドル/円日足に『逆三尊』の可能性」のように、筆者はいち早くその可能性を指摘してきたので、それが相場によって証明された以上、同フォーメーションの指示どおり、これからもメインシナリオとして維持していきたい。
【参考記事】
●まだ早いけど、言っちゃった! 米ドル/円日足に「逆三尊」の可能性(2019年10月11日、陳満咲杜)
■8月の安値トライは究極の「ダマシ」だった
より重要なのは、8月高値のブレイクが、あるサインを証明しているということだ。同サインの確立は筆者に一段と自信を与え、また、同サインの点灯が「相場の真実がそこにある」と確信するほど、これからの進路を指示してくれている。それは他ならぬ、「ダマシ」のサインである。
月足で見るとわかるように、8月の大陰線は、一時、今年(2019年)1月安値や、昨年(2018年)3月安値を下回っていた。
このまま下値打診し続けてもおかしくなかったが、その後、切り返し、また昨日(11月7日)、8月高値の更新を果たしたわけだ。これによって、8月大陰線の意味合いは否定され、8月安値のトライは究極の「ダマシ」であったことが示唆された。
日足でみると、8月1日(木)の大陰線が最も鮮明であった。
同日のローソク足が示したサイン(弱気リバーサル&アウトサイド)があったからこそ、8月安値104.45円がもたらされたから、昨日(11月7日)の8月1日(木)高値のブレイクが、より重要なサインを再点灯したこともおわかりいただけると思う。
■米ドル/円は早晩2018年高値をブレイクするだろう
8月安値が究極の「ダマシ」であったという言い方は、2019年1月安値や2018年3月安値の一時下放れがあったのみでなく、2015年高値を起点とした保ち合いが、どこで終了したかと数える上でも、大きなヒントを示してくれている。
結論から言うと、2019年1月安値(フラッシュ・クラッシュ)をもって大型保ち合いはすでに終焉した公算が高い。8月の安値が「ダマシ」であれば、すでにトライアングル型保ち合いの打破、すなわち上放れの可能性を示しているから、より長い目でみれば、早晩2018年高値114.55円のブレイクを果たすことだろう。これこそ、相場の宿命である。
(出所:TradingView)
つまるところ、1月のフラッシュ・クラッシュが何だったかがわかれば、これからの米ドル/円の進路は鮮明に見えてくる。
このあたりの話はまた次回にて詳説したいが、大きなヒントとして筆者の9月6日(金)コラムやYouTobuチャンネルを参考にしていただければ、おのずと悟れるかと思う。
【参考記事】
●フラッシュ・クラッシュは187週スパンで起こった必然!? リスクオン再来は近い!(2019年9月6日、陳満咲杜)
最後に、日経平均は米国株の高値更新に追随、早ければ2019年年内にでも昨年(2018年)高値を更新できると思うから、米ドル/円と同様、強気で臨みたい。市況はいかに。
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