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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

大きな米ドル安の流れ継続。長期サポートを
割り込んだ米ドル/円は100円をトライか!

2020年03月10日(火)13:19公開 (2020年03月10日(火)13:19更新)
バカラ村

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■FRBの利下げは織り込み済みだった

 新型コロナウイルスの影響でリスク回避が続いていますが、3月3日(火)にFRB(米連邦準備制度理事会)が、0.5%の緊急利下げを行いました。

米政策金利の推移

※FFレートの誘導目標レンジ上限を掲載
※BloombergのデータをもとにザイFX!が作成

株式市場はいったん反発しましたが、3月17日(火)~18日(水)に行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.5%の利下げが、すでに織り込まれていたこともあって、反発も続かず軟調な展開に。

【FX初心者のための基礎知識入門】
FOMCとは? 米国の政策金利FFレートやイベントのスケジュールを徹底解説!

 米ドル/円は、日米の金利差縮小のため、3月4日(水)に106.84円まで下落しました。

米ドル/円 日足(~2020年3月4日)
米ドル/円 日足チャート(~2020年3月4日)

(出所:Trading View

■利下げをしても感染は止まらない!

 FRBが緊急利下げを行う前に、G7(先進7カ国)財務相・中央銀行総裁による電話会議が行われましたが、そこで、新型コロナウイルスの経済への影響に関して、「あらゆる手段を用いる」との声明が出たこともあり、FRBはそれを受けて、利下げを行ったことになります。

 そして、3月4日(水)には、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])も0.5%の利下げを行いました。

カナダ政策金利の推移

※翌日物金利の誘導目標を掲載
※BloombergのデータをもとにザイFX!が作成

 ただ、利下げをしたとしても、新型コロナウイルスの感染が止まるわけではなく、株式市場は再度、下落します。

【参考記事】
株はリーマンショック以来の大幅下落、3月FOMCは0.5%の利下げか。米ドル/円は105円も(3月3日、バカラ村)
新型コロナ対策でFRBが0.5%の緊急利下げ! ドル/円は短期で105円台、中期では100円も(3月5日、西原宏一)
新型コロナのダメージに金融緩和や財政出動は効かない!? 米ドル/円は105円前後へ(3月5日、今井雅人)
新型コロナの影響で市場は今後どうなる? 世界中が金利ゼロへ!? ドル/円100円割れも!(3月4日、志摩力男)

■米ドル/円は一気に101円台へ!

 週末(3月7日・8日)に、米ニューヨーク州が非常事態宣言を出したことや、イタリアが北部の一部を封鎖する措置に踏み切ったことなどから、週明け3月9日(月)は、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)がギャップダウンで始まりました

世界の通貨VS円 1時間足
世界の通貨VS円 1時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)

 さらに、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が、原油の協調減産交渉で決裂したことや、サウジアラビアが原油の増産を検討しているとの報道も重なり、米ドル/円は一時、101.17円前後まで下落しました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:Trading View

 米ドル/円の先週(3月2日~)の終値は105円台でしたので、昨日(3月9日)だけで、一気に101.17円前後まで下落してきたことになります。

【参考記事】
米ドル/円、95円が現実的なターゲットに!? 新型コロナに減産協議決裂…リスク満載!(3月9日、西原宏一&大橋ひろこ)

■米ドル安の大きな流れは継続しそう

 基軸通貨である米ドルが動き出していることもあり、為替市場全体で、ボラティリティが高まっています

 米長期金利(10年物国債利回り)は、一時的に0.4%を下回るほどの下降トレンドが続いており、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFEDウォッチによると、3月17日(火)~18日(水)のFOMCにおける、0.75%以上の利下げ確率は100%となっています。

米長期金利(10年物国債利回り) 日足
米長期金利(10年物国債利回り) 日足チャート

(出所:Bloomberg)

2020年3月FOMC時点でのFFレート予想(3月9日時点)
2020年3月FOMC時点でのFFレート予想(3月9日時点)

(出所:CME)

すでに0.5%の緊急利下げを行い、来週、さらに0.75%以上の利下げが実施されるのは、さすがに行き過ぎではないかと思います。

 行き過ぎが修正されて、一時的に米ドル高になる局面もあるかもしれません。ただ、米国と主要国の金利差が縮小していくこともあって、大きな流れの米ドル安はまだ、継続していくのではないかと考えています。

■米ドル/円、100円トライを予想

米ドル/円はこれまで、104円台半ばのサポートが長く機能し続けてきましたが、それを下回ってきたこともあって、まずは100円をトライする動きが考えられます。

【FX初心者のための基礎知識入門】
FXチャートのトレンド分析【前編】サポートラインとレジスタンスライン

 短期的には行き過ぎの状態ではありますが、104円台半ばが、今度はレジスタンスとなり、100円をトライする動きを予想します。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:Trading View

 100円を一気に下抜けていくことはないと思いますが、上値を徐々に切り下げてきて、下抜ける可能性があるのではないかと考えています。そのため、米ドル/円は戻り売りで考えています。

 ただし、長期的には、100円以下での滞空時間は、短いのではないかと思います。

■豪ドル/米ドルに長い下ヒゲ。押し目買いか

豪ドル/米ドルも、3月9日(月)のリスク回避で急落しましたが、豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)を含めて、下ヒゲが長く出ています。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足チャート

(出所:Trading View

 IMM(国際通貨先物市場)のポジションでも、投機筋の米ドルに対する豪ドルの売り越しが多くなっており、この買い戻しが出てくるのではないかと思います。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(豪ドル/米ドル)3月3日時点
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(豪ドル/米ドル)3月3日時点

※CFTCのデータを基にザイFX!が作成

 豪ドル/米ドルは、0.6660ドルがレジスタンスとなっていましたが、これを超えてきています。リスク回避の場面では、一時的に下がると思いますが、下ヒゲもあることから、豪ドル/米ドルも買いで良いのではないかと考えています。

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