■スーパーチューズデーはバイデン氏が躍進!
市場の注目が新型コロナウイルスに集まっていますので、そのことを中心にお話したいと思いますが、その前に、昨日(3月4日)、米国の大統領選挙における民主党候補を決めていくにあたって重要な「スーパーチューズデー」の結果が出てきましたので、まずは、それから話をしたいと思います。
結果から言うと、それまで苦戦していたジョー・バイデン氏が、一気に躍進したということです。
スーパーチューズデーでは、14の州で候補者決定が争われました。14州のうち10州でバイデン氏が勝利し、4州でバーニー・サンダース氏が勝利するという結果になりました。
(出所:The New York Times)
この結果を受けて、レースから降りた候補者も、軒並み、バイデン氏を支持することを表明しています。バイデン氏にとっては、大逆転の1日となったわけです。
■バイデン氏優勢による株高は今回だけの現象か
サンダーズ氏は極端な左派のため、彼が大統領になったら、経済にかなりマイナスの影響が出るのではないかと、専門家の中では囁かれています。
一方、バイデン氏は穏健派で、そんなに極端な政策は採らない人ですので、サンダーズ氏のように経済にマイナスの影響を与えることはないだろうというのも、大体の意見です。
そのバイデン氏が、一気に台頭してきたことを好感して、昨日(3月4日)は、NYダウが1000ドル以上も上昇することとなりました。
FOMC(米連邦公開市場委員会)が0.5%もの緊急利下げをしても下落するのに、バイデン氏の躍進で株が急騰するというのは、何とも不思議な感じもしますが、それだけ、サンダーズ氏に対する懸念が強かった、ということだろうと思います。
(出所:Bloomberg)
しかし、今後は、マーケートも織り込んできますので、今回のような反応は、もうしないと思います。
■新型コロナウイルスのダメージは収まらない
さて、新型コロナウイルスの話に移ります。
これに関しては、前回のコラムで、私なりの見方をご紹介しました。
【参考記事】
●新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
1週間たって、益々、その見方に確信を持ってきました。
すでに中国では、抑え込みが奏功して、感染者数が減少してきていますので、中国はこのまま落ち着いてくると思います。
(出所:世界保健機関)
しかし、中国以外の国では、逆に感染者が拡大しています。
(出所:世界保健機関)
インドは、日本からの渡航者のビザを無効にするという対応に出ています。米国も、韓国だけでなく、日本も渡航制限の対象国にすることを検討しています。
世界中が、このように鎖国政策を採っていくことが、今後も、実体経済と金融市場にダメージを与えることになるだろうと考えています。
FOMCが緊急開催(3月3日)され、0.5%の利下げが…
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