■FOMC、「平均インフレ目標」の導入を決定
8月27(木)~28日(金)に開催されたジャクソンホール会議で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が「平均インフレ目標」を導入することを決定したと発表しました。
これまで、FRBの物価目標は「年2%のインフレ率上昇」でしたが、これを「一定期間内の平均が2%」としたことで、インフレ率が2%を超えて上昇しても、すぐに金融引き締めに動くことはなく、長期的な低金利政策が続くことになります。
【参考記事】
●コロナバブルに乗れるかどうかで、人生が変わる! 日本が受ける米緩和の恩恵とは?(8月28日、陳満咲杜)

今年はオンラインでの開催となったジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長はFOMCが「平均インフレ目標」を導入することを決定したと発表した。これにより、金融緩和政策が長期化する可能性があると想定されている (C)Bloomberg/Getty Images News
これは、インフレよりも、雇用に軸足を置いたことにもなります。
■長期的な米ドル安が継続すると予想
この発表を受けて、為替市場は米ドル安へ推移し、昨日(8月31日)、ユーロ/米ドルは1.1965ドルまで上昇(ユーロ高・米ドル安)しました。
これは、8月18日(火)に付けた高値と同じ水準まで上昇したことになります。

(出所:TradingView)
平均インフレ目標に関する詳細な内容は、まだ出てきていませんが、長期的には、米ドル安がまだ、続くのではないかと考えています。
【参考記事】
●米ドルは戻り売りで!バフェット氏の金鉱株購入は、長期的な米ドル安を見越した動き!?(8月18日、バカラ村)
●米ドル安の材料豊富で短期的には過熱感も。戻り局面に注意だが長期的な米ドル安は継続(7月28日、バカラ村)
●ドルインデックスがダブルトップ形成! 大きな流れとしての米ドル安に変化なし(7月7日、バカラ村)

(出所:TradingView)
■安倍首相辞任でも、円高にはなりにくい
8月28日(金)には、「安倍首相が辞任の意向を固めた」と報じられ、アベノミクス反転の思惑から、米ドル/円は105.20円まで下落しました。
【参考記事】
●アベノミクスさようなら。安倍首相辞任の意向で日経平均急落! 米ドル/円急落!

(出所:TradingView)
ただ、アベノミクスを材料とした円売りは積み上がっておらず、さらに、次期総裁候補に菅官房長官が有力となっていることから、円高も続かず、米ドル/円は105~107円のレンジ内での往来となっています。
菅官房長官は安倍首相に近いこともあり、もし菅官房長官が後任となれば、これまでの政策を継続していく可能性があります。新型コロナウイルスの影響もあるため、財政政策が変わることはないと思いますので、円高にはなりにくいと考えています。
【参考記事】
●豪ドル/米ドルを押し目買い! 米ドル安は続く。「菅首相」誕生なら市場の反応は?(8月31日、西原宏一&大橋ひろこ)
著名投資家のウォーレン・バフェット氏が…
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