■S&P500指数とナスダック総合指数は連日最高値を更新
みなさん、こんにちは。
今週(8月24日~)のマーケットは、24日(月)早朝の下記の報道がきっかけとなり、米国株は連日最高値を更新。
トランプ氏、コロナ血漿療法の効果強調-緊急使用許可で利用拡大へ
トランプ米大統領は23日、 新型コロナウイルス感染症(COVID19)から回復した人の血漿(けっしょう)を使う治療法の緊急使用が米食品医薬品局(FDA)に許可されたことで、米国内のより多くのコロナ患者が血漿療法による治療を受けられると指摘した。
出所:Bloomberg
アンチトランプ大統領を掲げる米国の一部メディアでは、FDA(米食品医薬品局)は承認はしたけれども許可していない?との指摘(批判?)もあったのですが、この報道はマーケット参加者に好意的に迎えられるのではないかと、個人的には想定していました。
ですからその後、アジア市場、そして欧州市場になっても主要国の株価が大きく反応しないことに、個人的には違和感を持っていました。
ところが、米国市場では、この報道が好意的に受け止められ、S&P500指数とナスダック総合指数が史上最高値を更新。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
米国株の上昇は、8月24日(月)だけでなく、26日(水)も3指数揃って上昇。S&P500指数とナスダック総合指数は、4営業日連続で史上最高値を更新しました。
一方、ドルインデックスは、2日連続で下落しました。

(出所:TradingView)
■ワープスピード作戦が順調なうちは米国株は落ちない
結果、株高=「米ドル安・円安」のリスクオンでクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が続伸して、今晩(8月27日)のジャクソンホール会議で行われるパウエル議長の講演を待っているという展開。
【参考記事】
●ユーロ/円などの戻り売りが良さそう! ジャクソンホールまでは調整しやすいか(8月24日、西原宏一&大橋ひろこ)

8月27日、ジャクソンホール会議でパウエル議長の講演が行われる。ジャクソンホールは米国のワイオミング州にある地名(建物の名称ではない)。写真を見ると、非常にきれいで、豊かな自然が広がっている地域だが、今年(2020年)のジャクソンホール会議はコロナ渦のため、オンライン形式で開催される (C)ullstein bild/Getty Images
私の米国の友人のひとりは、ワープスピード作戦で、ワクチン開発が進んでいる限りは米国株は落ちないのでは(?)という意見。
(※編集部注:「ワープスピード作戦」とは、トランプ政権が掲げている、新型コロナウイルスワクチンの迅速な開発に向けた官民を総動員する計画のこと)
【参考記事】
●新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇で豪ドル/米ドルは0.7000ドルへ(4月30日、西原宏一)
そして、今のところ彼の見方どおりに米国株は動いています。
私はリスクオンに備え、豪ドル/米ドルのロングをキープしていますが、株が続伸し、リスクオンの環境下での注目通貨ペアは、やはりユーロ/円や豪ドル/円といったクロス円になります。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
■株高とともに米ドル安・円安で、クロス円上昇
前述のように、マーケットの視点はワクチン開発後の世界を見据え、リスクオンへと動き出しています。
株高とともに、「米ドル安・円安へ」という流れになり、クロス円は上昇。
そして、クロス円での注目ポイントは、まず、英ポンド/円の140.00円。
これまで、英ポンド/円の上値を押さえ、重要なレジスタンスとして機能してきた140.00円を上抜けつつあります。

(出所:TradingView)
次が、当コラムで頻繁に取り上げている豪ドル。
【参考記事】
●「株安・米ドル高」の流れは早晩反転か? 豪ドルは悪材料出尽くしで中期的に反発へ(3月26日、西原宏一)
豪ドル/円は、3月19日(木)に59.91円の安値をつけてからセンチメントが急変。6月8日(月)には、一気に76.78円まで急騰。
わずか3カ月弱で、17円弱暴騰しました。
その後、2カ月にわたり77円がどうしても越えられず、狭いレンジでもみあっていました。
ところが、英ポンド/円同様、今週(8月24日~)の豪ドル/円は続伸。
本稿執筆時点では、強烈なレジスタンスである77.00円目前の76.82円まで上昇しています。

(出所:TradingView)
■ワクチン開発期待から、株高・米ドル安は変わらず
今月(8月)、マーケットの注目を一気に集めていたゴールドの調整も浅く、1900ドルを回復。連れて、対米ドルで豪ドルも反発しています。

(出所:TradingView)
本稿執筆時点で、豪ドル/米ドルは、再び200週移動平均線が位置している0.7250ドルのレジスタンスをブレイク寸前。

(出所:TradingView)
今週(8月24日~)、豪州の大手銀行ウエストパックが、来年(2021年)、豪ドル/米ドルが0.8000ドルに到達するというレポートを出しているようですが、これは、個人的な豪ドル/米ドルの見方と同じです。
今晩(8月27日)、ジャクソンホール会議で行われるパウエル議長の講演を控えており、彼の講演に注目ですが、「ワープスピード作戦」によるワクチン開発に対する期待があるうちは、株高、米ドル安は変わらず。
ゴールドと並走する形で上昇し、0.8000ドルを目指す豪ドル/米ドルを筆頭に、価値の劣化が続く米ドルの行方に注目です。
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