年内に新規口座開設を停止し、来春までに移管
外為ジャパンFXが2022年春でサービス終了となることが発表されました。
(出所:外為ジャパンFX)
外為ジャパンFXは、ご存じの方もいると思いますが、80万口座という口座数を誇るDMM.com証券が提供している口座です。つまり、DMM.com証券には[DMM FX]と外為ジャパンFX、2つの口座があるということです。
外為ジャパンFXのサービス終了時期は、現時点では2022年「春頃」ということで正式な日程はまだ発表されていませんが、2021年12月末までに新規口座の開設を停止し、以降はDMM.com証券[DMM FX]へと移管される運びとなります。
(出所:外為ジャパンFX)
もともと外為ジャパンFXは、FX会社には珍しく名古屋に拠点を置くMJというFX会社でした。同社は、2011年4月に外為ジャパンに社名変更し、さらにプラネックスホールディングの傘下に入ります。
そして、2012年7月には、DMM.com証券がプラネックスホールディングからFX事業である外為ジャパンFXを買収しましたが、DMM.com証券 [DMM FX]への口座一本化はせず、2つの口座が共存する現在の形になりました。
共通15通貨ペアのスペックは統合後も変化なし
外為ジャパンFXがDMM.com証券 [DMM FX]に統合されると、どんな変化があるのでしょうか。せっかくなので、DMM.com証券 [DMM FX]と外為ジャパンFXの違いについても少し触れておきましょう。両口座の最大の違いはやはり取引通貨単位です。
DMM FX | 外為ジャパンFX | |
取引通貨単位 | 1万通貨 | 1000通貨 |
取引上限 | 100万通貨 | |
取扱い通貨ペア数 | 21通貨ペア | 15通貨ペア |
取引時間 | 冬時間:月曜07時00分~土曜06時50分 夏時間:月曜07時00分~土曜05時50分 |
(公式ウェブサイトの情報をもとにザイFX!編集部が作成)
外為ジャパンFXの口座保有者にとって一番気になるのは、DMM.com証券[DMM FX]への口座移管の際、保有している1000通貨単位のポジションがどうなるのかという点ではないでしょうか。
これについては、1000通貨単位の新規取引は2021年夏をめどに停止し、2022年春のサービス終了前のいずれかのタイミングで強制決済される予定となっています。詳細な日時は現時点でまだ発表されていませんが、直前になってあわてずに済むよう、早めに対応しておくといいでしょう。
取扱い通貨ペアは、外為ジャパンFXが15通貨ペアで、DMM.com証券[DMM FX]は外為ジャパンFXに6通貨ペアを加えた21通貨ペアです。その6通貨ペアは、メキシコペソ/円、ユーロ/豪ドル、ユーロ/ニュージーランドドル、ユーロ/スイスフラン、英ポンド/豪ドル、英ポンド/スイスフラン。
メキシコペソ/円については、2021年3月にDMM.com証券[DMM FX]での取り扱いがスタートしたばかり。高金利通貨として人気なだけに、外為ジャパンFXユーザーにとって、メキシコペソ/円が取引できるようになるのは朗報なのではないでしょうか。
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ちなみに、両口座に共通する15通貨ペアのスペックを確認してみたところ、スプレッドもスワップポイント(スワップ金利)も同じでした。この15通貨ペアには、米ドル/円やユーロ/円など、主要なものが網羅されています。両口座のスペックに共通部分が多いため、外為ジャパンFXユーザーが[DMM FX]に移っても、取引をスムーズに継続することができると思われます。
DMM.com証券の80万口座は統合後どうなる?
外為ジャパンFXのサービス終了で、もうひとつFX業界的な関心事といえば、DMM.com証券の口座数です。
いまでこそ口座数1位で知られるDMM.com証券ですが、口座数の上位争いに躍り出たのは、2012年の外為ジャパンFX買収の直後から。そういう意味では、あまりメジャーな存在とはいえない外為ジャパンFXも日本のFX史で重要な役割を果たしたといえます。
DMM.com証券の80万口座という数字は、公式ウェブサイトの以下のキャプチャにもあるように、DMM.com証券[DMM FX]と外為ジャパンFXの合算値です。
FX業界では2021年5月25日(火)にGMOグループがYJFX!を買収すると発表したことが話題になっていますが、2021年9月下旬に予定されているYJFX!のGMO傘下入りが実現しても、現在のYJFX!という会社は、社名は変更される予定であるものの会社自体は存続し、GMOクリック証券と統合されるようなことは予定されていません。
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したがって、グループ単位の口座数ではなく、会社単位の口座数ということでは、GMOグループのYJFX!買収が実現しても、GMOクリック証券がいきなり断然の1位に躍り出ることはおそらくなく、DMM.com証券が引き続き1位のままだと思われます。
そうなると、2022年春に外為ジャパンFXがDMM.com証券[DMM FX]に統合されたとき、この80万口座がどう変化するかが国内FX口座数の1位争いという観点から注目ポイントになると思われます。
DMM.com証券[DMM FX]と外為ジャパンFXの両口座を重複して保有しているユーザーがどのくらいいるのかはわかりませんが、重複ユーザーの分、DMM.com証券の口座数が減少する可能性があると考えられるためです。
>>>外為ジャパンFXの最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>DMM.com証券[DMM FX]の最新スペック詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
(山口学)
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