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ザイFX!で2015年を振り返ろう(3)
GMOとDMMの取引高争いに老舗が迫る!?

2015年12月23日(水)12:56公開 (2015年12月23日(水)12:56更新)
ザイFX!編集部

【ヒロセ通商】ザイFX!限定 最大11000円キャッシュバック実施中!

「ザイFX!で2015年を振り返ろう!(2) 『黒田ライン』意識で伸び悩んだ米ドル/円」からつづく)

 年始にスイスショックが起こり、波乱の幕開けとなった2015年。その後、春から夏にかけてはギリシャデフォルト問題に振り回され、8月の下旬にはチャイナショックが起こり、その後は米利上げ期待(12月のFOMCで0.25%利上げ実施)やECBの追加緩和といった話題が大きなテーマとなりました。

 マーケットの動き自体は、前半の方がよく動き、後半、特にチャイナショック以降は、方向感を失ってしまったような印象でしたね。

【参考記事】
ザイFX!で2015年を振り返ろう!(1) 2つのショックの背後に大きなテーマあり
ザイFX!で2015年を振り返ろう!(2) 「黒田ライン」意識で伸び悩んだ米ドル/円

 そんな不安定な相場状況のなか、本邦FX業界ではいったい何が起こっていたのか? ここからは、2015年のFX業界動向について、お得な情報も交えつつ、振り返ってみたいと思います。

アルパリUK破綻! FXCMジャパン証券も楽天証券に…

 まずは、年始のスイスショックを経て起きた業界再編の動きを振り返ってみましょう。

 2015年1月に、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])がユーロ/スイスフランにおける1.20フランという防衛ラインを突如撤廃したことにより起こったスイスショックは、わずかな時間でユーロ/スイスフランが3000pips以上もの暴落を見せる凄まじいものとなりました。

ユーロ/スイスフラン 日足
ユーロ/スイスフラン 日足

(出所:ヒロセ通商

 当初、スイスショックの主役は、ユーロ/スイスフランということで、そこまで日本の投資家やFX会社に影響はないのかな? という印象でしたが、しばらくすると、外資系FX会社であるアルパリジャパンとFXCMジャパン証券は、英国や米国に拠点を置く親会社が大打撃を受けていたことが発覚。

 アルパリジャパンについては、親会社のアルパリ(UK) Limitedが破綻し、アルパリジャパンも業務停止状態に…。8月には、スイスの金融機関、デューカスコピーバンク(Dukascopy Bank SA)に買収されました。

 FXCMジャパン証券については、融資が行われたことで親会社である米FXCMの破綻は免れたものの、3月に入って、なんとネット証券大手の楽天証券に買収されることが発表されたのです(株式の譲渡は4月に完了)。

【参考記事】
スイスショックでアルパリUKが破綻!スイスフラン大暴騰で損失をカバーできず
買収金額74億円! 楽天証券がFXCMジャパン証券の買収&子会社化を発表!

買収後の2社は? 他の会社の約定状況などもチェック!

 その後、アルパリジャパンは、デューカスコピー・ジャパンとして10月頃に営業を再開。FXCMジャパン証券は、一部商品を整理したうえで、8月から楽天証券のサービスとして再スタートしています。

【参考記事】
スイス金融機関がアルパリジャパン買収!いったいどんな会社? MT4は使えるの!?
楽天証券がFXCMジャパン証券を吸収して経営統合! MT4書籍がもれなくもらえる!

 なお、スイスショックの際は、紹介した2社のように即破綻や買収といった事態には至らなかったものの、他のFX会社も少なからず混乱状態に陥っていました…。スイスショック当時のレート配信状況や約定状況を調査した記事も公開していますので、興味のある方は、ぜひご覧ください。

 大変動があった時のために、スプレッドやレート配信、約定といったインフラ面が強いFX会社をチェックしておくことは、とても大事なことではないでしょうか?

【参考記事】
最大損失、約126億円!? 約定状況公開!スイスショック絡みのFX会社情報総まとめ
スイスショック時もレート配信を継続!?5分足チャートから読み取れる真実とは?

実質的にはGMOクリック証券の上場!? MT4の日本法人?

 いきなり、スイスショック後の業界再編という、ちょっと重たい話題から入ってしまいましたが、2015年は、この他にも業界にインパクトを与えるニュースがいくつもありました。

 たとえば、4月に行われたGMOクリック証券の親会社、GMOクリックホールディングスのジャスダック(JASDAQ)上場FXプライム byGMOは、このタイミングでGMOクリックホールディングスの完全子会社となりました。

 2013年、2014年とGMOクリックホールディングスの営業収益を見ると、8割強~9割強は、子会社のGMOクリック証券が占めていることから、この上場は、「実質的にGMOクリック証券が上場するようなもの」と言えそうだと、当コーナーで紹介したとおりです。

【参考記事】
GMOクリックHDがジャスダック上場へ!これはGMOクリック証券の実質上場?

GMOクリック証券のウェブサイト
GMOクリック証券のウェブサイト

 また、FX会社そのものに関するニュースではありませんが、メタトレーダー(MT4)の開発元であるロシアのメタクオーツ社(メタクオーツ・ソフトウエア)が、2015年10月、日本法人を設立したという話題にも注目したいと思います。

(※「メタトレーダー(MetaTrader)」にはいくつかバージョンがあり、最新バージョンは「メタトレーダー5」。ただし、現在、日本でもっとも普及しているのは、1つ手前のバージョン「メタトレーダー4」。そのため、ザイFX!でメタトレーダーを紹介する際は、メタトレーダー(MT4)と記載している)

 日本法人の名称は、株式会社メタクオーツ・ソフトウェア・ジャパン(MetaQuotes Software Japan Co., Ltd.)。こちらは、日本法人の設立により、メタトレーダー(MT4)を提供する日本のFX会社との連携が密になり、ユーザーにとって、メタトレーダー(MT4)がより使いやすいツールに進化することを期待したいですね。

【参考記事】
メタトレーダーの開発元が日本法人設立!日本語サポート強化でMT4ユーザー拡大も

GMOクリック証券とDMM.com証券の取引高1位争い続く

 次に、ここ数年、FX取引高世界1位を巡って、デッドヒートを繰り広げているGMOクリック証券DMM.com証券について、紹介していきましょう。

 2015年に12月にはNZドル/円、英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルといった準主要通貨ペアで、DMM.com証券がスプレッドを縮小すると、すかさずGMOクリック証券が追随するというスプレッド競争が久々に見られました。

【参考記事】
DMM縮小の翌日にGMOも縮小! 因縁のスプレッド競争再燃でNZドル/円は混戦!

 相変わらずスプレッドは両社、同水準をキープしたままで、互いに一歩も譲らずといった印象です。

また、テレビCMでも、この両社はそれぞれ、新垣結衣さんやローラさんなどの有名タレントを起用し、プロモーションの場でも熱戦を繰り広げています。

GMOクリック証券のイメージキャラクター・新垣結衣さん
GMOクリック証券のイメージキャラクター・新垣結衣さん
DMM.com証券のイメージキャラクター・ローラさん
DMM.com証券のイメージキャラクター・ローラさん

 ファイナンス・マグネイト(旧フォレックス・マグネイト)によると、FX取引高世界第1位は、3年連続でGMOクリック証券がキープしているのですが、2015年5月には、DMM.com証券が、同じくファイナンス・マグネイト(旧フォレックス・マグネイト)の調査データを根拠として、FX取引高世界第1位になったと発表!

【参考記事】
また、GMOクリック証券が王座を守った!2015年上半期FX取引高世界第1位に輝く
【動画付き】DMM FXが1位になったって!?新TVCMにローラのお兄ちゃん清原も登場
DMM縮小の翌日にGMOも縮小!因縁のスプレッド競争再燃でNZドル/円は混戦!

 FX取引高世界第1位を名乗る会社が、なぜか2社もある! という摩訶不思議な状態となりましたが、その背景には、実はGMOクリック証券DMM.com証券が採用した「取引高の調査期間に違いがある」というカラクリがありました。

 対象期間が違うだけで順位が入れ替わるということは、それだけ両社の取引高が接近しているという証拠ではありますが、なんともお騒がせな出来事でした…。

【参考記事】
FX取引高世界第1位をめぐるミステリー。DMMとGMOはどちらが世界一なのか?(1)

 実際、DMM.com証券が1位になったー! と、ローラさんや元野球選手の清原さん、柔道家の小川さんが登場する豪華テレビCMが放映されたのも束の間、すぐに「やっぱり2位でした…」と新バージョンのテレビCMが放映されたのです。

DMM.com証券が、なぜこのようにGMOクリック証券と期間が異なる取引高データを使ってまで1位と名乗ったのか、その真意はナゾのままですが、もしかしたら、以下の【参考記事】で紹介した「やっぱり2位でした…」のテレビCMへ落とし込むためのフリだったのかも、なんて想像してしまいます…。

【参考記事】
【動画付き】仕込まれたオチだったのか!?ガビ~ン! DMM.com証券がまた2位に!

仁義なきグルメ戦争、戦線拡大の予感?

 また、GMOクリック証券DMM.com証券は、キャンペーン面でも注目したいFX会社。それも、グルメキャンペーンで…。

 もともとグルメキャンペーンと言えば、食い倒れの街、大阪に本社を置くFX会社、ヒロセ通商の代名詞。ヒロセ通商は、これまで「爆益トレード乙カレー」や「上昇トレンドリア」など、ダジャレを効かせた数々の名キャンペーン賞品を世に送り出してきました。

 ここ数年、そんなヒロセ通商に習ってなのか? グルメをキャンペーン賞品に導入するFX会社は増加傾向にありましたが、ついに2014年頃には、清純派女優の新垣結衣さんをイメージキャラクターに擁するGMOクリック証券が、まさかのグルメキャンペーン参入。

【参考記事】
FX業界に衝撃!? GMOクリック証券とヒロセ通商に第1次グルメ戦争勃発か!?

 それも、第一弾のプレゼント賞品は「モウカレー」…。次いで「モウカルビ丼」や「モウカルボナーラ」などを経て、2015年夏頃からは「料理の鉄人」たちを起用した「味にこだわる料理人監修シリーズ」を展開しています。

 まさかのダジャレでスタートしたグルメキャンペーンでしたが、「味にこだわる料理人監修シリーズ」になってから、GMOクリック証券は、ダジャレから離れたようです。

 ちなみに、2015年12月現在は、「第3弾 鉄人 石鍋裕シェフ監修のビーフストロガノフ」がもらえるキャンペーンを実施中。

GMOクリック証券の「第3弾 鉄人 石鍋裕シェフ監修のビーフストロガノフ」がもらえるキャンペーン

GMOクリック証券「FXネオ」で新規10万通貨以上の取引をすると、取引量に応じて最大5食分のビーフストロガノフがもらえますので、興味のある方はチェックを。

DMM.com証券もデモで牛肉争奪バトル開催!

 ここまで取引高でもスペック面でも、とことん競い合ってきたGMOクリック証券DMM.com証券GMOクリック証券がグルメキャンペーンに参入したのを黙って見過ごすかに思われたDMM.com証券でしたが、ついに2015年10月、デモ取引のトレードバトルでの賞品ではありますが、「デモ取引でチャンピオン牛争奪バトル!!」を開催し、グルメ分野に参入

 初賞品は、ずばり高級和牛! これは、今後の賞品も期待大…。

 もしかすると、2016年はGMOクリック証券DMM.com証券仁義なきグルメ戦争が見られるかも!? いったいどんなグルメが登場するのか、興味津々です。2016年も引き続き、GMOクリック証券DMM.com証券のキャンペーン動向に注目したいと思います。

外為どっとコムが、月間取引高で3位に躍進!

 さて、グルメキャンペーンの話題から少し話を戻しましょう。

 取引高と言えば、2015年、大いに躍進したFX会社があります。2014年頃からスプレッド縮小を繰り返し、すっかりネオ化した老舗FX会社、外為どっとコムです。

外為どっとコムのウェブサイト
外為どっとコムのウェブサイト

 取引高に関しては、YJFX!に次いで業界第4位というのが外為どっとコムの定位置でしたが、2015年9月にググンと取引高を伸ばし、矢野経済研究所発表の「有力FX企業16社の月間データランキング-2015年9月-」によると、9月月間で取引高業界第3位に浮上しました(※)

(※その後発表された10月月間取引高では、再びYJFX!が3位、外為どっとコムが4位の定位置に戻っている)

【参考記事】
ザイFX!で2014年を振り返ろう!(3)【業界:前編】BO再燃と熱いスプレッド競争
外為どっとコムがFX取引高第3位に浮上!2015年9月に取引高が急増した理由とは?
外為どっとコムは本当に取引高3位だった。発表されたシステム障害の再発防止策とは?
新たな火種!取引高3位&4位争いが激化!YJFX!の10月逆転劇、その原動力は?

 9月と言えば、たいしてマーケットも動いていなかったので、環境的には取引高が増えるような地合いではなかったのですが、業界最高水準にまで高めたスペックに加え、外為どっとコムでこの時実施されていたトレードバトルで、それまでのものと比べて賞金対象枠が大きく広がったことや参加特典的に簡単にもらえるキャッシュバックがあったことが躍進の追い風となったのではないか? とザイFX!では分析しています。

 9月から若干ルール変更され、2015年12月19日(土)まで実施されていた外為どっとコムのトレードバトル「G-1 BATTLE 1st STAGE」は、当記事公開時点では終了していますが、「G-1 BATTLE」の特設サイトを見ると、次回以降のバトルを暗示するような作りになっていることがわかります。

 きっと年明けに新たなバトルの概要が告知されるのではないでしょうか? 楽しみに待ちましょう!

外為どっとコムの「G-1 BATTLE」特設サイト
外為どっとコムの「G-1 BATTLE」特設サイト

 なお、外為どっとコムは、この他にも「マネ育」という初心者向けコンテンツを充実させており、外為どっとコムへの新規口座開設とセミナー受講、さらにアンケートに回答するだけで6000円がもらえるというお得なキャッシュバックも実施中です。

 老舗ならではの手厚いサービスと業界最高水準のスペックを兼ね備えた外為どっとコム。2015年は、残念なシステム障害も起こしてしまいましたが、先日、今後の障害対策として、かなり念入りなシステム管理体制をとることが発表されました。

【参考記事】
業界激震!?システム障害を起こしてしまった外為どっとコムのライバル社はどこだ?
外為どっとコムは本当に取引高3位だった。発表されたシステム障害の再発防止策とは?

 2016年は、さらにサービスを充実させ、取引高を増加させることができるのか? 近い将来、DMM.com証券GMOクリック証券に追いつくことがあるかもしれませんよ!? 引き続き、大注目の1社です。

 余談ですが、もしかしたら老舗FX会社の外為どっとコムもグルメキャンペーンに参入! なんてこともあったりして…。

「ザイFX!で2015年を振り返ろう(4) FX界でも下町ロケット! 特許侵害訴訟発生」へつづく)

(ザイFX!編集部・向井友代)

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