6月米CPIの上昇率は9.1%。ユーロ/米ドルは一時1.0000ドル割れも、ウォラーFRB理事の発言で反発
7月13日(水)に発表された6月の米CPI(消費者物価指数)の上昇率は9.1%と、かなり高い数字となりました。
このCPIの結果を受けて、7月27日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、1.00%の利上げの思惑が高まり、為替市場では米ドル高へ推移しました。
ユーロ/米ドルは1.0000ドルにはバリアオプションがあり、サポートされていましたが、米ドル高トレンドが強く、7月14日(木)には0.9950ドル付近まで下がりました。
(※編集部注:「バリア・オプション」とは、原資産の価格(レート)が一定の価格に達するか否かで、権利が発生したり消滅したりするオプションのこと)
ただその後、FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事が次回のFOMCで「0.75%の利上げを支持する」と発言しました。
タカ派の要人から0.75%の利上げ示唆となれば、来週(7月25日~)のFOMCでの利上げ幅は0.75%でほぼ決定だと思います。
少なくとも「1.00%になる可能性は低い」、と言える状態です。
そのため、行き過ぎた利上げ期待からの米ドル高は修正され、反落。
ユーロ/米ドルも1.0000ドルを割り込み0.9950ドル付近まで下がったものの、あっさり反発。
(出所:TradingView)
米ドル/円は139.40円付近まで上昇したものの、138円割れまで下がっています。
(出所:TradingView)
来週(7月25日~)のFOMCでは、利上げ幅は0.75%でほぼ決定で、この利上げ期待がさらに高まることは考えにくく、米ドル高も一服すると思います。
ただ大きな流れとしての米ドル高は、まだ変わっておらず、継続すると思います。
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トレードは基本的に米ドル買い方向を継続。ユーロ/米ドルも売り目線は変わらず
トレードも基本的には米ドル買い方向のままで考えており、ユーロ/米ドルも売り目線のままです。
ユーロ/米ドルが反発する可能性として考えられる材料としては、7月21日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会で、0.25%の利上げは既定路線ですが、ただユーロ/米ドルが下がっているため、ラガルド総裁の会見で、輸入インフレを懸念する発言が出てきた場合です。
またノルドストリーム1が定期点検中で10日間ガス供給が止まっています。ロシアが定期点検が終わってもガスを供給しないのではないか、という懸念があり、そのためユーロが売られていましたが、今週(7月25日~)後半にガス供給が再開されるようであれば、ユーロは反発することになります。
ただユーロを買い続けるほどユーロ圏の経済は強くなっておらず、反発したとしても、ユーロの上昇トレンドにはならないと思います。
(出所:TradingView)
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ユーロ/米ドルは中長期的にはまだ底入れではなく、戻り売り相場が継続しそう
テクニカル分析の観点からは、ユーロ/米ドルは今年(2022年)2月から続いている下降チャネルのサポートラインで反発しており、そのため買い材料に目先は反応しやすいと思います。ただ超長期の1.03ドル台のサポートラインを下抜けていることもあり、そして下降チャネルのレジスタンスが1.04ドル台にあるため、その水準をメドに売り方向ではないかと思います。
【参考記事】
●米ドル一強の相場が継続! 米ドル/円は136円を割れるまで買い、ユーロ/米ドルは1.0350ドルがレジスタンスとなった戻り売り(7月12日、バカラ村)
●FXチャートのトレンド分析【後編】チャネルラインの捉え方と活用方法
ユーロ/米ドルは下降トレンドがいったん止まると1カ月程度は横ばいが続いているため、今回もその程度の期間は調整が起きるかもしれませんが、中長期的にはまだ底をついたと考えておらず、戻り売りの相場が継続するのだと思います。
(出所:TradingView)
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