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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドルは、すでに頭打ちを果たした!高値圏での保ち
合いが続いたあと、徐々に反落してくる! ただし、
米ドル/円の取引は様子見、クロス円を買いたい

2023年11月10日(金)18:41公開 (2023年11月10日(金)18:41更新)
陳満咲杜

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ドルインデックスの切り返しも米10年物国債利回りの反発も
許容範囲とみる!

 為替マーケットが一進一退しながらバランスを保ち、ブレイクのタイミングを探っているところに、昨日(2023年11月9日)米30年物国債入札の低調や、FRB(米連邦準備制度理事会)議長さんのタカ派発言で、米金利が再び上昇。米ドル全体も、若干、買われた。

 「若干」とは、あくまで個人の感触だが、株式市場の反応に比べ、値幅が限定的であったと言えるだろう。

 米ドル全体の状況と言えば、ドルインデックス自体は11月6日(月)から昨日(11月9日)まで続伸し、105後半まで戻ったところであり、切り返しとして、許容範囲内とみる。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 米10年物国債利回りは、昨日(11月9日)大きく反発したが、なお4.6%程度に留まり、通常の範囲内の変動と言える。

米10年物国債利回り 日足
米10年物国債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

米金利上昇の一服やドルインデックスの頭打ち、
といったシナリオ自体は変わらない

 もっとも、米金利上昇一服やドルインデックスの頭打ちといったシナリオ自体は変わらない。なにしろ、肝心の米長期金利(10年物国債利回り)が重要なポイントをいったん割り込んでいたので、金利自体が頭打ちになった公算が大きく、夏場以来、米金利上昇と高い相関性を示してきたドルインデックスも頭打ちのパターンを露呈しているからだ。

 前回(10月27日)の本コラムでは、米10年物国債利回りのトップアウトの前提条件として10月12日(木)安値の4.54%割れを挙げていた。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は、2022年の高値を超えるか注目! 16年半に及ぶサイクルがピークアウトし、2028年までの緩やかな円高を見通すメインシナリオを維持するかの分岐点に!

 11月3日(金)に同利回りがその水準を下回っていたので、条件の成立を確認できた。

米10年物国債利回り 日足
米10年物国債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

 4月安値以来、米長期金利はほぼ一本調子の上昇となり、10月高値までもっとも強い上昇を果たした。金利の急騰は、国債の急落によって、もたらされるものなので、換言すれば、7月からさらに急伸していた米金利は、米国債のパニック的な下落が主因であったため、クライマックスを果たした公算が高い。

 一方、米長期金利は近年ではあまり見られない速度で急伸してきたぶん、反落も時間がかかるだろう。強いトレンドほど一気に修正されない、という理屈のとおりなので、わかりやすいかと思う。

 ゆえに、昨日(11月9日)のように、材料があっていったん切り返しがあっても、ごく普通な値動きであり、FRB議長さんのタカ派発言に照らして考えると、むしろ鈍い反応だったと思われるかもしれない。

 米長期金利の上昇がすでに終焉したのであれば、これから米国債の押し目買い(金利の戻り売り)が賢明なスタンスだと思う。

ドルインデックスは高値圏で保ち合い後、
徐々に反落してくる可能性が大きい

 同じような理屈で言えば、ドルインデックスもすでに頭打ちを果たし、これから反落してくると思うが、7月安値から急伸してきただけに、一気に反落してくるのではなく、まず高値圏にて保ち合いが続き、その後、徐々に反落してくる、といった市況の可能性が大きいと思う。

 重要なのは、頭打ちを認定する証拠だ。筆者が発行するメルマガの11月8日(水)号にて以下のように指摘していたので、参考に。

「◆ 7月安値99.22を起点とした切り返し、大型調整子波として米長期金利の上昇と連動、連続12週の続伸で行き過ぎを示唆。10月初頭一旦107関門を突破したものの、先週一旦105関門割れまで反落、頭打ちしたとみる。11月FOMCは利上げ見送り、利上げサイクルの終焉を暗示、米長期金利の低下とともに反落波を拡大させる公算。日足では、1日の高値トライ(2)は「ダマシ」となって、10月3日(1)と「ダブル・トップ」を形成、10月24日(3、強気リバーサルのサインだった)の安値を下回った時点で同フォーメーションを確立させた。105後半にて抵抗密集、戻り切れない場合は下値余地を拓くでしょう。103半ばは当面の下値目途。」

ドルインデックス 日足(11月8日作成)
ドルインデックス 日足チャート(11月8日作成)

(出所:TradingView

 このような認識が正しければ、諸外貨のうち、ユーロの切り返しはもっとも有力視されるだろう。なにしろ、ユーロは対米ドルの対極であり、また構造上の強さがあるから、これから買われやすいとみる。

 構造上の強さを言えばキリがないので、一番シンプルな見方を挙げてみたい。米金利(10年物国債利回り)が10月23日(月)まで高値更新していたのに対し、ユーロ/米ドルは10月2日(月)にてすでに安値を付けていた

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 言ってみれば、米ドル高の終焉は、ユーロ/米ドルの方が米長期金利の動向より先に示唆していたから、ユーロが「強い」わけだ。

 比較すればわかるように、円は主要外貨のうち最弱だ。執筆中の現時点で米ドル/円は151.40円前後まで切り返しており、10月末高値の151.76円までわずかな値幅しかない。米金利の反落があったにも関わらず、である。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

米ドル/円の取引は難しいから、見守っているだけ。
ユーロ/円などのクロス円を買いたい!

 米ドル/円に関する判断は、今回はいったん見送りたいが、米ドルの頭が重いことだけ、もう一回、強調しておきたい。巷では、また155円~160円といった上値観測が蒸し返されているようだが、筆者は依然、その可能性が高くないと思う。

 しかし、米ドル/円の頭が重くてもすぐに反落してくるとは限らない。円は最弱なので、何らかの材料なしでは積極的に買われないことは確かである。10月末の日銀会合にて最小YCC(イールドカーブ・コントロール)の修正があったものの、円はむしろ売られていたように、しばらく日本サイドの材料が無視されるのも事実である。

 だからこそ、筆者は米ドル/円を見守っているだけで、取引していない。売るには、テクニカルの根拠なしでは売れない。買う場合は、前述のロジックと相違しているうえ、日銀介入のリスクもあって、やはり買えない…指をくわえて様子見するしかない。

 しかし、だからこそユーロ/円などクロス円を買いたい。筆者は本日(11月10日)からユーロ/円の上値ターゲットを引き上げる予定だ。引上上げと言っても、元の長期スパンのターゲットを中短期スパンのターゲットに書き換えるわけなので、スタンスは一貫している。このあたりの話は、また次回。市況はいかに。

14:20執筆

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