米ドル/円は148.91~150.87円の日足レンジで3週間膠着。150円前後が重要な分岐点となりそう
日経平均株価は昨日(3月4日)、終値で4万円を突破しましたが、米ドル/円はついてきていません。
本稿執筆時で、米ドル/円の日足はほぼ2円幅のレンジが約3週間続いています。レンジ上限が150.87円(2月13日高値)で、下限が148.91円(2月12日安値)です。この値幅を上下どちらかに抜けない限り、日足の米ドル/円相場は動きません。
(出所:TradingView)
米ドル/円相場が3週間も膠着しているということは、この150円前後は重要な分岐点となりそうです。
市場参加者の多くが分岐点となる可能性を意識しているため、バンバン買ってもいけないし、バシバシ売ることもできないということだと思われます。
150.87円を上抜けると、151円台に相場の壁。そこも上抜ければ170円方向の可能性が出てくる
日足レンジを上にブレイクした場合、つまり150.87円を上抜けると、151円台には相場の壁があります。151.42円(2023年11月16日高値)、151.89円(2023年11月13日高値)、そして151.93円(2022年10月21日高値)が上値を抑えやすくなります。
(出所:TradingView)
このため、レンジを上にブレイクした場合は、151円台を強く上昇できるかが注目となります。もし上抜ければ、2月20日(火)掲載の当コラムにあるように170円方向の可能性が出てきます。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は150.87円を上抜けるかに注目だが、152円の歴史的高値が相場の大きな壁に! 突破すれば170円とか180円とか起きるかもしれないが、日本当局も当然把握(2月20日、田向宏行)
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148.91円を割り込むと、ダウ理論の日足レンジが下向きに転換し、21日SMAも下抜けて下げる可能性が高くなる
一方、相場ですから下方向にブレイクする可能性も考えておく必要があります。相場の先行きは誰にもわからないからです。
チャートをご覧頂くと、日足は21日SMA(単純移動平均線)に接近しています。
ただ、日足レンジ内なので、仮に21日SMAを割り込んでも、日足レンジを割らない限り下げません。このため、下げたところは2月1日(木)のように、買いが入りやすく反発点になるかもしれません。
それでも、日足レンジの下限である148.91円を割り込むと、状況は変わります。ダウ理論の日足レンジが下向きに転換するので、昨年末の140.24円からの日足の上昇トレンドが終了します。
また、21日SMAも下抜けているはずなので、日足はダウ理論と21日SMAの両方の点から下げる可能性が高くなります。
(出所:TradingView)
加えて、149円台後半で買った買い手の損切り逆指値がこの付近に置かれている可能性があり、ストップを巻き込んだ下落が起こるかもしれません。
トレンドがない相場は難しい相場。待つことが試される相場に
いずれにせよ、市場に参加する私たちは巨大な為替市場を動かすことはできません。
そこで、相場の多数派に便乗することで利益を狙います。これがトレーディングです。だからこそ、私たちトレーダーにとって、売り手と買い手のどちらが優勢かを見極めることはとても重要だと思います。
また、相場が傾かないということは、米ドル/円相場にトレンドがないということです。トレンドがない相場は難しい相場ですから、市場参加者の多くが先行きを見定めているということかもしれません。
待つことが試される相場となっています。
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