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 もう今週からはクリスマス相場に入っているので、プレーヤーの多くが休みを取る。市場参加者が少なくなるので、相場の動きも鈍くなる。その上、大きなイベントも年内はもうない。昨夜も財務省筋からの為替レートへの言及はあったが、現在のドル円のレベルである157円台ではフレッシュ感がないため、市場はここで実弾が出てくるとは考えていない。それで一時的にドル円は下がるには下がっても、すぐに元のレベルにまで押し戻されてしまう。

 円の先安感が高まってきている。日銀の総裁が追加利上げをためらっているので次回の利上げには時間がかかるだろうという観測がたったからであって、マーケットでは大いに円安が進むこととなった。日本円はクロス円全般も含めての全面安である。

 ユーロ円も未体験ゾーンにまで進んできた。これは総裁が利上げのペースとゴール地点を明確にするだろうと、市場は前向きに期待しすぎていたからだ。そのへんのところをお茶を濁した形で受取られたので、一気に円売りに傾いたのだ。

 しかし思うに、アメリカの金融政策の進め方に対して、日銀の利上げのペースは遅いと言わざるをえないだろう。2022年のウクライナ侵攻の時は小麦をはじめ物価高が世界を襲ったが、アメリカはFRB議長の再任時期とも重なったこともあり、米政府からのインフレ抑制に対する強力な要請を受けて、75ベーシスポイントずつ３回連続で利上げをしたのは記憶に新しい。コロナ禍では2023年までは金利を絶対に引き上げないとマーケットに確約していたのにである。そこまでやるから物価高に立ち向かう姿勢も見えてくるというものだ。

 それに比べると日本は1999年にゼロ金利政策に突入してからというもの、2001年には量的緩和策を導入。その後にはリーマンショックや東日本大震災もあったりしたが、結局は黒田総裁下では金利を引き上げることはできなかった。それがようやく0.75％まで上げてきたというものの、これに２年近くを要している。アメリならば１回の会合でやってしまった量である。日銀のスタンスが慎重だと映っても仕方のないところである。

日本時間 16時20分

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