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東京為替見通し=ドル円、中東有事のドル買いとリスク回避・介入警戒の円買いの攻防か

2026年06月11日(木)08:00公開 (2026年06月11日(木)08:00更新)
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 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、5月米消費者物価指数(CPI)が予想通りだったことで160.33円付近まで下押しした。もっともその後、トランプ米大統領が「米国はイランに対する極めて強力な攻撃を再開する」と表明し、WTI原油先物と米長期金利の上昇を受けて160.58円まで上昇した。ユーロドルは1.1573ドルまで上昇した後、原油高・株安・ドル高の様相が強まり、1.1535ドル付近まで下押しした。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、中東有事や原油価格上昇を背景にしたドル買い圧力と日米株価指数下落を受けたリスク回避の円買いや本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性を受けた円買い圧力との鬩ぎあいが予想される。

 ドル円は、4月30日に円買い介入が実施された際の高値160.72円にじりじりと迫っており、市場では介入のタイミングを探る展開が続いている。2024年はゴールデンウイーク(GW)の160円台で介入が行われ、7月に161円台で介入が行われた。今回もGWの160円台での介入の後、161円台を待つのか否か、見極めていくことになる。

 なお 昨日発表された5月の輸入物価指数は、前年比+25.5%となり、4月の同比+21.0%、3月の同比+8.1%からの伸び率の加速が確認されており、高市政権が掲げていた物価高抑制のためには、円安抑制が喫緊の課題であることが示された。

 昨日発表された米5月消費者物価指数(CPI)は、前年比+4.2%となり、4月の+3.8%から上昇し、2023年4月以来の大幅な伸びとなった。インフレ率は2カ月連続で賃金の伸び率を上回っており、経済全体の重石となる可能性が高まった。

 米国の政権維持のレッドラインは4、すなわち、インフレ率+4.0%とガソリン価格1ガロン=4ドルとなっている。トランプ米大統領は、2024年の大統領選挙戦で、インフレ率の低下とガソリン価格2ドル未満を公約に掲げていたが、イランへの空爆開始という悪手によって、中間選挙での敗北の可能性を高めたことになる。また、過去100年間でCPIが4%台に乗せた場合、S&P500は3カ月間で4%下落、6カ月間で7%下落を記録しており、ニューヨーク株式市場への悪影響が懸念されている。

 米国の5月雇用統計とCPIを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が予想する利上げ時期は12月FOMCとなっている。

 来週16-17日に開催されるウォーシュ第17代FRB議長の下での初のFOMCでは、政策金利(FF金利誘導目標3.50-3.75%)の据え置き見込み。ウォーシュFRB議長は、FRB理事時代はタカ派、FRB議長候補となった昨年はハト派、先日の承認公聴会では「トランプ氏の操り人形にはならない」と宣言していた。記者会見では、ウォーシュFRB議長が“能あるタカは爪を隠していた”かのようにタカ派的な見解を示す可能性があり、市場としては警戒せざるを得ない。

 また、植田日銀総裁が肝嚢胞感染症の治療のため入院していると伝わり、来週15-16日に開催される日銀金融政策決定会合には参加できず、議決にも参加できないと報じられている。市場は6月会合での政策金利1.00%への利上げを確実視しているが、植田日銀総裁による記者会見がないことで、ターミナルレートが中立金利水準(1.10%-2.50%)のどのあたりにあるのかを確認できないリスクが高まっている。

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