3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米独立記念日の振替休日で閑散取引の中、2日の急落が円買い介入によるものではなかったとの見方から、介入への過度な警戒感が後退したことで161.39円付近まで持ち直した。ユーロドルは、ドル円の持ち直しに伴ってユーロ売り・ドル買いが出たことで一時1.1435ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒していく展開が予想される。
ドル円は2日に162円台から160円台へ急落し、3日にも160.49円まで下落する局面があったことで、覆面介入ではないかとの警戒感が広がっていた。
しかし、3日に日銀が発表した日銀当座預金増減要因の6日分の予想では、財政等要因がプラス1兆7400億円になるとの見通しが発表された。民間短資会社3社の予想はプラス6500億円—プラス8000億円程度となっており、日銀が市場から円を吸収する円買い介入が実施された形跡はなかった。
本日の日銀当座預金増減で最終的に確認することになるが、2日のドル円の急落が円買い介入ではなかった場合、米6月雇用統計を前にした円売り持ちポジションの手仕舞いだった可能性が高まることになる。
IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のネット売り持ち高は、6月23日時点では146104枚(円売り持ち:259802枚、円買い持ち:113698枚)までやや減少していたが、先週の時点ではさらに減少しているのかもしれない。
ドル円は1986年以来の162円台に乗せてきているものの、本邦通貨当局による円買い介入はなく、円安牽制発言に留まっている。
気掛かりな発言としては、2日に麻生自民党副総裁が「およそ40年ぶりの円安水準である為替の動向も気になる」と述べ、政府関係者が「投機的な円の売り持ちが急速に積み上がれば、突如として介入が実施される可能性もある」と述べていたことが挙げられる。
先日の日銀金融政策決定会合で政策金利1.00%への引き上げが賛成7、反対1(浅田日銀審議委員)で決定されたが、政府代表者の財務省と内閣府も、利上げが経済に与える悪影響を懸念して否定的な見解を示していた。
さらに、7月に公表予定の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」の原案では、「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」と言及され、日銀の追加利上げに否定的な見解が示されていた。
すなわち、高市政権は、かつての「利上げをするのはアホ」「円安ホクホク」などの発言で窺えるような、利上げ反対、円安黙認を裏付ける「責任ある積極財政」を主流にして、輸入物価高抑制となる円安抑制は傍流になっているのかもしれない。
ドル高に拍車をかけた要因は、タカ派的な米連邦公開市場委員会(FOMC)声明「物価安定を実現することで全会一致」やウォーシュFRB議長がインフレ率を目標の2%に押し下げる意気込みを示したことが挙げられる。
しかし、ウォーシュFRB議長は、1日に「インフレリスクは後退」と発言し、7月FOMCでの利上げ確率を低下させた。また、ウォーシュFRB議長が重視する5月のコアPCEデフレータの「刈り込み指数」は前年比+2.4%だった。
そして、6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+5.7万人と増加幅が減少し、失業率は4.2%へ低下したものの、職探しをする失業者が減少したことによる労働参加率の低下(61.5%)が背景にあることで、ベッセント米財務長官やハセットNEC委員長が楽観視していた雇用情勢ではない。
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