■悪材料が相次ぎ、ユーロは下落傾向になっている
5月5日(木)のECB(欧州中央銀行)会合後の会見では、トリシェ総裁から追加利上げに対して積極的な発言がありませんでした。
ここから、ユーロの失望売りが始まりました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
その後、独シュピーゲル紙が「ギリシャはユーロ圏を離脱し、同国独自の通貨を再導入することを検討している」と報じました。
さらに5月9日(月)には、格付け機関のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が、ギリシャの格付けを2段階引き下げると発表しました。
以上のようなことが重なって、ユーロは下落傾向となっています。
■ユーロ/米ドルはそろそろ下げが止まる可能性も
それでは、この動きをテクニカル面から見てみましょう。通貨ペアはユーロ/米ドルで考えてみます。
最初にMACD(12,26日)を確認したいと思います。ユーロ/米ドルのMACDを見ると、急落した5月5日(木)よりMACDとシグナルが逆転して「売りサイン」を出しています。

問題はどこまで落ちるのかということですが、MACDとシグナルがカイ離、つまり、差が大きくなってくると、相場の流れがいったん止まることが過去にもよく起きていました。
今回も見てのとおり、かなり大きなカイ離状態になっています。
それだけを見ると、そろそろ下げが止まる可能性が高くなってきたと考えることができると思います。
■1.4151ドルあたりがチャート・ポイントになっている
今度はロウソク足を見てみましょう。直近安値は4月18日の1.4158ドルですが、ここでニ番底をつけることもあり得ると思います。
今年の最安値は1月10日につけた1.2867ドルで、ここから上昇して、5月4日(水)に1.4940ドルの最高値をつけています。この高値からのリトレースメント38.2%を計算すると1.4151ドルになります。
この水準と先ほどのロウソク足での直近安値がほぼ同じ水準となっていますので、まずはここがポイントになると思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
そのポイントを下抜けた場合ですが、1.2867ドルから1.4940ドルまでの上昇分の半値を計算すると1.3903ドルになります。
じつは、100日移動平均線もほぼこの位置にあり、ここでも2つのチャートポイントが重なっているので、重要なポイントになると思います。
一般的に、いくつかのポイントが重なっているところは、相場の重要なポイントとなるケースが多いので、十分に意識しておきたいです。
■ユーロの買いポジションが相当膨らんでいる
さらに、もう1つ意識しておきたいことは、ポジション動向です。
IMMのポジション動向を見ますと、ユーロ/米ドルのロングポジション(買いポジション)が相当膨れ上がっています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
これがある程度解消するまでは、ユーロはアタマが重く、場合によってはもっと下がるかもしれません。
IMMのポジション動向とチャートポイントを重ねて、底値がどのあたりかを予測するという作業が、これからは重要になるのではないでしょうか?
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