日経平均は3年連続2桁上昇! 1月9日には4カ月ぶりに正常なスケジュールで米雇用統計が発表予定
西原宏一(以下、トレーダー西原) 叶内文子(以下、MC叶内) みなさま、明けましておめでとうございます!
MC叶内 西原さん、今年(2026年)最初の作戦会議、よろしくお願いします。
トレーダー西原 よろしくお願いします。
米ドルは昨年(2025年)も主要通貨に対して急落。そんな米ドルに対しても、ほとんど強含むことなく推移した円。結局、昨年はスイスフラン/円を中心に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が暴騰し、円の弱さを印象づけた年になりました。今年も円は弱いままの通貨であり続けるのかに注目ですね。
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⇒2025年も最強通貨はスイスフランで最弱通貨は円。2026年のスイスフラン/円は220円へ! 年末年始の米ドル/円は介入警戒感で下げそうだが、年を通じては円安で165円へ(2025年12月25日、西原宏一)
それでは叶内さん、まず株の振り返りからお願いします
MC叶内 日本株は先週(2025年12月29日~)、2営業日しかありませんでしたので、昨年を振り返っておきます。
昨年の日経平均は5万339.48円で取引を終えました。年間では昨年末比26.2%の上昇、1万444.94円高となりました。2023年の28%高、2024年の19%高に続いて3年連続の2ケタ上昇で、年初には予想もしなかった強さでした。

(出所:TradingView)
4月にトランプ関税で急落したものの、まもなく取り返し、米国を中心とするAIブームに乗り、そこへ高市政権誕生への期待が加わって史上初の5万円台乗せとなりました。
米国株はS&P500が+16%の上昇でした。先行して上げていたビッグテックの勢いが昨年はいまひとつだったことで、世界株式(MSCI世界株式除く米国)に劣後するという珍しい事態となっています。米国株、マグニフィセントセブン(※)への一極集中が修正されたということかもしれません。AIバブル懸念もありました。
(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)
貴金属の上昇が目立った年でもありましたが、終盤には規制が入って急落しました。
為替市場はいかがでしたか。
トレーダー西原 昨年の振り返りは12月の作戦会議で何度か取り上げていますので、そちらを参照していただこうと思います。
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⇒米ドル/円は介入なら10円ほど急落の公算大だが、2026年は最終的に165円方向。ユーロ/米ドルは米連続利下げで1.25ドル、主役はクロス円でユーロ/円は200円超え想定(2025年12月22日、西原宏一&叶内文子)
⇒【2026年のFX予想】年内200円超え視野のスイスフラン/円やユーロ/円に注目! 米ドル/円は結局165円方向で、急騰すれば介入警戒。急騰中の銀はリスクオフの前兆かも(2025年12月15日、西原宏一&叶内文子)
それでは叶内さん、今週(2026年1月5日~)の注目イベントをお願いします。
MC叶内 今週は重要指標の発表が予定されています。特に雇用関連の動向が注目されています。
1月5日(月)と1月7日(水)にISMの内訳、1月7日(水)にADP雇用統計・11月JOLTS求人件数、そして1月9日(金)には4カ月ぶりに正常なスケジュールで12月雇用統計が発表予定です。
市場予想の中心は非農業部門雇用者数が前月比+5.3万人増加、失業率が▲0.1%ポイント低下の4.5%です。政府閉鎖終了で連邦職員の減少がなくなり、失業率はやや低下見込みです。Indeedの日次データなどを見ると、平均時給は伸び悩みと予想されます。
現状労働市場の悪化が市場の利下げ期待の理由になっているので、「良い」数字が出ると利下げ期待が後退しそうです。ただ、単月の数字で判断ができるかというと難しいと思われ、12月分だけでFRB(米連邦準備制度理事会)が何か判断を下すことはなさそうです。
今回の12月分は通常どおりの調査期間、集計プロセスで出てくる統計なので信頼性は戻りますが、11月分雇用統計は政府閉鎖により統計の収集が不十分でノイズが大きく、10月分は情報が一部欠損しています。
なお、1月分では雇用統計の基準改定の最終的な確定値が反映され、大幅な修正が入る見込みで、これも読みにくい要素のひとつです。
ISM製造業は小幅改善、非製造業は横ばい予想です。
国内では、1月8日(木)に毎月勤労統計が発表予定です。所定内給与・一般(共通事業所)は前年比+2.3%が予想されています。昨年春闘が支えの一方、12月日銀短観などでは労働需給のタイト化には一服感が見られています。1月9日(金)の家計調査、消費動向調査も要チェックです。1月8日(木)に日銀支店長会議があり、さくらリポートが発表されます。
小売り大手の決算も発表予定です。1月6日(火)に高島屋、1月7日(水)にABCマート・吉野家、1月8日(木)にセブン&アイ・オンワード・ツルハHD・ファーストリテイリング・イオンなど続々と出てきます。国内消費の状況、日中関係悪化の影響などを確認したいところです。
そして、製造業の先行指標となる安川電機の決算発表が1月9日(金)に予定されています。このところのテーマであるフィジカルAIにもからむ企業で、ほかの関連銘柄への影響もありそうです。読売では「ヒューマノイドロボット市場に参入」とも伝わっています。
為替はいかがですか?
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年初に2つの大きな報道。地政学的リスクの高まりとスイスフランの続伸を感じさせる
トレーダー西原 今年のコンセンサスは過去2回のコラムで触れているので、今回は年初に2つの大きな報道があったので取り上げますね。
最初は、スイスが同国を取り巻く状況について「第2次世界大戦後で最も不透明かつ危険」であると警告したこと。
このコラムで何度か取り上げたFT(フィナンシャルタイムズ)の著名コラムニスト、ジリアン・テットさんも指摘していましたが、スイス連邦情報局(FIS)の最新報告書(『Switzerland's Security 2025/2026』)が、同国を取り巻く状況について「第2次世界大戦後で最も不透明かつ危険」であると警告していることが、マーケットで話題になっています。
スイスの再軍備化と防衛体制の再構築について、背景と現状をチェックしてみましょう。
(1)「平和の配当」の終焉と判断ミス
冷戦終結後、スイスは他の欧州諸国と同様に「平和の配当」を享受し、軍事予算の削減を継続。 ロシアがウクライナへの本格侵攻(2022年)を開始するまで、スイスの指導層の多くは「欧州で大規模な地上戦が起きることはない」という前提で防衛計画を立てていました。
しかし、ウクライナ戦争の長期化、中東情勢の緊迫化、さらに米中対立の激化により、スイス連邦情報局は「グローバルな対立がスイスの安全保障に直接影響を及ぼしている」と結論づけました。
(2) 防衛予算の劇的な増額
こうした背景から、スイス政府は長年の緊縮財政から一転し、防衛能力の急速な回復に舵を切っています。2030年代初頭までに国防予算をGDPの1%(現在の約2倍)に引き上げる方針を固めました。
(3)「中立」の定義の変容
もっとも大きな変化は、スイスのアイデンティティである「永世中立」の解釈です。
スイスはNATO(北大西洋条約機構)加盟こそ目指していませんが、合同軍事演習への参加や情報共有を強化しており、「中立を維持しつつ、協力関係を深める」という実利的な路線、いわゆる「中立の協力」へシフトしています。
自国製の兵器が第三国(ウクライナ等)へ転送されることを禁じていた厳格な規則についても、国内で「自国の防衛産業が孤立し、弱体化する」との懸念から、規制緩和の議論が加速しています。
(4) 指導者たちの危機感
また、スイス連邦情報局は「ジュネーブなどの国際都市が依然としてロシアや中国の諜報活動の拠点になっている」と警告。スイスが制裁逃れの「抜け穴」として利用されるリスクもあるようです。
このような現状を、スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領(国防相兼任)を含む指導者たちは「地政学的な断絶」と表現しています。
スイスは現在も「永世中立国」です。しかし、最近の国際情勢、特にロシアによるウクライナ侵攻を受けて、その「中立」のあり方が大きな議論を呼んでいます。
スイスの中立は「誰の味方もしたくない」という消極的なものではなく、「自分の国は自分で守る」という強い意志に基づいています。
こうした流れは、今年も地政学的リスクの高まりと同時に、スイスフランの続伸を感じさせます。
そして、年初2つ目の大きな報道はベネズエラ情勢です。
米軍がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、米国へ移送したと報じられました。短期的に市場への影響は限定的と思われますが、中期では台湾関連に影響を及ぼすと考えられます。
中国のソーシャルメディア上では、今回の米軍軍事作戦は「中国が台湾との緊張関係に対処する方法のひな型となり得る」との声が上がっているようです。
つまり、「国際社会が米国によるベネズエラでの政権交代を黙認したなら、中国は台湾でも同じことができるのではないか?」ということになるわけです。
こうした状況は前述のように、スイスが「自分の国は自分で守る」というスタンスを明確にしたことからも、当然の流れといえます。
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ニュージーランドドルの上昇に注目! RBNZの利下げ方針転換で。米ドル/円が急騰すれば、介入の可能性は極めて高い
一方、今年は豪ドルやニュージーランドドルのような資源国通貨が底堅く推移するという予測も多く見られます。AIバブルも崩壊することなく、日経平均も5万5000円まで続伸するという予測も多数。
総じて見れば、米国の利下げ予測を背景にリスクオン環境が続くものの、どこかで大きな調整が起きるという展開でしょうか。
米ドル/円は中期的な円安方針を継続しますが、昨年の米ドル円が「行って来い相場」を演じたことに要注意です。つまり、昨年末の当局のスタンスから考えれば、この局面では、水準として米ドル/円の160円超えは容認できないという印象。
仮に急騰するようなことがあれば、米ドル売り介入が行われる可能性は極めて高いと想定しています。
資源国通貨の中では、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が利下げ方針を転換したため、ニュージーランドドル/米ドルが上昇局面に転じたと考えており、ニュージーランドドルの上昇に注目しています。

(出所:TradingView)
トレーダー西原 MC叶内 それでは、今年も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!
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