先週末、市場が注目していた6月分の雇用統計が発表されました。
失業率は9.2%(市場予想は9.1%)、非農業分門就業者数変化は1.8万人の増加(市場予想は10.5万人の増加)となり、大方の予想を大きく下回る結果となりました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
これで、アメリカの雇用環境は極めて厳しい状態が続いているということが明らかになりました。
こうした状況を受けて、7月13日(水)に行われた半年に1回の議会証言の中で、FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は「景気回復が緩慢な状態が続くと失業率が下がらず、物価上昇率も下がる可能性がある。そうした事態になれば、追加的な金融緩和を行う用意がある」と表明しています。
具体的には「証券の追加購入に踏み切る」、「ゼロ金利の長期の継続については、その期間を明示する」などと説明しています。
■円高に振れやすい局面に相場が移ってきた
このように、景気が悪い、さらなる金融緩和の可能性が出てきたということになると、当然「米ドル安」の圧力がかかってきます。
特に、世界全体で景気の先行きに心配があるような状況下では、経常収支黒字国の通貨が強くなりやすくなります。それはつまり、円です。
米ドル/円が78円台まで円高に進んでしまったのは、このようなことが大きな要因です。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
こちらも大きく崩れるような相場展開にはならないと思っていますが、80~81円あたりでもみ合っていた相場が、下方向に圧力がかかる局面に移った可能性が高いと考えておいたほうがよさそうです。
こうした状況を頭に入れて戦略を練りたいと思います。
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