ユーロ/円が100円の大台を割れ、ついに大台が2ケタの99円台に突入した。
(レート画像はヒロセ通商の「LION FX」)
これは2001年6月以来、実に10年半ぶりのこと。
(出所:米国FXCM)
ここ数日101円台後半~102円台前半で小動きだったユーロ/円は12月28日(水)の日本時間23時台から急落。ECB(欧州中央銀行)のバランスシートが過去最大に拡大したことなどから、ユーロ売りが活発化した模様。
ECBのバランスシートが拡大していることはすでにわかっていたことと思われるが、改めてユーロ売りの材料とされてしまったようだ。
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(出所:米国FXCM)
12月29日(木)の東京タイム、欧州タイムもジリジリとユーロは下落。この日、注目されていたイタリア国債の入札は3年債、10年債ともに前回の利回りを下回って一応無事に終了したが、それでユーロ買い戻しとはならず、さらに下落を続けた。
そして、日本時間の21時台には一時、100.05円という100円割れ寸前の水準まで下落した。
しかし、節目の100円ちょうどにはオプションバリアも控えており、オプションの防戦買いで下げ渋る動きを見せた。
そこから米国株が上昇し、リスク許容度が増したことなどから、NYタイムでは、いったんは100.6円台まで戻す動きとなった。
しかし、ユーロ/円の上値は重く、本年最終営業日となる12月30日(金)の日本時間11時台から再びジリジリ下落をはじめ、ついに日本時間20時前には100円を割れて、99円台に突入した。
99円台に突入したのは19時50分ごろ。
記者はヒロセ通商の「LION FX」とマネーパートナーズの「パートナーズFXnano」を監視しつつ、“世紀の一瞬”の画像をキャプチャしようとキャプチャソフトを起動して、さらにツイッターなども見ながら、身構えていたが、99円台をつけたのはヒロセ通商の「LION FX」のBIDだけのように見えた(※)。
(※記者もかなりあわてていたので、もしかしたら違うかもしれない。また、店頭FXでは、微妙に各社のレートが異なるのは通常のこと)
(出所:米国FXCM)
そして、99円台をつけたのはほんのわずかな間だった。
その後、ユーロ/円は100.2円台まで戻したが、再び下落。日本時間20時50分現在では100.0円付近を推移しており、再び100円を割れる可能性も十分ありそうだ。
ユーロ圏の債務問題は依然解決には至っておらず、マーケットは不透明感の漂う年末を迎えている。
なお、ユーロ/米ドルも12月28日(水)の日本時間23時台以降、急落しており、1.307ドル台付近から12月29日(木)には一時1.285ドル付近まで下落している。このときはユーロ/円よりも下落がきつかった。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
ただ、12月30日(金)の下落はユーロ/円よりも緩やかで、12月29日(木)の安値は、12月30日(金)20時50分現在ではまだ割れていない。
(ザイFX!編集部・井口稔)
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