「米連邦準備理事会(FRB)が国内金融機関19社を対象に実施したストレステスト(健全性審査)で、米銀3位のシティグループと生保最大手のメットライフなど4社が不合格となった」(出所:ロイター)
もちろん、不合格の金融機関があること自体は、米国の金融セクターに対してネガティブな材料となります。
しかし、「不合格行が出たことで、ストレステストの信頼性が高まった」との見方が広がりつつあり、結果として、米国の金融セクターに対する市場の見方はポジティブなものに変貌しているのです。
ストレステストの結果発表翌日の3月14日(水)は、「KBW銀行指数」は1.3%の上昇となっており、年初からだと22%も急騰しています。
この銀行指数が上昇していることも、米ドルの追い風になっています。
■上値のターゲットは85円から87円へ、上方にシフト!
しばらくの間、米ドル/円のボラティリティは低下していたため、「当局の介入」などの特殊要因がないかぎり、大きく動かない状態が長く続いていました。
そのようなこともあり、足元で米ドル/円がいきなり動意づいたことに対して、市場参加者の対応は遅れているようです。これが米ドル/円の下押しを限定的にしているもようです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
このような相場環境下で、3月14日(水)の欧米市場では、米ドル/円は下押しがほとんどないまま上昇を続けました。
そして、3月15日(木)の東京市場では、あっさりと84円台乗せており、現執筆時点も84.10円近辺で堅調に推移しています。
このコラムで取り上げた最初のターゲットの82円はすでに到達し、米ドル/円は、次の上値メドである85.00円に向けて急接近しています。
なお、ヘッジファンドの目線はさらに上がり、85円台から87円台へとシフトしているようです。彼らの中期的な目標は90円ですが、想定していたよりも速いペースで上昇しています。
今週後半も、上値余地がさらに拡大している米ドル/円の動向に注目です。
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