豪ドル/円も87.00円を割り込み、一時は86.36円まで急落しました。
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豪ドルは、3月8日(木)のコラムでご紹介させていただいたとおり、3月5日(月)の全国人民代表大会における温家宝首相の「経済成長目標を引き下げる」との発言を受けて、マーケットに高値警戒感が漂っていました(「もみ合いの後、円安基調が続く可能性大!米ドル/円はいずれ82円を上抜けて85円へ」を参照)。
さらに、為替相場に直接的な影響はないものの、3月に入ってから、重慶市幹部の汚職容疑など、「中国の政治の混乱」がメディアで多数報じられるようになってきています。これも、豪ドルに対するマーケットの心理を低下させました。
前述の中国の弱い経済指標の結果は、その不安心理を増幅させるのに十分なもので、中国と貿易などで関係の深い豪州の通貨「豪ドル」の下落が鮮明になっているのです。
■豪ドル/円は85円割れで、下落に勢いがつく可能性も
さて、豪ドルは対米ドル、対円で下落しているだけでなく、対ユーロ、対英ポンドでも急落しています。
ユーロオージー(ユーロ/豪ドル)は、昨年12月以来となる1.27ドル台まで反騰(ユーロ高・豪ドル安)しています。長らく低迷が続きましたが、反発の兆しが見えてきました。
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中国経済の減速懸念を背景に、豪ドルの下落が鮮明になってきました。
豪ドル/米ドル、豪ドル/円、ユーロオージー(ユーロ/豪ドル)、ポンドオージー(英ポンド/豪ドル)といった豪ドル絡みの通貨ペアでは、急激な豪ドル安に警戒が必要です。
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豪ドル/円は、85円台に入ると本邦投資家からの豪ドル買いが入ると予想されるため、そのエリアがサポートとなるでしょう。
しかし、その後の戻しが弱ければ、下落に勢いがつく可能性もあります。
下落が徐々に鮮明になってきた豪ドルの動向に注目です。
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