■2大マイナス要素があるにも関わらず豪ドルは堅調
さらに、今週(6月24日~)の豪ドルは地味な値動きをキープしているが、実は見た目よりかなり堅調なのではないかと思う。
何しろ、豪ドルに関する2大マイナス要素がさらに進行していた割には豪ドルが急落せず、米ドルに対してはサポートゾーンを死守、ユーロに対しては切り返してきたのだから、弱いとは言えない。
豪ドルにとっての2大マイナス要素とは、中国と金(ゴールド)の動向だ。
周知のとおり、豪ドルは中国経済や金などの商品市況に影響されやすい。今週(6月24日~)、中国の資金引き締めが一段とパニック的な反応を引き起こし、中国株の急落を招いた。と同時に、金の下落も下げ止まらず、執筆中の現時点では、1180.20ドルという2010年8月以来の安値をつけていた。
が、豪ドル/米ドルのチャートと金のチャートを重ねてみるとわかるように、相関性の高い両者の関係が最近ややずれてきた。要するに、豪ドルが中国や金の動向に反応しなくなってきたのだ。
(出所:米国FXCM)
同現象から推測できるように、豪ドルは売られすぎた状況にあるから、マイナス要素に反応しなくなってきたわけだ。
豪ドルはこれからベアトレンドを修正できないにしても、目先一段と反騰の余地を探りやすいのは確かで、やはり目先安値を追うべきではなかろう。
その上、ユーロに対しての切り返しを一段と強めれば、ユーロプチバブルの終焉を示すサインとして見逃せないと思う。
■米ドル/円の上値余地はやはり限定的とみる
最後に米ドル/円だが、再び切り返しの様子を強めているものの、やはり上値余地は限定的で、現在は調整波といった位置づけを堅持したいと思う。
テクニカル視点での分析は次回にて詳説したいが、ファンダメンタルズ的な視点では、以下の2点を強調しておきたい。
まず、最近の米ドル/円の動向は日経平均との連動性が強いから、今は日経平均の戻りに釣られた形での反騰であり、おのずと限界がある。
(出所:米国FXCM)
次に、IMM(国際通貨先物市場)のデータを見る限り、円売りポジションはなお高い水準に積み上げられており、さらなる円売りには限界がある。
【参考記事】
●経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移
前者に関しては、そもそも中国をはじめ、外部環境がかなり流動的であるため、日経平均の大幅続伸が難しい側面を無視できない。
目先、米ドル/円の戻る余地は100円の大台前後に限定されるとみる。市況は如何に。
(6月28日 14:00執筆)
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