毎日、猫の目のように変わる米議会の行方。うまくいきそうだという話が持ち上がったり、やっぱり決裂だといって合意の見込みはないだろうと悲観的になったり。そのたびに米国株は大きく上下に振らされる。それでもコアのレンジを抜けてこないので、ドル相場も上がったり下がったりだけで、基本的なレンジブレークは起こっていない。
ドル円は98円台に拘っているようだし、ユーロ円も131円から133円までを中心レンジとしている。ユーロドルも年内のレンジで見れば、かなりドル安方向に偏ってはいるものの、1.33台から1.35台までが居心地がよさそうだ。米議会をにらみながらの相場展開が続いているので、大きな方向感が出ないのも確か。だから「今度こそは」とレンジの端っこをたたいていっても、上手くいかずに損切りさせられたりする。
そのようにレンジ相場が続くのだと考えたりもしたので、昨日の欧州序盤でドル円が98.60アッパーだったのは魅力的に映った。ドル円を売ってみたい衝動に駆られつつも、ユーロドルも1.35台の後半であったので、こちらも売ってみたい感じ。そこでユーロ円を売ってみることにした。ユーロ円は133円台のミドルだったが、結局、今週に入ってからの高値は134円台をつけていない。とにかく134.00で買い戻しのストップ注文を置いて、134.47で売り込んでいった。あまり自信もなかったのでスモールサイズで。
ドイツの景況感は良かったのに、ユーロが売り込まれてきた。ユーロ円もすぐに133円台を割れそうなところまで落ちてきた。ドル円は小幅ながらも上がってきているので、純然たるドル買い相場なのだ。ユーロドルは最近はおとなしい動きしかしていなかったのに、70ポイントほども急落。久しぶりの激しさだ。ユーロ円は132円台に突入してきたので、132.91でも売り込んだ。
しかし2回目の売りは失敗だった。ユーロ円は132.85あたりまでしか下がらなかった。もうユーロドルも下げの勢いをなくしてきていたからだ。私は133.08で全部のショートを買い戻してクローズ。ユーロ円の下げを取るには取れたが、やはりまだレンジ相場の最中だという感を強くした。
ところで昨日、CNBCを見ていたら、テクニカルの話をしていた。クロス円では何がリードするのか、という内容であった。おおむね私の感じていることと同じ内容だったが、今年のクロス円の高値を付けたのを比べると、南アフリカランド、オージー、キウィが4月に、それに続いて5月にカナダやシンガポール、そして最近のユーロやポンドといったところである。
最初に高金利通貨がくるのは、それだけ金利に対してセンシティブだからであり、続いて中間に位置する通貨、そして欧州通貨である。ユーロ円が先日の高値である134円台が、このまま今年の高値になるとは限らないが、もしそうなったらユーロ円主導の下げ相場が来るかもしれない。
逆にいうと、やはり133円台アッパーのユーロ円はどこかでショートにしておくべきであり、今年の最高値更新で全部をロスカットすればよいというくらいの作戦も有効なのではないかということだ。そしてそれに加えるに、クロス円が下がれば、ドル円はほとんど確実にその基調を後続するもの。
つまりドル円も想定外の下げ幅を演じる局面もあるのではないだろうか。過去にも大きな節目での相場の反転時期では、ほとんどといってよいほど、クロス円がリードしているのだ。1995年のドル円が80円を割り込んで叫び狂っていた時も、マルク円が先に底値圏を脱したのだ。
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