■FOMC後の市場に波乱! 米ドル全体が大幅反落
FOMC(米連邦公開市場委員会)後、マーケットには波乱が起こった。
マーケットの予想どおり、声明文の特定の文言が削除されたが、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が利上げに慎重なスタンスを披露すると共に、米ドル高をインフレ抑制の要因として挙げ、米ドル高懸念を初めて明らかにした。
これを受けての米ドル全体の大幅反落も、当然の成り行きであった。ドルインデックスのチャートを見る限りでも、2014年5月安値以来、米ドルの一本調子の上昇がわかるし、2015年年初来の急騰は米早期利上げ観測を織り込んできたものであっただけに、イエレンさんの発言が効きやすかったわけだ。
(出所:米国FXCM)
要するに、早期(2015年6月)利上げ観測が後退した上、利上げ観測で支えられてきた米ドル高自体が利上げ早期実施の障害となっているのだから、米ドルのロング筋がいったん利益確定しない理由はない。
ましてや、米ドルのロングポジションは過大に積み上がってきたから、一昨日(3月18日)の変動は驚くものではなかろう。
■ユーロ/米ドルの反騰も想定内、年内パリティ視は変わらず
リンクしたように、ユーロ/米ドルが一気に1.10ドルの節目まで反騰したのも、「想定外」な値動きではなかろう。前回のコラムでも指摘したように、そもそもユーロ安自体がかなり「スピード違反」だったから、イエレンさんの話を受け、この程度の変動は当然と言えば、当然である。
【参考記事】
●ユーロ/ドル下落は1992~2000年の再来。底打ちは2016年以降なのでまだまだ売り!(2015年3月13日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
もっとも前回の指摘どおり、ユーロ/米ドルを始め、調整があった方がトレンドの健全化につながり、また、継続性を保てるから、今回のFOMCはいいきっかけを作ってくれたとも言える。
この意味では、米ドル高のトレンドはまだ続くし、2015年内にまた上値ターゲットに挑戦していく公算が大きいだろう。ユーロ/米ドルについても、引き続き2015年内パリティ(1.0ドル)の達成を有力視している。
ところで、目先の問題はというと、米ドル全体の…
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