■イエレン議長の会見は想定以上に「ハト派」
みなさん、こんにちは。
注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が、3月17日(火)~18日(水)の2日間の日程で開催されました。
今回のFOMCのコンセンサスは、声明文から「ペイシェント(patient、忍耐強く)」が削除されるものの、その後、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の会見で、総合的なバランスを取るというものでした。
【参考記事】
●FOMCは声明文の「忍耐強く(patient)」に注目! ユーロは1.02ドルに向け下落か(3月17日、西原宏一&松崎美子)
実際、イエレン議長の会見内容は想定以上に慎重で「ハト派(dovish)」なトーンであり、米国債の利回りは低下。連れて、米ドル/円は120.00円を割り込み、一時、119.39円まで急落しました。

(出所:CQG)

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■米ドル/円は122円近辺では当局の円安牽制が重石
日本の統一地方選を控えて、米ドル/円は122円に近づくと、本邦当局からの円安牽制(阻止ではない)が節目節目で報道されていることが上値を重くしています。

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また、テクニカル分析で米ドル/円は、1990年4月高値160.35円と1998年8月高値147.67円をつないだ長期トレンドラインが位置している122.35円を超えられない展開であったため、FOMC前の米ドル/円は調整しやすい地合いにありました。

(出所:米国FXCM)
FOMC前日(3月16日)には、某米系銀行から米ドル/円のロングポジションを一度スクエアにすることを推奨するレポートも出ていた状態。
そうした展開の中、イエレン議長の「ハト派(dovish)」なコメントが報道され、米ドル/円はストップロスをつけて急落しました。
一方、公的年金からは旺盛な米ドル買いが、依然として断続的にマーケットに持ち込まれており、米ドル/円は続落することはなく、本稿執筆時点では、120円台を回復しています。
ただ、前述したように、FOMC後は米国債利回りも低下しており、米ドルの上値も限定されるため、当面の米ドル/円は118~122円のレンジで推移する公算が濃厚です。

(出所:米国FXCM)
■FOMC後にユーロ/米ドルは1.10ドル台へ急騰
3月に入って、1.05ドルレベルで下げ渋っていたユーロ/米ドルも、FOMC後にいったん反発。今朝(3月19日早朝)方、瞬間的ですが、一時、1.1062ドルまで急騰しています。

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2015年のユーロ絡みの通貨ペアは、1月のスイスショック以来、ボラティリティが高く、下落も調整も加速がつきやすい展開が続いています。

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前述したように、イエレン議長の会見は「ハト派(dovish)」ではあったものの、FRBが、2015年6月か9月に利上げをすることは既定路線。一方、ECB(欧州中央銀行)のQE(量的緩和策)をきっかけにしたユーロ売りは継続であるため、ユーロ/米ドルの戻りは限定的。

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■ユーロ/円の下落トレンドは変わらず
また、日本の統一地方選までは米ドル/円の上値は限定的であるため、結果として、ユーロ/円のダウンサイドリスクは変わらず。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 週足)
友人のファンドマネジャーも本日(3月19日)のユーロ/円の反発を利用して、ヘッジをかけていた模様(※)。
(※編集部注:ECBのQE(量的緩和)により上昇が目立つ欧州株を単純に買うだけでなく、同時にユーロ売りを行って、ユーロ安に対するヘッジをかけようとすることを指していると思われる。前回の記事の最後を参照→すさまじいECBのQE開始でユーロ急落!ユーロ/円は120円に向けて続落か(3月12日、西原宏一))
ユーロ/円は昨年(2014年)12月に到達した149.78円から一方的に下落していたため、今回の反発で、ユーロの売られ過ぎが緩和されるものと想定しています。
引き続き、ユーロ/円の動向に注目です。
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