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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

主要国長期金利上昇、イタリア国民投票、
米大統領選…リスクオフの材料が山積み!

2016年10月28日(金)17:41公開 (2016年10月28日(金)17:41更新)
陳満咲杜

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■米ドル高の理由は債券市場にあり!

 米ドル高が続いている。ドルインデックスは一時99の節目を打診し、米ドル/円も昨日(10月27日)から105円の大台乗せに成功した。米12月利上げが確実視され、米ドル高の原動力になっている模様だ。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:CQG) 

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

 一方、本コラムがすでに指摘していたように、そもそも米12月利上げがあるとしても、それは「早期利上げ」ではなく、「晩期利上げ」となるから、相場はとっくにこれを織り込んでいたはずだ。では、なぜ「今さら」の米ドル高なのか。

【参考記事】
ドル高は続くのか? 「FRBの利上げ詐欺」に対し、市場はストックホルム症候群に!?(2016年10月21日、陳満咲杜)

 この答えは、債券マーケットから出そうである。その発端となったのは、先にEU離脱を決定した英国だ。

 英3Q(第3四半期)GDPの数字が予想より改善されたことを受け、英10年物国債は大幅に下落、利回りは1.28%へ急上昇し、EU離脱以来の最高レベルを更新した。 

英長期金利(英10年物国債の利回り、日足)
英長期金利(英10年物国債の利回り、日足)

(出所:CQG)

 それを受けた形で独国債市場も下落した。独10年物国債の利回りは0.17%まで上昇し、5ヵ月ぶりの高い水準を記録した。テクニカル的に、同利回りが2016年年初来初めて200日線を突破したのは、市場関係者に注目されるサインだと言える。 

独長期金利(独10年物国債の利回り)
独長期金利(独10年物国債の利回り)

(出所:CQG)

 英独両国の「異変」が間もなく米国へ影響し始めた。米10年国債利回りも1.85%へ上昇、同じく5ヵ月ぶりの高値を記録した。 

米長期金利(米10年物国債の利回り)
米長期金利(米10年物国債の利回り)

(出所:CQG)

 このように、主要国の債券市場の利回りがそろって上昇(債券価格は下落)、結果的に米ドルを押し上げたわけだ。何しろ、米ドルは2016年年内利上げを有力視され、利回りにもっとも敏感である。

 そのうえ、根本的にはECB(欧州中央銀行)、日銀など米国以外の緩和政策が続かないのでは、といった懸念が強まっているからだ。マーケットは「潮」の変わり目を見極めようとしており、債券市場も神経質な値動きを見せているわけだ。

 要するに、世界主要国の債券市場が長い間上昇して… 

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