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田向宏行
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル・米国株・金トリプル高のレアケース!
米ドル反落は押し目買いの好機になる

2017年02月17日(金)17:13公開 (2017年02月17日(金)17:13更新)
陳満咲杜

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■米ドルは上昇へ! 反落は押し目買いの好機

米ドル全体は、一進一退しながらも上昇傾向を強めている。ドルインデックスの日足から考えると、2つのポイントを見逃せない。

 まず、前回のコラムでも指摘したように、2017年1月30日(月)高値(a)を転換点と見なす場合、すでに突破しているから、米ドル高の基調が確認されたといえる。

【参考記事】
日米首脳会談でリスクオフの警戒は不要!なぜドル全体の底打ち確定近しと言える?(2017年2月10日、陳満咲杜)

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 その上、1月19日(木)高値(b)も一時ブレイクしたから、米ドルの反落は、すでに2月2日(木)安値99.23をもってすでに完成した、といったシナリオは維持される。

 一方、一昨日(2月15日)に高値トライしてから反落したため、また米ドル安基調に復帰したのでは…と思われる節もあるが、基本的には上昇波途中におけるスピード調整であろう。

 なにしろ、前述の(a)と(b)の高値に対するブレイクは、2017年の年初来形成され、2月2日(木)安値までに形成された大型「下落ウェッジ」を証左しただけでなく、同フォーメーションに対する上放れを確認したわけだから、ここから安易な安値更新はなかろう

 換言すれば、「下落ウェッジ」の上放れが確認された以上、米ドルの反落があれば、押し目買いの好機と見なすべきだ。

■これから「後付け」のファンダメンタルズ材料が…

 ドルインデックスにしても、米ドル/円にしても、一昨日(2月15日)の高値打診から反落してきたが、前回のコラムにて指摘したように、これは日米首脳会談と無関係であった。

【参考記事】
日米首脳会談でリスクオフの警戒は不要! なぜドル全体の底打ち確定近しと言える?(2017年2月10日、陳満咲杜)

 トランプ政権が発足して以来、いろんな出来事があったが、基本的にリスクオフにはならなかった。だから、目先の米ドル全体の軟調は、2017年年初から2月2日(木)までの米ドルの反落と同様、スピード調整といった視点で捉えるのが妥当であろう。

トランプ米大統領

トランプ政権が発足して以来、さまざまな出来事があったが、リスクオフにはならなかった (C)Pool/Getty Images

 相場の内部構造が米ドル高を示唆しているなら、それに伴い、また後付けで、ファンダメンタルズ上の材料が出てくるはずだ。

 それ以前の「トランプ・ラリー」が行きすぎた分、2017年年初来、米ドル全体はスピード調整してきたが、2月2日(木)安値をもってすでに完了したのであれば、新たな材料が浮上してくるはずだ。

 場合によっては材料の蒸し返しでも再度大きく効いてくるケースが多いから、ファンダメンタルズ上の材料を再度確認しておきたい。

 「トランプ・ラリー」が行きすぎであったからこそ、米ドル全体はスピード調整をはじめ、その後のトランプ氏による米ドル高牽制も効いたわけだ。

 となると、米ドル高に再度転じた先週(2月6日~)の値動きの背景に、「トランプ減税」期待の再燃や、早ければ3月にもFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利上げあり、といった観測が高まったことがあったのは、むしろ自然の成り行きだ。

 この2つの材料は、どれも過去材料の蒸し返しにすぎないが、米ドル全体のスピード調整がすでに完了した公算が大きい現在、これらの材料は再度効いてくるとみる。

「財政拡張+金融引き締め」の局面では、典型的な反応パターンは持続的な通貨高である。だから、いくらトランプ大統領が米ドル高を牽制しても、米ドル高の基調は安易に修正されず、当面維持されるだろう。

 教科書どおりなら、足元の米ドル高は、まだ…

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