■日米首脳会談で為替政策は先送り、まずは一安心
注目された日米首脳会談ですが、とりあえず問題を先送りして、為替政策についても今後、両金融当局、つまり、財務省同士で話し合いをしようということで、いったん落ち着きました。まずは一安心というところでしょうか。
日米首脳会談では具体的な問題に関する言及はなく、為替政策は今後、両国の財務相をトップに議論することが決まった (C)Chip Somodevilla/Getty Images
【参考記事】
●日米首脳会談最大の注目は為替の議論があるかないか。米ドル/円は110円まで下落も(2月9日、今井雅人)
ただ、ムニューチン新米財務長官は、長期的には米ドル高が望ましいが、短期的には現在の米ドルの水準は高すぎるという認識をすでに示しています。3月に麻生財務大臣と初会談をする予定となっているので、そこでの議論に注目をしておきたいと思います。
米財務長官に任命されたムニューチン氏は、短期的な米ドルの水準は高すぎるとのスタンス。3月の麻生財務大臣との初会談が注目される (C)Bloomberg/Getty Images
【参考記事】
●「米ドル高の弊害」へ言及があれば一気にセンチメント逆転か。「その時」を警戒せよ!(2016年12月1日、今井雅人)
■イエレン議長の発言は利上げが早まることを示唆?
さて、目先の政治的なリスクがとりあえず先送りされた状況の中で、その後は米国の景気状況、金融政策に注目が移っています。
一番の注目は「米国がいつ利上げをするのか? 今年、何回の利上げを実施するのか?」という点です。その点を占うのに重要な発言が今週ありました。
14日(火)、上院銀行委員会で開催された半期に一度の議会報告の中で、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「FOMC(米連邦公開市場委員会)会合はまったく予断を持たずに協議する」とした上で、「緩和解除を長く待ち過ぎるのは賢明ではない。待ち過ぎればFOMCは最終的に急速なペースで、利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ、経済を景気後退に追いやるリスクが生じる恐れがある」と発言をしました。
この発言を市場は、利上げが早まることを示唆しているのではないかと受け取り、米ドルが上昇しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
15日(水)も、重要な経済指標が…
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